残業OLとひよこの物語

しばしば

エピソード1(脚本)

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〇通学路
ハナ(花)「はあ〜今日も終電帰りかあ」
ハナ(花)「毎日、残業・・・」
ハナ(花)「ほんと社畜だな」
  ブーン!
ぴよ助「ぴよぴよ」
  車がすごい勢いでハナとひよこに
  突っ込んできた
ハナ(花)「危ない!」
  間一髪で
  ハナはひよこを助けた
ぴよ助「ありがとうピヨ」
ぴよ助「このご恩は絶対に忘れないぴよ」
ハナ(花)「ひよこが喋った?!」
  目をこすって
  もう一度見てみると
  いつの間にか、ひよこは姿を消していた

〇部屋の前
ハナ(花)「ただいま〜」
ハナ(花)「って、一人暮らしだから 誰もいないよね」
ハナ(花)「つい癖で言っちゃう」

〇女の子の一人部屋
ハナ(花)「ふぅ、疲れた」
ハナ(花)「晩御飯どうしよう」
ハナ(花)「カップ麺でいいや」

〇女の子の一人部屋
ハナ(花)「お風呂、しんどいから明日にしよ」
ハナ(花)「ふぁあ、寝よ」

〇通学路
  次の日の夜──
ハナ(花)「はあ、また今日も遅くなった」
ハナ(花)「どうせ家に帰っても1人ぼっち・・・」

〇部屋の前
ハナ(花)「って、あれ?電気ついてる」
ハナ(花)「もしかして泥棒?怖い」
ハナ(花)「こういう時のために買ってたのよ」

〇女の子の一人部屋
  おそるおそるドアを開け
ハナ(花)「覚悟しろ!」
  銃口を向けると、その先には
  イケメンが1人立っていた
イケメン「おかえりなさい!」
ハナ(花)「だ、誰?」
イケメン「昨夜、お世話になったひよこ、 ぴよ助と申します」
イケメン「命を助けてもらったお礼がしたくて この度、人間の姿でやって来ました」
ハナ(花)「夢かな? 私よっぽど疲れてる?」
イケメン「お仕事、お疲れ様です」
イケメン「ささっ、ご飯もできてますよ」
イケメン「どうぞ、和風ステーキ定食です!」
ハナ(花)「じゅるっ」
ハナ(花)「よだれが・・・」
イケメン「ささっ、冷めないうちに」
ハナ(花)「まあ夢でもいっか・・・」
ハナ(花)「いただきます」
イケメン「お味は、どうですか」
ハナ(花)「う、うみゃい」
ハナ(花)「うますぎる」
イケメン「よかった」
イケメン「ハナさんへの愛情、 たっぷり料理に込めましたから」
  ぴよ助は
  にかっと笑って白い歯を見せた
  30分後──
ハナ(花)「ふう〜幸せ」
ハナ(花)「お腹いっぱい」
ハナ(花)「こんなちゃんとしたご飯、 久しぶりに食べた」
イケメン「カップ麺ばかりだとお体心配なので」
イケメン「これからは僕がいつでも作りますね」
ハナ(花)(うっ、)
ハナ(花)「ありがとう」
イケメン「お風呂も沸かしてますから」
イケメン「お疲れかと思いリラックス効果のある ラベンダーの入浴剤を入れています」
ハナ(花)「完璧な執事すぎる」

〇清潔な浴室
  風呂場の外から
  ぴよ助の声が聞こえる
  「お背中、流しましょうか?」
  「恥ずかしいから、いい!」
  ハナは顔が真っ赤になって
  のぼせそうになった

〇白いバスルーム
ハナ(花)「ふぅ〜極楽」
ハナ(花)「やっぱり湯船、気持ちいいわね」
イケメン「あっ、出ました?」
イケメン「こっちに来て」
イケメン「髪の毛、乾かしますから」

〇女の子の一人部屋
  ぴよ助が、ハナの後ろに座り
  ドライヤーで髪を乾かし始める
イケメン「熱くないですか」
ハナ(花)「んー大丈夫」
ハナ(花)「ふぁあ」
ハナ(花)(なんか眠たくなってきちゃった)
イケメン「お疲れですね」
イケメン「あっ、歯磨きしました?」
ハナ(花)「んー、してにゃい・・・」
イケメン「じゃ僕が磨きますね」
ハナ(花)(至れり尽くせりだにゃ)
  ぴよ助は洗面台から歯ブラシを取ってくると
  歯を丁寧に磨いてくれた
イケメン「終わりましたよ」
イケメン「お口、ぺってゆすいでください」

〇白いバスルーム
ハナ(花)「ぶくぶく、ぺっ」
イケメン「よし!」

〇女の子の一人部屋
イケメン「じゃ、おやすみなさい」
ハナ(花)「・・・」
イケメン「寝ちゃったか」
  ぴよ助は、ハナをお姫様抱っこで
  ベッドの上に乗せた
イケメン「かわいい寝顔」
イケメン「ちょっとだけ・・・」
  ぴよ助がハナに顔を近づける
イケメン「チュッ」
ハナ(花)(うん?なんか、ほっぺがくすぐったい)
ハナ(花)「って気のせいか・・・」

〇女の子の一人部屋
  翌朝──
ハナ(花)「あ〜よく寝た」
ハナ(花)「なんか昨日、家にイケメンが来るっていう 素敵な夢を見ていたような・・・」
イケメン「それって僕のことですか?」
ハナ(花)「わっ、夢じゃなかった」
イケメン「顔、洗ってきてくださいね」
イケメン「朝ごはん、できてますので」
ハナ(花)「うむ」
  洗面台から戻ってくると
  キッチンから美味しそうな匂いが漂ってきた
ハナ(花)「ごきゅっ」
ハナ(花)「理想の朝ごはん」
ハナ(花)「う、うみゃい!」
ハナ(花)「幸せ〜」
  ハナが食後、余韻に浸っていると・・・
イケメン「あっ、そろそろ会社に行く時間ですよ」
ハナ(花)「あっ、やば」
ハナ(花)「スピード着替え!」
ハナ(花)「ふぅ〜」
イケメン「あっ、そうだ、 今日は寒いので、これを」
イケメン「ハナさんは赤のほうがいいかな」
  ぴよ助が指をパチンと鳴らすと
  マフラーが赤色に変わった
ハナ(花)「あったかい」
ハナ(花)「これ、どうしたの?」
イケメン「僕が愛情を込めて編みました」
ハナ(花)「む、無理しなくていいのに」
ハナ(花)「ありがとう」
イケメン「へへっ」
イケメン「もしよければ、お弁当も」
ハナ(花)「うー」
イケメン「えっ、泣いてる?迷惑でした?」
ハナ(花)「ち、違うの」
ハナ(花)「私なんかに こんなに人が優しくしてくれたこと、 しばらくなかったから・・・」
イケメン「私なんか、じゃないです」
イケメン「ハナさんは毎日お仕事を頑張っていて 立派です!」
イケメン「それに僕の命を救ってくれた 優しくて素敵なお人です」
イケメン「僕が言ってるんですから」
イケメン「自信を持ってください!」
イケメン「そして、僕はそんなハナさんが大好きです」
ハナ(花)「!?」
イケメン「さあ、行った行った!」
ハナ(花)「えっ、ちょっ」

〇通学路
ハナ(花)「さっきの聞き間違いじゃないよね?」
ハナ(花)「ぴよ助、私のこと好きって言ってたよね」
ハナ(花)「なんか顔が熱くなってきた」

〇オフィスのフロア
ハナ(花)「おはようございます」
社長「早速だが仕事だ」
社長「この資料を明日のプレゼンまでに まとめてくれ」
ハナ(花)「えっ、明日までですか」
社長「何か問題か?」
ハナ(花)「い、いえ」
ハナ(花)「ただ担当は別の方だったのでは・・・」
社長「体調を崩して休んでるんだ」
社長「アイツは役立たずで、きっと戻ってこない」
社長「それに比べてハナさんはしっかりしてるから 期待しているよ」
ハナ(花)(今日も残業か)
イケメン「その仕事、しなくていいですよ」
ハナ(花)「ぴっ、ぴよ助?」
社長「誰だ、アンタ」
イケメン「労基署から立ち入り調査に入った者です」
イケメン「悪質な労働基準法違反で逮捕状が出てます」
社長「チッ」
イケメン「それにあなた 社員に高額な生命保険をかけてますね」
ハナ(花)「!?」
イケメン「おとといの晩、車で彼女を轢き殺そうとした」
ハナ(花)「う、うそっ」
社長「くっ、そこまでバレてるのか」
イケメン「ハナさん、怒っていいですよ」
イケメン「これ、どうぞ」
ハナ(花)「ふざけんなぁ!」
  ドゴーン!
  社長は慌てて逃げて行った

〇通学路
イケメン「迎えにくるのが遅くなってすみません」
ハナ(花)「ううん、ありがとう」
ハナ(花)「ってあれ?」
ハナ(花)「ニワトリになってる」
ケコ助「!?」
ハナ(花)「私もぴよ助・・・ いや、ケコ助が好き」
ハナ(花)「だいだいだーい好きだからね」
ケコ助「ケコ♡」
  完

コメント

  • 今すぐに、ぴよ助の居場所を教えてください!命がけで助けますから!(必死)
    それと、ハナさんの銃器の入手元も教えてください(笑)

  • 街中でひよこを見かけたら、命がけで守ってあげたくなりますね。ぴよ助の来訪という下心ありでw(まず街中でひよこを見たことがないですが)それにしても、ハナさんの重火器には噴き出してしまいました!

  • 動物恩返し系の話の中でも、ひよこは初めて見ました!笑
    ギャグっぽい雰囲気がありながらも、最後はほっこり&すっきり。個性的で面白く最後まで楽しめました。
    それにしても、疲れて何もしたくない時にイケメンがお世話してくれるなんて羨ましい…野良ひよこ探さなきゃ…

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