Ep.29/ THE RELENTLESS ENFORCER#9(脚本)
〇ビルの裏通り
エンフォーサー「・・・・・・」
俺は闇に身を潜め、じっと待っていた。
やがて高級車が一台、走ってくる。
エンフォーサー「・・・あれか」
〇黒
VILLPAIN/ORIGIN
THE RELENTLESS
ENFORCER#9
〇屋敷の門
ヘッドライトが門の前に立つ俺の姿を照らしだした。
エンフォーサー「・・・・・・」
車が止まり、屈強な黒服の男が2名飛び
出してくる。
2名とも銃を構えていた。
警備員「なんだ。貴様は! どけ!」
エンフォーサー「お前らの主人に用がある」
警備員「知るか! ・・・おい。警報は?」
黒服の1人がサングラス型AR端末を操作する。
警備員「ゼニス本部へ。 こちら保安部・・・」
警備員「・・・ダメだ。ネットに繋がらない」
エンフォーサー「セキュリティは切った。助けは来ない。 ・・・覚悟」
一気に黒服たちとの距離を詰める。
警備員「この野郎!」
黒服たちの銃が火を噴いた。
しかし弾丸は俺の姿をすりぬけ、門に当たって火花を散らした。
同時に、俺の姿がノイズと共に消える。
警備員「映像だと!?」
警備員「俺たちのAR端末がハッキングされているのか!?」
エンフォーサー「そういうことだ」
いきなり背後に現れた本物の俺に、黒服
たちが驚愕する。
警備員「!?」
その一瞬があれば十分だった。
俺の振るう特殊警棒が黒服たちの頭蓋を砕き、頸椎を粉砕する。
俺は倒れた黒服たちを尻目に、高級車のドアを開いた。
中では、高級なスーツを着た眼鏡の中年男が震えあがっていた。
エンフォーサー「ゼニス総合研究所の、オットー・蛸井博士だな」
蛸井「ひ、ひぃいっ!」
〇廃工場
〇荒れた倉庫
俺は蛸井を椅子に縛りつけ尋問・・・いや、拷問をしていた。
血まみれの蛸井が、恐怖に震える目で俺を見る。
エンフォーサー「先日、ゼニス内部に非合法先進研究施設があるという情報を得た」
蛸井「!?」
エンフォーサー「身売りした人間や、犯罪者を捕らえて実験台にし、非合法な実験を繰り返している」
エンフォーサー「・・・その名は、ネスト」
蛸井「た、たた、ただの噂だ!」
エンフォーサー「オットー・蛸井博士。表向きは、ゼニス総合研究所の軍事開発部門主任」
エンフォーサー「ネスト名義のパスワードを言え」
蛸井「し、知らんっ!」
エンフォーサー「・・・そうか。仕方ない」
俺は拳を握り、蛸井を殴りつけた。
顔を、腹を、何度も何度も。
蛸井「ぎゃあ! ぐぇえ! ごばぁっ! や、やめて! 言う、言う! 死んじゃう!」
〇荒れた倉庫
血まみれの蛸井が椅子で呻いている。
蛸井「う・・・うぅううう・・・」
エンフォーサー「AI。ゼニスにアクセス。隠しコマンド実行。 ネスト、ログイン」
俺は蛸井から聞き出したアカウントで、ネストにログインした。
目の前に、蛸井の関わった研究が表示される。
それは、軍事用人型ロボット兵士の開発計画だった。
その設計図が俺の前に表示される。
エンフォーサー「NESTーWZ09。通称ナイン」
エンフォーサー「金属骨格にヒトの培養筋肉を使用した次世代ロボット兵士か。性能は・・・」
画面にパスワード入力欄が出る。
エンフォーサー「さすがに厳重だな。蛸井博士。 こいつの資料のパスワードは?」
蛸井「し・・・知ら・・・」
俺は無言で、蛸井を殴りつけた。
エンフォーサー「・・・思い出したか?」
蛸井「パ、パスワードは・・・ARMSOCT8LEGS・・・」
パスワードが入力され、ファイルが開く。
エンフォーサー「長期間無補給での単独活動が可能。 戦闘能力は今までのロボット兵士を凌駕」
エンフォーサー「現在、極秘で実戦試験中、か」
蛸井「わ、私は上の命令で開発に携わっただけだ! あ、悪意はない!」
エンフォーサー「完全自律型戦術AIでコントロールされ、ネットに繋がずスタンドアローンでの活動が可能」
エンフォーサー「特殊任務や隠密任務などに適性高し。 また、EMPジャミングを標準装備」
エンフォーサー「周囲の電子装備を欺瞞する・・・厄介だな。・・・ん?」
設計図のうちの1つに違和感を覚えた。
それは“ナイン”に着せるスーツのデザイン案だった。
全身黒く、頭にはヘルメット。
左目にあたる部分には、白いカメラアイがある。
エンフォーサー「ナイトウォッチ・・・!?」
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