召喚された魔王はV系ロックバンドのVoを目指します 

ゆきんこ

第三話 魔王、ロックバンドを勉強する!(脚本)

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ゆきんこ

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〇車内
亞里亞(ありあ)「今日は移動しながら、ロックバンドについて勉強するわよ」
サルガタナス「良かったッス」
サルガタナス「実はロックバンドって何だろうって思ってたんですよねー」
サルガタナス「悪魔だから」
アスタロト「フッ、ようやくか」
アスタロト「もう、●ou Tuberとやらはしなくてもいいのか?」
サルガタナス「もうある意味」
サルガタナス「パイセンのゾウさんが有名になったから、認知度は十分あると思いますよ」
アスタロト「・・・・・・」
サルガタナス「・・・・・・」
アスタロトオリジン「オマエ」
アスタロトオリジン「我が、いつまでもおノボリさんだと思うなよ」
サルガタナス「やっべぇ・・・魔界に還される」
亞里亞(ありあ)「ロックバンドと言っても、取り扱う音楽でジャンル分けされるのよ」
亞里亞(ありあ)「私の理想は、ハードロック!」
亞里亞(ありあ)「まずは、このライブ映像を見ましょう」
  頭上のモニター画面に映像が映し出されると、身体に響く爆音がウーハーから飛出した。

〇ライブハウスのステージ
  派手な衣装でガンガンにヘッドバンギングしながら社会への反逆の詩を紡ぐ、若者たちの代弁者、ボーカル・マーク!!
アスタロト「あれ?ボーカルは顔が命じゃなかったの!?」
  ギターのラランドは髪を振り乱し、歯で弦をかき鳴らす!!
サルガタナス「俺、知覚過敏なんで、歯ギターはやりたくないッス」
  冷静沈着なベーストリッキーは、たまに火を噴く!!
アスタロト「楽器は弾かないのか」
  露出狂のドラマー、ポリコレのスティック捌き!!
サルガタナス「普通にスゴイ!!」
亞里亞(ありあ)「ライブのラストは、楽器もアンプもスピーカーもぶっ壊しちゃうくらい、激しいステージを展開するの!!」
亞里亞(ありあ)「ンンン!痺れる!!」

〇車内
アスタロト「うーむ。人間が悪魔の模倣をすることが、ロックバンドの醍醐味ということか」
サルガタナス「なら、楽勝ッス。だって悪魔ですから!」
亞里亞(ありあ)「甘いっ!」
亞里亞(ありあ)「百聞は一見にしかず!」
亞里亞(ありあ)「実は今日、このショックスさんにアポとっていて、今、ライブ会場に向かっています」
亞里亞(ありあ)「バックステージに潜入して、生のライブを体験するわよ!」
アスタロト「ククク、人間ごときが悪魔のマネ事をして、それを悪魔に参考にしろとは面妖な」
アスタロト「見せてもらおうか!ロックバンドの真価とやらを!!」
サルガタナス「早く帰ってSwitchしてぇ〜」

〇店の休憩室
亞里亞(ありあ)「こんにちは〜!今日お約束していました、ハイパーメディアエンタメの田中です」
亞里亞(ありあ)「スタッフさん!つまらないモノですが、どうぞ!」
アスタロト「ショックスはどこだ?」
サルガタナス「トイレ?」
マーク「す、スミマセンっ! 僕たちがショックスなんです・・・」
亞里亞(ありあ)「あっ、アタシのバンギャルだった青春時代返して・・・!!」
亞里亞(ありあ)「メイク前に申し訳ございませんでした! 出直してきますね!」
ポリコレ「逆にごめんね〜。 メイクや衣装で作ってるけど、僕ら、私生活は地味なんです」
ポリコレ「ライブの見学と、インタビュー? 良かったら今どうぞ」
亞里亞(ありあ)「は、ハイ。ありがとうございます!」
亞里亞(ありあ)「始めに、結成秘話なんかを・・・都市伝説では、4人ともライバル関係だったとか?」
マーク「僕たち、幼稚園から一緒の幼なじみだからね〜?トッティ?」
トリッキー「ねえ、マーくん。僕たち、喧嘩とかしたことないよね。 アハハ」
亞里亞(ありあ)「うっ、ココロが折れそう。ガンバレ私」
亞里亞(ありあ)「じ、じゃあ過激な歌詞を書くにあたって、何かにインスパイアされているとか?」
亞里亞(ありあ)「ポリコレさんは黒魔術に傾倒されてるとかって噂ですが」
ポリコレ「えー。アリアドーネ・みらいの、占星術は毎日チェックしてるよ」
ラランド「それ、朝の情報番組の占いだよね 僕も好き❤️」
ポリコレ「えっとお、歌詞はね・・・IDカードあるのにテレビ局で警備員さんに足止めされて、荷物チェックされた時?」
ラランド「殺意の歌詞浮かぶよねえ。ウフフ」
亞里亞(ありあ)「これだけ姿かたち変わったら、そりゃ分からないわって、ツッコミて〜!」
マネージャー「そろそろお時間で〜す」
マーク「差し入れありがとう。 良かったら、舞台袖から見学してもいいからね」

〇ホールの舞台袖
アスタロト「ずいぶん待たせるな」
亞里亞(ありあ)「わざと開演を遅らせて、ファンの期待を最大限まで高めたいのかもよ」
亞里亞(ありあ)「・・・にしても、押しているわね」
マネージャー「ああっ、居たよ。 田中さん、探していました!!」
亞里亞(ありあ)「あのう、何かあったんですか?」
マネージャー「あなたの差し入れを食べた途端、マークが腹痛を起こして、トイレから出られないんですよ!」
亞里亞(ありあ)「駅前の新しいケーキ屋さんで買ったのに!? ど、どーしよう」

〇コンサート会場
アスタロト「亞里亞よ、ボーカルならここにいるではないか」
アスタロト「先ほど観たライブ映像、歌詞も台詞も頭に入ってておる」
サルガタナス「そんなチートスキルをお持ちなのに、なぜ音程はハズれるのかな〜」
アスタロト「もう開演なのだろう?客を待たせるな」
亞里亞(ありあ)「カッコイイこと言ってるけど、破滅の予感しかないわ」
サルガタナス「あーそうだっ!」
サルガタナス「お嬢、俺、イイコト思いついちゃった♪ 俺の作戦に乗っかる気はある?」

〇コンサートホールの全景
客「あれは誰?」
「マークじゃない!!マークを出せ!!」
アスタロト「静まるがよい、人間(ブタ)ども」
  アスタロトのデスヴォイスが会場を一閃し、巨大なスクリーンに、この世のものとは思えない美しい顔が映し出された。
アスタロト「ククク。我は魔王アスタロト。 このステージを恐怖と絶望の渦に飲み込んでくれよう」
ラランド「ワン・ツー」
トリッキー「ワン・ツー・スリー!!」
アスタロト「さあ、デスステージの始まりだ」

〇コンサート会場
客「歌が、マークそっくりだわ!」
客「しかも、鬼気迫る、大迫力!!」
客「あの人、動画で見たことあるな!」
客「『イケメンのゾウさんがサウナでパオンしちゃった(笑)』動画の人だ!」
客「熱波師と対決した話?」
客「なんだか客席、暑くない?」
謎の男「ハイ・ハイ・ハイ!」
客「うわぁっちぃ! あんた、なにやってんの!?」

〇コンサート会場
アスタロト「お、オマエは!」
郷田(ごうだ)「おうよ!熱波師、郷田とは俺のことだぜぃ」
郷田(ごうだ)「兄ちゃん!まさかこんなところで会うとはな!!」
亞里亞(ありあ)「舞台に勝手に乗らないで!! 不審者でーす!!」
亞里亞(ありあ)「早く警備員を呼んでっ!」
郷田(ごうだ)「フッフッフッ」
郷田(ごうだ)「ここで会ったが百年目!」
郷田(ごうだ)「この熱波くん4号(改)を受けてみるかい?」
アスタロト「前よりも、洗練されたな」
アスタロト「ウハハハハ!面白い」
アスタロト「やるがよい」
サルガタナス「やらせちゃ、ダメ!!」
郷田(ごうだ)「ロウリュー3・2・1ダーッ!!『』」
ポリコレ「待って!! 君たち、僕たちを巻き込まないで〜!!」
「イヤアああああああ!!!!!!!!」
  その日のステージはショックス最期のステージとなり
  映像化されることもなく、アスタロトの存在は都市伝説として、まことしやかにファンの間に語り継がれることとなった。

〇オフィスのフロア
サルガタナス「途中までは上手くいってたのになあ」
亞里亞(ありあ)「アスタロトが口パクでトイレのマークとライブ中継するなんて、悪魔じゃなきゃ思いつかないわね」
亞里亞(ありあ)「ショックスは活動休止したけど、ファンクラブは動いていて、ファンのコメントサイトが大荒れしているの」
亞里亞(ありあ)「そんな中、アスタロトを第2のマークだって、期待の声が多いわ!」
アスタロト「我はロックバンドを体験して、一つ理解した」
アスタロト「ライブは、サウナくらい『トトノウ』な!」
サルガタナス「それは熱波師と対決して、ライブ会場をサウナにしちゃったからッスよ」
アスタロト「まあ、今回も我の勝ちだったから、問題ナシ」
亞里亞(ありあ)「そういえば、あの問題のケーキ屋さんにクレーム言いにいったら、もう潰れていたのよ〜!」
亞里亞(ありあ)「悔しい〜!」

〇地下室
謎の男「クソっ!」
謎の男「今回も失敗か!!」
謎の男「恥ずかしい動画を拡散したり、ケーキに下剤混ぜたり」
謎の男「念の為に、熱波師をわざわざライブ会場に忍び込ませておいたというのに」
謎の男「人気が下がるどこるか、むしろ上がっているではないか!」
謎の男「おのれ、次こそは、必ず目にもの見せてくれようぞ。 待っておれ、アスタロトよ!」
  ・・・tobecontinued
  次回予告
  第四話 魔王、●IRSTTAKE?
  え?アスタ、歌えるの!? お楽しみに♥

次のエピソード:第四話 魔王、●IRSTTAKE!

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