エピソード5 戦闘員だってドキドキしたい!(脚本)
〇ファミリーレストランの店内
ここは何の変哲もないとあるファミリーレストラン。
だが今ここで悪の組織による恐ろしい作戦が進められていた!!
戦闘員A「・・・」
戦闘員B「おい、大丈夫かA?」
戦闘員A「み、未読スルー・・・」
戦闘員A「メッセージを読まれない事がこんなにも心にダメージを与えるものだとは知らなかったッッ・・・!!」
戦闘員B「まあ落ち着けよA。きっとレッドマーキュリー様も忙しい・・・」
戦闘員A「そうだ!きっとそうに違いない!!」
戦闘員B(ついに現実逃避に入ったか・・・)
戦闘員A「しかしどうして私のメッセージは読まれないのか気になるな」
戦闘員B「確かにな、2人で時間をかけて作ったものだし見るくらいはして欲しいもんだぜ」
戦闘員A「本日はお日柄もよくから始まる力の入った超大作なんだがな・・・」
戦闘員B「ああ、あの長さで上手く纏められたと思うぜ」
少女A「おじさん達全然ダメダメね」
戦闘員A「何者だ!?」
少女A「通りすがりの少女Aよ」
戦闘員B「少女Aさんよ、いきなり出てきてダメダメとはどういう事だ」
少女A「おじさん達の話が耳に入ってきたから言わせてもらうけど」
少女A「気持ちの入りまくったおじさんの長文メッセージほど読む気のしないものはこの世にないのよ」
戦闘員A「な、なんと・・・そうだったのか」
少女A「自分のお気持ち表明を勝手にされてもこっちが困るのよ。ハッキリ言ってウザいわ」
戦闘員A「う・・・!?」
少女A「じゃあ私はドリンクバーでコーラとメロンソーダを混ぜるのに忙しいから行くわね」
戦闘員B「少女A・・・恐ろしい女だ」
戦闘員A「ああ、そうだな・・・だが彼女の言う事はもっともだ」
戦闘員A「どうやら私達は相手の気持ちを考えず突っ走り過ぎたのかもしれんな」
戦闘員B「確かにな。練りに練り上げたから確実に読めと言うのは俺たちのエゴでしかない」
戦闘員A「私は初心に戻るべきだな」
戦闘員A「人に恋する余りに臆病者になっていたが、思い出したぞ」
戦闘員A「私は悪の組織の戦闘員だ」
戦闘員A「勝てる勝算がないヒーローにも立ち向かい、負けても負けても挑み続ける」
戦闘員A「戦闘員は負ける事を恐れない!戦闘員とは負ける覚悟がある男なのだ!!」
ウェイトレス「あの、申し訳ございません。他のお客様のご迷惑になりますので大声の方は・・・」
戦闘員B「──好きだ」
ウェイトレス「えっ・・・」
戦闘員B「俺と付き合ってくれ」
ウェイトレス「ごめんなさい。絶対無理です」
戦闘員B「フッ、照れやがって・・・」
ウェイトレス(照れてねーよ)
戦闘員B「まあいい、ドリンクバーをふたつ頼む」
ウェイトレス「ドリンクバーをおふたつですね。かしこまりました。グラスはあちらの方にありますのでご自由にお使いください」
戦闘員A「Bよ、大丈夫か?」
戦闘員B「大丈夫さ。オレもオマエと同じ負ける覚悟で挑む悪の組織の戦闘員だぜ?」
戦闘員B「次はオマエの番だぜ、戦闘員A」
戦闘員A「戦闘員B・・・」
戦闘員B「さーて、オレもコーラとメロンソーダを混ぜるとするかなー」
戦闘員A「・・・私も負けられんな」
戦闘員A「小手先の技術など無意味だ。少女Aのアドバイスを元に短いメッセージを送ればいい」
レッドマーキュリー様にお話したい事があります!
戦闘員A「・・・送ってしまった」
戦闘員A「後はやれる事をやるだけだな」
舞台がファミレスに戻りましたね。ウェイトレスさんも安定の対応でw ここまできたら戦闘員Aの恋愛を陰ながら応援したくなります!
通りすがりの少女にしては癖が凄い!
戦闘員Aの想いは届くのか。陰ながら応援。