あのね結び

胡林

靴ひも。結ばせてあげるある春の日の午後。靴職人を志す16歳の革(アラタ)は、靴ひもがほどけたまま歩いている少女・亜乃音(あのね)を見かける。卑しくも靴職人の卵。マナー違反は見過ごせず、初対面の亜乃音に靴ひもを結ぶよう諭す。しかし聞く耳を持たない彼女の態度に痺れを切らしたアラタは、ほどけた靴紐を勝手に結んで立ち去るのだった…。 この日を境に、アラタは亜乃音に待ち伏せされては、こう告げられる「靴ひも。結ばせてあげる」と──

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