2.サイバーサバイバー(脚本)
〇寂れた一室
席口 菊世「気をつけようねえぇええええ!!」
〇寂れた一室
席口 菊世「席口菊世の偏狂そうだん室!! サイバーサバイバー!!」
席口 菊世「あのねぇ」
席口 菊世「今何時だと思ってるんですか」
室蘭 「23時6分」
席口 菊世「そうです深夜です」
室蘭 「今日中にまとめないといけない資料がありまして」
席口 菊世「1人でまとめればいいじゃないですか 初対面の人間を巻き込まずに」
室蘭 「頼れる人がいないんです サイバー攻撃に遭って」
席口 菊世「サイバー攻撃!?」
室蘭 「あなたしかいないんです」
席口 菊世「何でも聞くだけで何でも屋ではないのですが・・・ PCとか、ありますか?」
室蘭 「あるんでWi-Fi貸してください」
席口 菊世(厚かましくない?)
室蘭 「フッ。今時クラウド管理なのですよ」
〇サイバー空間
席口 菊世「まっさらじゃないですか!」
室蘭 「全部なくなったんですよ!」
席口 菊世「データ復旧とか、できませんよ・・・?」
室蘭 「僕も何もできませんよ!? がんばってほら!!」
席口 菊世「社内の人にできないのに、部外者に何とかできるわけないじゃないですか」
席口 菊世「ていうか、社外秘の情報とかないんですか? いいんですか俺に見せて」
室蘭 「え?」
室蘭 「・・・いいんじゃないです?」
席口 菊世「こわいなこの人」
席口 菊世「あっそもそも社内の共有フォルダとかデータベースに入ってなくないですか? これ」
室蘭 「強要フォルダ? ベータデース?」
席口 菊世「な、なんか入らないですか?」
室蘭 「印刷したものはフォルダにまとめてますけど、リモートワークになってから紙がなくなっちゃって」
席口 菊世(関係ある?)
室蘭 「さっぱりしました」
席口 菊世「ぎょ、業務の進行が?」
室蘭 「僕の理解が」
席口 菊世「────🙏」
室蘭 「沈黙している時間はないはずですが」
席口 菊世「そっくりそのままお返ししたいセリフ」
席口 菊世「とにかく一通り見てみましょう」
〇寂れた一室
席口 菊世「データ全部消しちゃったりしました?」
室蘭 「そもそもパソコンではソリティアしかしてなかったんですよ 事務だから」
席口 菊世「ジムじゃなくて事務ですよね、言い訳になりません 今時クラウド管理じゃなかったんですか」
室蘭 「あっマインスイーパーもやります」
席口 菊世「そこの情報いりませんよ 爆弾みたいな人材」
席口 菊世「いやこれ、 社内用のアカウントにログインしてねーじゃねーか」
席口 菊世「パスワードは?」
室蘭 「password」
席口 菊世「パスワードは?」
室蘭 「password」
席口 菊世「まさかパスワードをpasswordにしてます? 社の内部情報のを?」
室蘭 「はい」
席口 菊世「気をつけようねえぇええええ!!」
室蘭 「あらログインできない」
席口 菊世「これッ、パスワードが単純すぎて乗っ取られたんじゃないか」
室蘭 「誰かが──僕を社会からログアウトさせようとしている──!」
席口 菊世「澄んだ眼でこっち見てんじゃねえ!」
席口 菊世「報告は・・・したんですか上司の方とかに」
室蘭 「リモートだったので残念ながら」
席口 菊世「残念すぎるよ!」
室蘭 「メールします ──あっ」
席口 菊世「今度は何」
室蘭 「メールにログインできない」
席口 菊世「また乗っ取り!?」
席口 菊世「もう電話とか、連絡しましょう至急、SNSとか、なんでもいいから」
室蘭 「──あっ」
席口 菊世「また──!?」
室蘭 「上司からメッセージで、パスワードがやばすぎたので勝手に変更したとのことでした」
席口 菊世「サイバー攻撃の犯人上司かーーい!!」
室蘭 「まったくもう!」
席口 菊世「自業自得じゃーーい!!」
席口 菊世「でも、じゃあメールにログインできないのも?」
室蘭 「いや、こっちはノータッチのはず」
席口 菊世「てことは・・・マジの乗っ取り!! まさか」
室蘭 「フッ前のパスワードなら、1111でしたよ」
席口 菊世「数字!!」
席口 菊世「推奨されるパスワードは半角英数の大文字小文字、数字、記号をそれぞれ1つ以上含むものです個人情報は控えてください!!!!」
お察しの通り、この時点で日付は変わっていて、資料は間に合わなかった
爆弾みたいな人材(笑)
極端すぎる例ですが、パスワード管理とか基本的なサイバー攻撃対策ちゃんとしなくちゃと思わせる、意外にも!?社会派なお話でした🤣