防衛隊編(脚本)
〇研究機関の会議室
司令「これから数日内に宇宙生命体ユダンが攻め込んでくるという情報が入った」
司令「だが、このチームなら必ずこの星を守り抜ける。私はそう確信している」
肉「また返り討ちにしてやりますよ!!」
ヒロイン「最後まで気を抜かずに戦いましょ!!」
油断は禁物マン「・・・・・・」
司令「よーし。次回も激戦が予想される。みんなコンディションをきちんと整えておけよ」
油断は禁物マン「そうだ、そして油断は──」
司令「けっして気を抜くな、以上だ!!」
油断は禁物マン「・・・・・・」
〇魔法陣のある研究室
ヒロイン「どうしたの、油断は禁物マン? 浮かない顔をして──」
ヒロイン「まだ司令にマフィンを食べられたことを引きずってるの?」
油断は禁物マン「そうじゃないんだ」
油断は禁物マン「・・・自分は本当にこのチームに必要なのだろうか?」
ヒロイン「何言ってるの。あなたのおかげでどれだけ助けられたか。私、あなたがいなかったら──」
ヒロイン「ねえ覚えてる?」
ヒロイン「この戦いが一段落したら、ふたりで桜を見に行こうって話したよね」
油断は禁物マン「ああ、そういう会を開こうといつか話したよな」
ヒロイン「私、楽しみにしてるからね!!」
〇戦場
〇月△日、ユダン来襲──。防衛戦は熾烈を極めた。
〇秘密基地のモニタールーム
オペレーター「司令、A地点が落とされました、ユダンがここまで来るのも時間の問題です!!」
司令「クッ、敵の数が多すぎる・・・・・・」
肉「もうダメだ。俺たちの手に負える相手じゃなかったんだ」
ヒロイン「本当に打つ手はないの?」
司令「いや、一つだけある・・・・・・」
司令の明かした作戦は、ユダンのマザーシップに直接攻撃を仕掛けるというものだった。
司令「だがそのためには、誰かひとりマザーシップに向かい、その場で起爆装置を作動させる必要がある・・・・・・」
肉「その役目、ぼくにやらせてください!!」
司令「ダメだ。責任は戦況を読み違えた私にある。私が行くしかないだろう・・・・・・」
オペレーター「!!」
オペレーター「司令、未確認の機体が敵マザーシップに向かっていきます!!」
司令「なんだと!?」
〇コックピット
基地のモニターに、突如として油断は禁物マンが映し出された
油断は禁物マン「油断したみんなへ。──みんながこれを見ている頃には、俺はもうその場所にはいないだろう」
油断は禁物マン「俺はこれから敵マザーシップに乗り込み、この起爆装置を作動させることにする」
油断は禁物マン「これが最善策だということはわかっていた。隊規違反で身勝手な行動だとしても、誰かがやるしかない」
油断は禁物マン「やっと自分の役目を見つけた気がするんだ・・・・・・」
〇秘密基地のモニタールーム
司令「まさかアイツ、この事態を見越して!?」
肉「そんな・・・」
ヒロイン「やだよ、油断は禁物マンが死んじゃったら、私──私はどうすればいいの!?」
〇コックピット
油断は禁物マン「前に話したよな。この戦いが終わったら一緒に桜を見に行こうって──」
油断は禁物マン「どうやら約束は守れそうにない・・・ごめんな・・・」
油断は禁物マン「そして司令。あの時の賞味期限切れのマフィン──」
〇黒
「マフィ、マフィフィフィ・・・」
〇秘密基地のモニタールーム
司令「なんだどうした!?」
オペレーター「通信終了。どうやら映像はここで途切れた模様です」
司令「マフィンが何なんだ!?」
肉「え、俺には何もなし?」
〇戦場
戦いは終わった。油断は禁物マンを起点としたカウンターでユダンの軍勢を押し返し、人類に再び平和が訪れた。
だが油断は禁物マンの消息は不明のままだった
ヒロイン「いつかまた、どこかで会えるよね・・・?」
〇桜並木
そして時は流れ──
ヒロイン「わあ、きれい」
彼女は人であふれかえる満開の桜並木を歩いていた。あの日、ただ一人油断を怠らなかった男を想いながら──
ヒロイン「やだ、涙で視界が滲んで──」
男とすれ違いざま、肩がぶつかった。
ヒロイン「キャッ、ごめんなさい」
油断は禁物マン「いえ、こちらこそ。お怪我は──」
ヒロイン「えっ・・・!?」