ディベリスト!

走水のりか

入学初日は波乱万丈です(脚本)

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〇古めかしい和室
  幼い頃から、名家の一人娘として
  厳格な両親に育てられた私は
  その期待にこたえ、品行方正な女性になるべく
  厳しい言いつけを守り
  勉学にも、励んでまいりました

〇名門校の校門(看板の文字無し)
  その甲斐あって、今日この日から
  才女が集う、この百合宮(ゆりみや)高校の生徒になることができました
  両親の期待にこたえられる、立派な女性となるために
  これまで以上に、勉学に励んでまいります
戸山遥(とやまはるか)「立派な門ですね・・・」
戸山遥(とやまはるか)「この学園で、どれほど素晴らしい学友と親しくなれるのか・・・」
戸山遥(とやまはるか)「胸が高鳴ります!」
戸山遥(とやまはるか)「・・・ん?」
戸山遥(とやまはるか)「ベ、ベンチで寝ている・・・」
戸山遥(とやまはるか)(この学園で、そんな・・・)
戸山遥(とやまはるか)(私の幻覚でしょうか・・・)
戸山遥(とやまはるか)(見なかったことにいたしましょう・・・)
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「・・・ん」

〇教室
  放課後
戸山遥(とやまはるか)(ふぅ・・・)
戸山遥(とやまはるか)(さすが名門校・・・。初日からハードな授業ばかりでした)
「戸山さん!」
内藤佐奈(ないとうさな)「さっきは教科書貸してくれて、ありがと!」
内藤佐奈(ないとうさな)「初日から、ガッツリ授業するなんて聞いてないよぉ〜」
戸山遥(とやまはるか)「あはは・・・」
内藤佐奈(ないとうさな)「それで、遥は部活どうすんの?」
戸山遥(とやまはるか)「あ、部活・・・ですか」
戸山遥(とやまはるか)(というか、いま名前で呼ばれましたか・・・?)
内藤佐奈(ないとうさな)「私、中学の時、ソフトボール部だったんだ!」
内藤佐奈(ないとうさな)「はるかっちも、部活決まってないんだったら、一緒に見学行こ!」
戸山遥(とやまはるか)「えぇ!?」
戸山遥(とやまはるか)「私は、スポーツなんて・・・」
戸山遥(とやまはるか)(というか・・・はるかっち・・・?)
内藤佐奈(ないとうさな)「さ、早く早く!」
戸山遥(とやまはるか)「え、ちょ・・・」

〇白い校舎
  ざわざわ・・・
戸山遥(とやまはるか)「なんだかグラウンドの様子が変ですね」
内藤佐奈(ないとうさな)「見て、あれ!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「うーん、やっぱり春の陽気は最高だねぇ」
愛住千佳(あいずみちか)「ぶ、部長! すっごい睨まれてますよぅ」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「広いグラウンドの真ん中で、思索にふける・・・。なんと文化的なことか」
ソフトボール部長「ちょっとアンタたち!」
ソフトボール部長「グラウンドは、ソフトボール部が使うんだから、どいてちょうだい!」
愛住千佳(あいずみちか)「ほら・・・部長」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「んー?」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「放課後のグラウンドは、生徒一般に開放されているものだよ? 学校の規則に明記されているじゃないか」
ソフトボール部長「毎年、放課後はソフトボール部が使ってるのよ! あなたも知っているでしょ!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「それが?」
ソフトボール部長「なっ・・・」
ソフトボール部長「だから、そこをどきなさいと言っているのよ!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「うーん・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「どうも議論が噛み合わないようだが」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「我々は、ルールに乗っ取って、この場所を使用しているのだよ」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「それが何か問題でも?」
ソフトボール部長「へ・・・屁理屈ばっかり!」
ソフトボール部長「いいわ、先生を呼んでくる」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「やれやれ、高校生にもなって「先生を呼んでくる」とは・・・」
愛住千佳(あいずみちか)「部長〜、部室に戻りましょうよ・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「ノンノン、こんな春の日和に、部室に籠るだなんて、ナンセンスじゃないか」
  結局──
  この日は校長先生まで出てくる事態となり
  放課後のグラウンドの使用について、各部活が事前に申請を行うこととなった

〇中庭
内藤佐奈(ないとうさな)「まったく! なんなの? あの屁理屈女」
内藤佐奈(ないとうさな)「結局、ソフトボール部の見学が出来なかったじゃない!」
戸山遥(とやまはるか)「ま、まぁまぁ・・・」
戸山遥(とやまはるか)「あっ」
内藤佐奈(ないとうさな)「屁理屈女!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「んー?」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「その名誉な称号は、私のものかな?」
内藤佐奈(ないとうさな)「そうよ!」
内藤佐奈(ないとうさな)「アンタ、どういうつもりか知らないけど、みんなを困らせて!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「みんな?」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「みんなというのは、誰のことを指しているんだろうねぇ」
内藤佐奈(ないとうさな)「学校中のみんなよ!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「あ、そう」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「そこの地味子ちゃんも、困っているのかな?」
戸山遥(とやまはるか)「うぇっ!? わ、私ですか!?」
戸山遥(とやまはるか)「わ、私は・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「ほれ、別に困っていないじゃないか」
内藤佐奈(ないとうさな)「ちょっと、はるかっち!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「それじゃあ、これ以上議論することも無いようだから、失礼するよ」
戸山遥(とやまはるか)「あわわ・・・」
内藤佐奈(ないとうさな)「ほんとムカつく!」
内藤佐奈(ないとうさな)「こうなったら、金属バットでぶん殴ってやるしか・・・」
戸山遥(とやまはるか)「だ、ダメだよぉ!」

〇木造の一人部屋
戸山遥(とやまはるか)「はぁ・・・」
戸山遥(とやまはるか)「大変な一日だったな・・・」
戸山遥(とやまはるか)「・・・」
戸山遥(とやまはるか)「あの人・・・正しいのかはわからないけど」
戸山遥(とやまはるか)「校長先生に対しても、自分の意見を真っ直ぐぶつけてた・・・」
戸山遥(とやまはるか)「・・・」
戸山遥(とやまはるか)「・・・」
戸山遥(とやまはるか)「・・・」
戸山遥(とやまはるか)「ぐぅ」

〇名門校の校門(看板の文字無し)
戸山遥(とやまはるか)「ち、遅刻遅刻〜っ」
戸山遥(とやまはるか)「はぁ・・・はぁ・・・」
戸山遥(とやまはるか)「・・・あれは」
内藤佐奈(ないとうさな)「あんた! あの屁理屈女の取り巻きでしょ!」
内藤佐奈(ないとうさな)「アイツの居場所を教えなさい」
内藤佐奈(ないとうさな)「さもなくば・・・」
愛住千佳(あいずみちか)「きゃ!」
「朝から穏やかじゃないねぇ」
愛住千佳(あいずみちか)「部長!」
内藤佐奈(ないとうさな)「出たわね・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「やれやれ、暴力は反対だよ」
内藤佐奈(ないとうさな)「うるさい! アンタと決着をつけないと気が済まないのよ!」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「決着ねぇ・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「それなら、正々堂々、私たちと戦おうじゃないか」
内藤佐奈(ないとうさな)「戦う?」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「ああ」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「我々、討論部の活動・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「競技性を極限まで高めた、新たなディベート・・・」
霞ヶ丘留理(かすみがおかるり)「ディベル(闘論)!」
「!!」
戸山遥(とやまはるか)「ディ・・・ディベル(闘論)?」

次のエピソード:ディベルのルールは複雑怪奇です

コメント

  • たしかに留理さんの言ってることって、何も間違ってないんですよね。
    「今までそうだった」って言っても、今まで規則を破ってきましたってことですし。
    楽しそうなお話だなって思いました!


  • 闘論で部長さんに勝てるかな?部長さんの凛とした意思の強さや理論家としてよ誇り高き性格は誰も敵わないような気がします。早速闘論会を見てみたいです。

  • ここまでのやりとりを見ていて、討論で勝てるとも思えないです…。何を言っても言いくるめられそう…ひ○ゆきさんみたいな感じで笑

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