第四話 魔王、●IRSTTAKE!(脚本)
〇白
アスタロト「あっあー、」
アスタロト「あーあ、」
アスタロト「ンンン!」
アスタロト「緊張、しています。こういうの?初めてで・・・」
アスタロト「仲間も、応援してくれていますし、」
アスタロト「楽しめたらって、思ってます」
〇ラジオの収録ブース
亞里亞(ありあ)「ヤバい」
亞里亞(ありあ)「歌が」
亞里亞(ありあ)「破滅的にヘタクソすぎる」
サルガタナス「ボイトレの意味無かったッスね」
亞里亞(ありあ)「いいわ! 今回は、レコーディングエンジニアに編集の時に調整してもらうから」
サルガタナス「えっ、●RSTTAKEって、一発勝負じゃなかったの?」
サルガタナス「人間界の闇、深いわ!」
ウリエル「映像でゴマかせても、ライブが出来ないんじゃ、世界は獲れないね」
亞里亞(ありあ)「見たことある甘いイケメン・・・ うちの事務所でデビューした、ボーイズグループのウリエル!」
課長「そう!ウリエルも『7TH HEAVEN』を代表して、●IRSTTAKEをするのよ」
亞里亞(ありあ)「課長!」
課長「その前に前乗りして、田中さんのダイヤちゃんを見に来たんだけど・・・」
ウリエル「時間のムダでしたね。彼のマネージメントも、考えたら?」
サルガタナス「顔に似合わず、なかなか言うねえ」
サルガタナス「でも、どっかで見たことあるような・・・」
〇オフィスのフロア
サルガタナス「ふつーにアイツ、歌上手いな!」
亞里亞(ありあ)「負けたわね」
アスタロト「我だって」
〇水の中
アスタロトオリジン「我だって、頑張ったんだ・・・モン!」
〇オフィスのフロア
サルガタナス「最近、簡単に魔王に戻るな」
亞里亞(ありあ)「顔と声質はいいし、編集の成果もあって、サムネ見た人は再生はしてくれるけどね」
亞里亞(ありあ)「残念ながら、今回は負けを認めるわ」
アスタロト「こやつ・・・似ておる」
サルガタナス「パイセンも気づきました?」
サルガタナス「天使みたいですよね」
亞里亞(ありあ)「確かにウリエルってカワイイ顔してるけど、そんなに褒める?」
サルガタナス「じゃなくて、俺らが悪魔なように、コイツも人間じゃないかもしれないッス」
ウリエル「気づくのが遅いよアシュトレイト?」
サルガタナス「アスタパイセンが堕天する前の名前ッス」
アスタロト「その名は呼ぶな!」
アスタロト「読者様が、混乱するだろうが!!」
「く、くっさ〜!!毒ガス?」
会社員「あ、あれ?気分が良くなった」
会社員「むしろ、疲れが吹っ飛んだようだ」
ウリエル「さすが魔王♪受肉で能力が制限されいても、簡単に毒を吐くね」
ウリエル「でも、会社で暴力は止めてよ」
アスタロト「聖・大天使ウリエルを召喚、受肉させるなんて、何処のドイツ人だ!」
課長「オラだ!(オランダ)」
課長「じゃなくて、私よっ!」
亞里亞(ありあ)「か、課長!? 一体、どうして・・・」
課長「私は200年前の大戦で勇者と共に戦った大司祭の末裔!」
課長「けれども戦後、信仰が多種多様になり、司祭の一族は没落したの」
サルガタナス「どこかで同じようなハナシ聞いたな」
課長「一族が司祭の職を離れ、私も信仰とは無縁だったのだけど」
課長「昨今のボーイズグループを見て、ビビっときたのよ!」
「古い表現」
課長「メンバーを天使で構築したら、日本を、いや、世界を獲れるグループが出来るんじゃないかって!!」
亞里亞(ありあ)「わかりみ!課長、流石です!!」
サルガタナス「この会社の人たち、頭の中にウジ虫飼ってます?」
課長「そこで提案なのだけど」
課長「田中さん、あなたさえよければ、アスタとサルガを『7TH HEAVEN』の追加メンバーとして、一緒に売り出さない?」
亞里亞(ありあ)「ええっ」
課長「アイドルなら歌が疎かでも口パクでイケるし、人数が多ければ踊りが下手でも目立たないわ」
亞里亞(ありあ)「課長・・・私のために考えて下さって、ありがとうございます・・・」
亞里亞(ありあ)「でも・・・私っ」
〇炎
アスタロトオリジン「断わる!!」
課長「ぎゃっ!!何コレ!?」
〇オフィスのフロア
亞里亞(ありあ)「アスタロト!戻ってよ」
アスタロト「我は契約者の望みしか聞かない。 亞里亞の野望は、我をヴィジュアル系ロックバンドのボーカルにすること」
「それが出来なさそうだからつけ込まれてるんだよ」
ウリエル「待って僕と勝負しない?」
ウリエル「僕が勝ったら、君は僕のボーイズグループに加入すること。 あと、僕には逆らわないこと」
サルガタナス「天使の顔で悪魔のやり方!」
アスタロト「よかろう」
アスタロト「我と戦うのならば、天魔大戦を再現することになるのは、承知の上であろうな」
ウリエル「まさか」
ウリエル「受肉した者同士、ムダな血は流したくないね」
ウリエル「僕は、路上ライブ対決を提案したい」
亞里亞(ありあ)「なんですって!?」
亞里亞(ありあ)「明らかにコッチが不利じゃない」
ウリエル「誰のファンでもない人間たちのオーディエンスを、より多く貰った方の勝ちにしよう」
アスタロト「フッ、良かろう」
サルガタナス「あーあ。負けず嫌い発動してるよ」
亞里亞(ありあ)「そのかわり、こちらが勝ったらどうするのよ!?」
亞里亞(ありあ)「うちのバンドメンバーになっても良いのかしら!?」
サルガタナス「この人も、やり手だねえ」
ウリエル「良いよ。 そんなことにはならないけどね!」
〇可愛い部屋
亞里亞(ありあ)「売り言葉に買い言葉でああは言っちゃったけど、」
亞里亞(ありあ)「勝ち目なんかないよ〜」
亞里亞(ありあ)「ん、路上ライブといえば」
亞里亞(ありあ)「あの先生たちにご享受してもらえばっ」
〇ネオン街
謎の先生「ハーイ。 あ、亞里亞ちゃん?お久しぶり!青春してる?」
謎の先生「え?路上ライブやんの?」
謎の先生「ふーん?新人さんの指導ねえ」
謎の先生「ちょうど今、2人ともオフでヒマだから、手伝えると思うよ。 うん、うん」
謎の先生「いや、君と僕の仲だし、報酬なんて・・・」
謎の先生「・・・やらせてもらいます!」
謎の先生「じゃ、明日ね!」
謎の先生「新人アーティストの指導なんて、久しぶりすぎて腕がなるぜ」
謎の先生「伝説の路上ライバーといえば、俺たちだよね!」
謎の先生「ちょっくらサウナでロウリュでもして、明日に備えるとするか!」
・・・tobecontinued
次回予告
第五話 魔王、世紀の路上ライブ対決!
伝説の路上ライバーと言えば・・・?
お楽しみに♥