転生修行

かわむらけんたろう

異世界での戦闘に備える(脚本)

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  異世界転生
  それはこちらの世界の
  ”持たざる者”が夢見る逆転劇
  しかし突然訪れる異世界転生に対して
  ”備え”は必要ないのであろうか?
  これは
  異世界転生に憧れ
  異世界転生に備えようとした
  少年の物語である

〇闇の要塞
瀬界ヒロシ「覚悟しろ 貴様の悪行もここまでだ!」
魔将「ククッ 弱い犬ほどよく吠えよるわ」
魔将「お前如き ワシが相手をするまでもない」
魔将「出でよ我がしもべ!!」
瀬界ヒロシ「その程度の攻撃 この俺には効かん!!」
瀬界ヒロシ「本当の攻撃というものを見せてやる!」

???「おーい ヒロシー」

〇高い屋上
伊勢ワタル「昼寝の邪魔してすまないが 話があるんだ」
瀬界ヒロシ「もー せっかくいいところだったのによー」
  コイツは伊勢ワタル(いせわたる)
  小学校からの腐れ縁だ
  頭がいいのに通学時間が無駄だからと
  オレと同じ学校に通っている
  昔から変わったことばかりしているが
  最近は動画配信で小遣いを稼いでいるらしい
伊勢ワタル「そりゃ悪かった どんな夢だったんだ?」
瀬界ヒロシ「異世界でさー」
伊勢ワタル「お前、本当に異世界好きだよな」
瀬界ヒロシ「ヤバそうなモンスターを 必殺の剣技で倒すとこだったんだぜ」
伊勢ワタル「それなら丁度いい ソイツを正夢にしてやるよ」
瀬界ヒロシ「はあ?」

〇魔法陣
伊勢ワタル「お前が異世界で無双するとして どういうビジョンを描いてる?」
瀬界ヒロシ「ビジョン?」
伊勢ワタル「異世界に行けたとして どうやって強くなるつもりかってこと」
瀬界ヒロシ「それは・・・ 異世界転生したら自然と強くなるんじゃ?」
伊勢ワタル「いや、鍛えないとダメだ」
伊勢ワタル「お前はこの世界で 熊やライオンに勝てるか?」
瀬界ヒロシ「無理に決まってるだろ」
伊勢ワタル「じゃあ何で異世界のモンスターには 勝てるつもりでいるんだ?」
瀬界ヒロシ「転生した人間は魔力とかオーラとか そういうので肉体が強化されるんだよ」
伊勢ワタル「お前はレーシングカーに乗ったら プロドライバーの軽自動車に勝てるか?」
瀬界ヒロシ「無理・・・かな・・・・・・」
伊勢ワタル「な、戦いで勝つには技術が必要なんだ だから剣術道場に申込みをしておいた」
瀬界ヒロシ「はあ?」
伊勢ワタル「費用は俺が持つ その代わりに修行の様子を配信させてくれ」

〇道場
師範「伊勢君から話は聞いている 強くなる必要があるんだって?」
瀬界ヒロシ「ええ・・・まあ・・・」
師範「では早速だが練習を始めよう」
師範「防具を付けたまえ」
瀬界ヒロシ「うおっ!?」
瀬界ヒロシ「わわっ」
師範「剣筋をよく見て!!」
瀬界ヒロシ「そんなこと言われても」
師範「今日はここまでにしておこう」
伊勢ワタル「良かったな」
瀬界ヒロシ「何がだよ!?」
伊勢ワタル「これが異世界の本番だったら 死んでたんだぞ?」
瀬界ヒロシ「うっ・・・」
伊勢ワタル「回避能力も鍛える必要がありそうだな」

〇トレーニングルーム
ボクサー「キミがヒロシ君かあ 強くなりたいんだって?」
瀬界ヒロシ「は、はい」
ボクサー「なるべく短期間で鍛えたいんだよね? 早速リングに上がってもらおうか」
瀬界ヒロシ「ええ?」
ボクサー「最初はゆっくり 当てないようにするから回避してみて」
瀬界ヒロシ「はい!」
瀬界ヒロシ「くっ!!」
ボクサー「段々早くなるよ!」
瀬界ヒロシ「えっ、ちょっ!!」
ボクサー「ほら、足を使って!!」
瀬界ヒロシ「ぐぇっ!!」
ボクサー「きょ、今日はこのくらいにしておこうか」
瀬界ヒロシ「は、はひ・・・」
伊勢ワタル「思い切り手加減してくれてたのに 全然避けられてなかったな」
瀬界ヒロシ「オレ、素人なんだけど?」
伊勢ワタル「襲って来たのがモンスターだったら 今頃は腹の中だぜ」
瀬界ヒロシ「このままじゃ攻撃を躱せるようになる前に 死にそう・・・」
伊勢ワタル「うーん・・・ 耐久力も必要か?」

〇トレーニングルーム
マッチョ「話は聞いている 肉体の限界に挑みたいんだろう?」
瀬界ヒロシ「うえっ? ああ、はい・・・」
マッチョ「ダンプに轢かれても死なないくらいに 鍛えてやろう!」
瀬界ヒロシ(それだと転生出来ないのでは?)
瀬界ヒロシ「ダンプに轢かれたら ギリ死ぬくらいでお願いします!」
マッチョ「え!? 死んでいいの?」
マッチョ「言葉のアヤと言うか 本当にダンプに轢かれたら危ないからね」
瀬界ヒロシ(見た目より優しい人なんだな)
マッチョ「時間が勿体無いから始めようか」
瀬界ヒロシ「はい!」
マッチョ「短期間で鍛えてくれって言われてるから 故障しない程度に無理してもらうよ」
瀬界ヒロシ「ウグッ お、重いーーーーッ!!」
マッチョ「頑張れ頑張れ」
瀬界ヒロシ(前言撤回! コイツ鬼だ!!)
マッチョ「もうちょっと足そうか」
瀬界ヒロシ「うぐーッ 死、死ぬーーッ!」

〇教室
茂武ギャル子「なんかユキの彼氏 近くで見るとボロボロじゃね?」
阿野世ユキ「アイツは家が隣なだけで 彼氏じゃないよ?」
茂武ギャル子「じゃあ彼氏改めお隣さんが 伊勢の新しい動画に出てたけど」
阿野世ユキ「私、動画とかあんまり観ないんだよね」
茂武ギャル子「異世界?に行くために 剣道とかボクシングで鍛えてんだって」
茂武ギャル子「ウケるよね〜」
阿野世ユキ「はあ?異世界?」
阿野世ユキ「小学校で脳みそを鍛え直したほうが いいんじゃないの?」
瀬界ヒロシ(クー・・・・・・ッ!!)
伊勢ワタル「ヒロシ、ここにいたか」

〇SNSの画面
伊勢ワタル「お前の様子を配信したんだが なかなかの評判だぞ」
瀬界ヒロシ「お、マジか? コメント読ませてくれ」

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コメント

  • 憎めない友達ワタルくん、クッソいいキャラしてて好きです(笑)。
    ヒロシくんをたらしこむのが上手い&3つもの道場費用を奢ってくれるとはで🤣(既にそんなに動画で稼いでやがるのかとかいろいろ面白い……)
    異世界転生の為の対策……新鮮で、且つ、面白いですね。

  • キャラ名、嫌いじゃないですwww

    下手をすると何でもありになりがちなファンタジーに、リアリティのあるツッコミを入れるのが好きなので、非常に興味深いです。面白い。

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