エピソード2...学校がない(脚本)
〇墓石
親戚「突然の事故だったんだろ」
親戚「前を見てなかったらしいな」
親戚「可哀想」
親戚「どうするんだこれから。 ウチはとてもじゃないけど面倒見きれないよ」
親戚「どうしたもんか。 誰か一人ならいいけど」
親戚「美智子さんは看護師だからいいけど健太郎さん社長だからね。まいるちゃんじゃ無理だろ」
萩原まいる「・・・。あの〜」
親戚「・・・!?」
萩原まいる「私達、大丈夫ですよ。 これから3人で頑張っていくので。 大丈夫です」
萩原まいる「あははは」
「どうやら一悶着あったな」
〇高層階の部屋
──次の日──
金梨 正道「・・・マジかよ~。 荷物持って行くのかよ」
萩原まいる「あの〜」
金梨 正道「何だよ。 うるせえな」
金梨 正道「あ、ああん。 まいるちゃん。だめじゃん、こんなことして。 荷物解いて・・・」
萩原まいる「嫌です。 困ります。 私達にとって大事な思い出のものもあるので・・・だってマンションは手に入ったじゃないですか?」
萩原まいる「会社を立ち上げられるほどの。 お金持ちの仲間入りじゃない」
金梨 正道「あ〜。 もういいよ。早く帰れ。 邪魔だ・・・」
萩原まいる「じゃあ、行くよ辰」
金梨 正道「・・・!?」
萩原 竜「・・・」
〇白
〇開けた交差点
萩原まいる「正道おじさん怖かったね」
萩原 竜「そんなもんだよ」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「怖い世の中だね」
萩原 竜「そんなもんだよ」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「ダメだね。 私。マンションまで売りとばして・・・。 ハハッ」
萩原 竜「そんなもんだよ」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「こんなことになって・・・ご、」
萩原 竜「何言ってるの。 姉貴は謝らなくていいよ。 彼奴等、最悪だよ」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「辰もごめん。 マンション一番気に入ってたのに・・・」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「・・・!?」
萩原まいる「これからどうする? 新しい家はここから近いみたいよ。 一軒家で18000円みたい。リフォームOKだって」
萩原 竜「やすっ。嫌、高いか。 やっていけるの?大丈夫?」
萩原まいる「大丈夫、大丈夫」
萩原 辰「お腹すいた」
萩原まいる「あ、そうだね。 どこか入って食べようか。 最後の晩餐」
・・・。
〇ファミリーレストランの店内
萩原まいる「さあ、何食べようか。 ああ見て、もう夏だね。冷やし中華フェアしてるよ」
萩原 辰「僕、チェダーチーズハンバーグセットとポテトフライ」
萩原 竜「俺、冷やし中華でいいや」
萩原まいる「私も冷やし中華食べようと」
萩原まいる「・・・あはは。ここでも騒がられているね」
萩原 竜「そうだね」
萩原まいる「喪服に制服だもんね」
萩原まいる「あ、きた」
萩原 辰「いただきます。 あっ。ぱくぱくぱくぱく」
萩原 辰「もぐもぐ」
萩原まいる「美味しそう。冷やし中華って早く作れそうに見えて結構遅いよね」
萩原 竜「そうだね」
萩原まいる「あ、お姉チャンこの後、職業安・・・」
店員「冷やし中華になります。どうぞ」
萩原まいる「美味しそう」
萩原 竜「食べれなくはない」
〇古いアパートの部屋
萩原まいる「お風呂に入るぞ〜」
〇白
萩原まいる「気持ちいい」
(諸事情で下着をつけてます。)
萩原まいる「はあ、大変な事になったな。 これからどうなるんだろう。 あ〜あ。お金欲しいな」
〇オレンジ(ディープ)
〇古いアパートの部屋
萩原まいる「とーふ、豆腐」
萩原 竜「湯豆腐いいね」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「辰、全然喋らないね」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「湯豆腐嫌い?!」
萩原 辰「うん」
萩原まいる「バカね。 そういう時は・・・そういう事ゆーと、うふッて言わなきゃ」
萩原 竜「・・・別に面白くないよ」
萩原まいる「これまたおたまっげ〜」
萩原 竜「あはは」
萩原まいる「これまたしつれいすますた」
〇オレンジ(ディープ)
「さあいい食べ頃だよ」
〇古いアパートの部屋
萩原まいる「おいしい」
萩原 竜「美味しい」
萩原 辰「・・・」
萩原まいる「そういえば辰、気になってたけどそれ何?」
萩原 辰「貯金箱・・・ぶた様の貯金箱」
萩原まいる「よく分からないけど大事にしてるんだね」
〇古い畳部屋
萩原まいる「二人共ぐっすり寝てる良かった。 明日からまた高校生活が始まる早くみんなに会いたいな。学校だけは取られなくて良かった・・」
萩原まいる「ぐーっ」
・・・・・・
〇古いアパートの部屋
萩原まいる「おはよう」
萩原 竜「おはよ」
萩原まいる「おはよう辰」
萩原 辰「おはよう」
萩原まいる「パンでも食べようか。 けどオーブンないね」
萩原まいる「あ、ごめん。これで我慢して。夕方マンションに段ボール事取りに行くから。待ち合わせしよう」
萩原 竜「ふわっ。 おいしっ」
萩原 辰「僕、重たいの持つよ」
萩原まいる「じゃあ行こうか。 帰りに鍵屋にも寄ろうね」
萩原 竜「分かった。 待ち合わせはマンション前だね」
萩原 辰「じゃあ、いってきます」
萩原 竜「行ってきます」
萩原まいる「行ってらっしゃい」
萩原まいる「私も行くか」
〇教室
萩原まいる「え、私、くびっすか? え、え。 え──────────!!!!」
萩原まいる「どうしてですか? 私何か悪い事しました? ちゃんと規律正しい生活していると思うんですけど」
前野先生「君の親戚が保険代わりに学費を持っていったんだ。使用がないけどこれが現実だよ」
萩原まいる「え、そんなことあるんですか。酷い。じゃあ私は本当に退学って事ですか?」
前野先生「それが現実だ。すまない」
萩原まいる「分かりました。今までありがとうございます」
〇ファミリーレストランの店内
萩原まいる「はあ、学校も取られちゃった このままじゃ辰と竜も危ないかな 一応、連絡いれようかな。でもなんて聞けばいいかわからないし」
萩原まいる「学校とられちゃったからな こうなったら仕事探すしかないかな よしこうしちゃいられない 善は急げ。職業安定所にレッツゴー」
〇ハローワーク
萩原まいる「あったあった」
萩原まいる「え〜と。 高校生でも大丈夫そうなのあるかな」
萩原まいる「マックとかいいな。ケンタもいいかも。持って帰れるって言うし」
萩原まいる「よし、聞いてみよう」
・・・。
店員「じゃあ、面接は明日ということで。 面接受かりますように」
萩原まいる「はい。 よし、次はお父さんの会社」
〇応接室
会社員「あ、貴女。もう来ないで。お父さんはなくなったのよ。こっちでどうにかするから」
萩原まいる「・・・はい」
会社員「・・・まあ・・・」
〇小さいコンビニ
萩原まいる「よし、履歴書も買った。 後はマンション行かなきゃ」
萩原まいる「急いで行かなきゃな」
〇タワーマンションの裏口
萩原まいる「・・・。 よし、行くか」
萩原 竜「おー」
〇高層階の部屋
萩原まいる「正道さん。 今晩は。段ボール取りに来ました」
萩原 辰「来ました~」
金梨 正道「あ〜。丁度良かった」
萩原まいる「・・・」
金梨 正道「まいるちゃん。今日、学校退学になったろ」
萩原まいる「え、何でそれを・・・。 もしかして」
金梨 正道「俺の差し金。 いやあ。お金が入り用でね。 話し出来て良かったよ。 もうこれっきり用はないから早く段ボール持っていってね」
萩原まいる「正道さんが学校のお金持っていったんですか?」
金梨 正道「悪いね。入り用で」
萩原まいる「入り用・・・ふぅ」
金梨 正道「いやあ、君達ほんといいかもだよ」
萩原まいる「ーぅ。いいカモ。ふぅ」
金梨 正道「何ていうかな使える?みたいな」
萩原まいる「ーっう。使える?ー」
金梨 正道「まあ君の両親程、無惨な死に方した人はいないよね。遺産は取られマンションもとられ、学校も通えなくなるように・・・」
金梨 正道「娘さんをするんだから」
萩原まいる「ふぅ・・・ふぅ」
金梨 正道「ほんと、親が死んでくれて、万々歳だよ」
萩原まいる「ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち、ぷち」
金梨 正道「えっ。ぶち・・・」
金梨 正道「・・・」
萩原まいる「アマガイルが許してもこの、マイルが許さねえ・・・」
萩原 竜「やだやだ、でたよ」
萩原まいる「てめぇがした数々の仕打ち、会社の契約書返さないわ、マンションは貰うわ、家具も持っていこうとする悪行さ、オマケに学費まで」
金梨 正道「温和に行こう。温和に」
萩原まいる「お前それほどまでに何かを成し遂げたのか?ここから景色が見える位、あたいの親みたいに偉業を成し遂げたのか?」
萩原まいる「うちの親は会社の社長と看護師だったけど、他の人以上に偉業を成し遂げたよ。おめえ、何か勘違いしてるから言うけど」
萩原まいる「お前が可愛いから遺産相続に名前あったと思うか 違うな・・・たった10万ぽちだったけど、そのお金でおめぇでおめぇの夢掴んで」
萩原まいる「・・・会社立ち上げてほしかったんだよ。少しでも足しにしてほしかったんだよ」
萩原まいる「てめぇの夢位、テメェで捕まえろよ」
金梨 正道「ああっ」
萩原まいる「分かったな」
萩原まいる「現実を見ろ。 私のが凄いってとこみせてやるよ」
金梨 正道「現実を見ろって。見せて貰えるならみせてもらいたいね」
萩原まいる「ふん、お偉いやつだね」
萩原まいる「段ボールあけてあげようと思ったけどどうやら入り用だな どうせ使わねえんだ。あんたも段ボールにいれて閉じてやらあ」
金梨 正道「・・・ふん」
萩原 竜「あ〜。悔しがってるよ」
萩原まいる「じゃあな。あばよ。 助さん、角さん。段ボール持っていくよ」
金梨 正道「・・・」
萩原 辰「僕の価値観に入らないでね。僕今からもっと楽してのしあがるんだから。 おじちゃんの会社、何ていうんだけ?」
萩原 辰「確かお笑いの会社立ち上げるんだよね」
金梨 正道「どうしてそれを」
萩原 辰「待っててと言いたいけどまっとかんでいいわ。いつか追いつくさかいみとってな。 ほなさいなら」
萩原 辰「現実みろよ」
金梨 正道「・・・」
金梨 正道「現実そんなのとっくにみてるよ」
〇開けた交差点
萩原まいる「また帰り遅くなったね。 どうする?段ボール持ってるけどファミレス入る?」
萩原 辰「いくいく〜」
萩原 竜「あまり、食べるなよ」
萩原 辰「そだね↷」
萩原まいる「段ボール重くない?」
萩原 辰「そだね↷」
萩原 竜「何お前、急に元気になってやんの」
萩原 辰「そだね↷」
萩原まいる「お父さんの会社ね何とか大丈夫かも私はまだ手伝う事出来ないけどほら学生で習わなきゃでしょう。それに実は追い出されたんだよね」
萩原まいる「担保でどうにかなるので私達を信じて来ないで下さいっていわれた」
萩原まいる「あっ、もしかして、それ。その言葉、思い出す為に大人しかったの?」
萩原 辰「そだね↷」
萩原 辰「お姉ちゃん、見てて。 いつか芸人になって楽させるから」
萩原 竜「パートナーはどうするんだ」
萩原 辰「相方っていうんだよ。そういうの。相方はお兄ちゃんだよ。覚悟してな」
萩原まいる「ふふふ」
萩原 辰「レストランまで競争。誰が一番先に夢叶えるか」
萩原まいる「お姉チャンはまだ夢ないわよ」
萩原 竜「俺をまきこむなよ」
萩原まいる「じゃあ、レストランまで競走」
わあ〜〜〜
金梨まいる、この度、学校クビになりました。コレから先どんな事が待ち受けてるやらそれは正しく生きてもわからない。
だってこの場所はもう正しい場所だから・・・。
か