第8話(後編)「超えろ敗北!師匠は黒猫!?」(脚本)
〇停車した車内
じいや「──おかえりなさいませ」
〇タクシーの後部座席
大禅師ジャック「うん、出していいよ 家に帰ろうか」
大禅師ジャック「しかし・・よく分かったね」
大禅師ジャック「帰りは遅くなると伝えたのに・・ なぜボクが早めに戻ると判断できた?」
じいや「──タップギアですよ、ぼっちゃま」
じいや「かの大会、トランセンドカップは 相当ハイレベルになるかと存じます」
じいや「入念な準備と対策が必須でしょう 時間は1秒でも多い方がよろしいかと」
じいや「しからばこのじいや、執事として 万全にサポートするまで・・・」
大禅師ジャック「なるほどね ボクの性格を読んだワケか」
大禅師ジャック「──さすがだね、じいや」
じいや「お褒めに預かり光栄でございます」
じいや「しかしぼっちゃま、じいやは コレで終わりではありませんよ?」
じいや「どうぞ、こちらをお目通し下さい」
大禅師ジャック「んん?週刊誌? なんだいコレは?」
大禅師ジャック「じいやにしては随分と 俗っぽいものを・・・」
大禅師ジャック「──っ!? いや違うっ!コレはっ!?」
じいや「表紙など装丁はフェイク じいやの遊び心です」
じいや「その内容は・・・ ぼっちゃまもお気に召すかと」
大禅師ジャック「ふふふ・・・最高だ、じいや!」
大禅師ジャック「「衝撃の裏側!大会の闇!」 「四天王の秘密! 浮かび上がる人物像!」」
大禅師ジャック「コレは週刊誌に見せかけた・・ 四天王の調査記録だね」
大禅師ジャック「ボクが依頼してから まだ1週間も経ってないのに・・」
大禅師ジャック「この仕事の早さ・・・ さすが大禅師家の執事だ!」
じいや「もったいなきお言葉・・・ 嬉しく思います、ぼっちゃま」
じいや「僭越ながら、口頭での解説も いたしましょうか?」
大禅師ジャック「ああ、頼むよ」
じいや「では少しばかり、お耳を拝借致します」
〇旅館の和室
四天王:01
板追 善子
まずは筆頭、板追善子
四天王のまとめ役ですね
武家茶道の家元でありながら
古武術をも得意としており
近年はエフェクトバトルと
日本古来の武芸を織り交ぜた・・
──「効果道」
を探究なさっております
大禅師ジャック「ふぅん、エフェクトの道で 「効果道」か・・・」
物静かな所作から繰り出される
苛烈な攻撃を得意としており
静謐でありながら鋭い
エフェクト捌きが持ち味です
大禅師ジャック「なるほど、難敵だね」
いえ、ぼっちゃまであれば
確実に勝てますよ
大禅師ジャック「・・・? どういう意味だい?」
調べによると「度を越えた子供好き」
その言動は変態の域に至るほど
ひとたび子供相手となると
感情が暴走し──
勝手に自滅することも
あるそうです
大禅師ジャック「・・・・・次、聞こうか」
〇劇場の舞台
四天王:02
ジョー・ショウバイハン
続いて2人目
西日本最強の芸人
・・を自称するエフェクター
ジョー・ショウバイハン、芸名です
相手キャラの行動をボケに成り下げる
強力な解釈力を持っており
バトルのはずが、いつの間にか
コントになってる・・・
なんてことも珍しくないそうです
大禅師ジャック「説得力の薄いエフェクトコンボは 小ボケとして処理されるワケか」
大禅ジャック「厄介な相手だね」
〇パチンコ店
四天王:03
志士 博徒
そして3人目ですが・・・
ジャック様の方がお詳しいかと
大禅師ジャック「志士博徒・・・か」
改めてご説明いたします
志士博徒、四天王では最年長
別名・・・
賭け狂いのギャンブル依存者、ですね
賭け事の息抜きで四天王を務めるも
平日はパチンコ店に通い詰め
土日祝は競馬で馬券を買い漁り
たまに競輪や競艇に顔を出しつつ
夜が深まると賭け麻雀に
賭けポーカー
裏カジノへの出入りも目撃され
今の借金額は推定1億・・・
大禅師ジャック「いや、もういいよ ギャンブルのフルコースじゃないか」
大禅師ジャック「ある意味、想像を超えた エフェクターだね・・・」
エフェクトスタイルは勿論ギャンブル
ハイリスクハイリターンを好みます
場当たり的な戦い方ですが
その分、越えた死線も多いかと
危険への嗅覚力はずば抜けてます
〇タクシーの後部座席
大禅師ジャック「なるほどね、危機感知か」
じいや「そして4人目ですが・・・」
大禅師ジャック「冥響寺スイだろう?」
大禅師ジャック「今朝も会ったけどね 四天王か問い詰めたら焦ってたよ」
大禅師ジャック「白々しく否定されたが・・・ まったく、よく分からない」
じいや「いえ、ジャックさま 申し訳ございません」
じいや「このじいや、調査が甘く・・・ 先日の情報に不備がございました」
大禅師ジャック「情報に不備? どういう意味だい?」
じいや「お渡しした資料に写真がございます どうぞ、ご覧ください」
大禅師ジャック「・・・? この写真は──」
大禅師ジャック「っ!!?」
大禅師ジャック「・・じいや、コレは本気かい?」
じいや「ええ、間違いありません じいやめも驚きました」
大禅師ジャック「いや、そんな、バカな・・・」
大禅師ジャック「もしそうだとしたら・・・ 常識を超えているぞっ!?」
〇海岸線の道路
クロサビ「にゃんっにゃん! な〜〜〜ごっ!」
冥響寺スイ「どしたのクロサビ? なんか上機嫌だね」
クロサビ「にゃにゃにゃ、にゃんにゃ!」
冥響寺スイ「え?誰か来るって・・・」
「たのも〜〜〜〜うっ!」
壱天 光星「ぜぇっ・・はぁっ・・・ やっと・・・見つけたぜっ・・!」
壱天 光星「そこのオマエッ! オレとエフェ・・」
冥響寺スイ「壱天光星、もう動けるんだ」
壱天 光星「やっべ、そうだった! まずは礼を言わねーと!」
壱天 光星「治してくれてありがとなっ! すっげー助かったぜ!」
冥響寺スイ「別に、いい お仕事だから・・・」
壱天 光星「お仕事?」
壱天 光星「ま、いいや! このお礼はいつか返すとして・・・」
壱天 光星「そこのオマエッ! オレと勝負だっ!」
冥響寺スイ「オマエって言うな なんか不愉快・・・」
壱天 光星「そうなの?ゴメン!」
壱天 光星「じゃ、なんて呼べばいーんだ?」
冥響寺スイ「・・・・・・」
フードちゃん「ふ、フードちゃんで・・・」
壱天 光星「よしわかった!フードちゃん! オレとエフェクトバトルしてくれっ!」
フードちゃん「・・・なんで?」
壱天 光星「強くなりてーんだ」
壱天 光星「どうすれば最短で強くなれるか オレなりに考えたんだけどさ・・・」
〇池のほとり
壱天 光星「修行、修行かぁ・・・」
壱天 光星「師匠っても母ちゃん位しか 心当たりないけど・・・」
壱天 光星「──いや、待てよ?」
オレが負けたのってこの2人だよな
今んとこ、最大の目標は
コイツらに勝つことだ
強くなるためには・・・
なんだ、簡単じゃん
〇海岸線の道路
壱天 光星「で、オレわかったんだ」
壱天 光星「フードちゃん達より強くなりたい 勝てるようになりたい・・・」
壱天 光星「なら答えは簡単だ・・・ 勝つまでバトルすればイイ!」
フードちゃん「え、えぇ・・・」
壱天 光星「オレに勝ったヤツに リベンジしまくる!」
壱天 光星「コレがオレの修行だぜっ! さあバトルだバトルだっ!」
フードちゃん「すごく、めんどう・・・!」
クロサビ「にゃははハハハハハッ!」
フードちゃん「クロサビ!? どしたの・・・」
クロサビ「にゃ〜にゃ、にゃん」
フードちゃん「気に入ったって・・・ え、そんな」
フードちゃん「うぅぅ・・・わかった」
壱天 光星「あっ!おい! どこ行くんだよフードちゃん!」
クロサビ「にゃにゃん、にゃん」
壱天 光星「なんだよ、オマエ 急に目の前に出て・・・」
壱天 光星「ん?あれ? その首輪・・・」
壱天 光星「もしかしてタップギア!?」
クロサビ「にゃっにゃにゃ、ニャオン」
壱天 光星「波紋1のエフェクトッ!」
クロサビ「ニャッハッハ、キニイッタゼ コボウズ!」
壱天 光星「うわぁっ!! ネコがしゃべったぁあ!?」
クロサビ「リアクション デケーナ オチツケ オチツケ」
クロサビ「エフェクトバトル デハ ヨクアルコト ダロ?」
壱天 光星「え、そうかな そうかも・・・」
クロサビ「オマエノコトハ マエカラ キニナッテタンダゼ?」
クロサビ「ナリフリ カマワズ ツヨクナリタイ ソノシセイ サイコーニ イイカンジダ!」
壱天 光星「ごめん・・・ なんか聞き取りにくいんだけど」
クロサビ「ン?ソウカ チョイ マッテクレヨ」
クロサビ「ンニャゴロ んにゃごろ・・・」
クロサビ「にゃっ!コレデ どうかにゃ? 聞きやすくにゃったのでは?」
壱天 光星「ホントだ!にゃんか口調が 気になるけど聞きやすい!」
壱天 光星「ってそうじゃなくて!オレ、 フードちゃんとバトりたいんだけど」
クロサビ「にゃーにゃー、落ち着けコボウズ」
クロサビ「あの子にもプライニャートがある コボウズの都合ばかり考えにゃいかん」
壱天 光星「プライベート、かな まあそうだよな・・・」
クロサビ「その代わり、にゃーが にゃーしてにゃろう」
壱天 光星「え!?オマエとバトルすんの?」
壱天 光星「さすがにネコには勝てるぞ、オレ!」
クロサビ「にゃめんにゃ、コボウズ!」
壱天 光星「イッテェ! 何すんだ・・・」
壱天 光星「って、えぇ! 今のエフェクトか!?」
壱天 光星「本当に引っ掻かれたのかと・・」
クロサビ「言っとくがにゃ、あの子に エフェクトバトル仕込んだのはにゃーだ」
クロサビ「にゃーが育てたと言っても 過言にゃにゃい」
壱天 光星「そうなのっ!? すっげーーっ!!」
クロサビ「改めて、にゃにょろう! にゃーはクロサビ!」
クロサビ「あんのニャンブル狂いや 売れにゃい芸人と同じ・・・」
クロサビ「四天王の一角をににゃう者にゃ!!」
壱天 光星「四天王なんだ! よく分かんねーけどスゲェな!」
クロサビ「にゃ!気持ちの良い リアクションだにゃ!」
クロサビ「そのにゃーが面倒を見てやる・・ コレがどういうことか分かるにゃ?」
壱天 光星「フードちゃんより強くなれる ・・・ってこと?」
クロサビ「可能性はあるにゃ!」
壱天 光星「やったぜ!よろしくな クロサビ・・・・・」
壱天 光星「いや・・・クロ師匠ッ!」
クロサビ「よい心掛けにゃ! にゃにゃってにゃん!」
壱天 光星「よっしゃーっ! タップギア起動っ!」
壱天 光星「エフェクトオープンッ! 行くぜクロ師匠ッ!」
クロサビ「バッチコイにゃーーっ!」
フードちゃん「・・・・・・・・・・・・うぅ」
フードちゃん「クロサビ、取られた・・・」
いいですねぇ!四天王のエフェクトスタイルがバリエーション豊かで、ワクワクしちゃいます!😆からの、次回予告の最終回臭の凄さたるや…笑
まぁ長編コンテストなどありますからね、大人しく次回を待ちます 笑
とりあえず、クロサビがどんなバトルを見せてくれるのか楽しみです!
盛り上がってキター!
けど次回予告の打ち切り臭がすごくて
私、気になります!
おはようございます。
クロサビ師匠、格好良いです。
長編コンテストも始まるので、お忙しいとは思いますが、次回楽しみにしております🙇♀️