エピソード2 戦闘員だって筋トレしたい! (脚本)
〇ファミリーレストランの店内
ここは何の変哲もとあるファミリーレストラン。
だがここで今、悪の組織による恐ろしい作戦が進んでいた!!
戦闘員A「・・・・・・」
戦闘員B「・・・・・・」
戦闘員A「負けたな」
戦闘員B「そうだな。完膚なきまでって奴だ」
戦闘員B「まあでもしょうがないだろ。アッチはヒーロー様だからな」
戦闘員B「俺たちみたいな戦闘員が逆立ちしたって勝てやしないさ」
戦闘員A「・・・・・・ダメだ」
戦闘員B「うん?何がダメなんだ?」
戦闘員A「Bよ!そんな気持ちでいるからダメなんだ!!」
戦闘員A「我々は勝たねばならない!我々悪の組織の理想を叶える為には負けは許されないのだ!」
戦闘員B「おいおい、建前を並べるなよ」
戦闘員B「オマエは組織の為なんかに戦ってるわけじゃないだろ?」
戦闘員A「なに!?」
戦闘員B「俺にはお前がそこまで熱くなって戦える理由はひとつだけしかないように見えるぜ?」
戦闘員A「どういう事だ、B?」
戦闘員B「やれやれ、自分でも気づいてねーのか」
戦闘員B「ならしょうがねぇ、俺が教えてやるよ」
戦闘員B「お前はな、惚れた女の前でかっこつけてぇーんだよ。ただそれだけだ」
戦闘員A「うっ!?」
戦闘員A「た、確かにそうかも知れない・・・」
戦闘員A「私も今までは負けても仕方がないと何処かで諦めていた」
戦闘員A「だが私なりに全力で戦い、負けていた」
戦闘員A「そこに悔いはなく負ける事も強さだと思っていた・・・はずだった!」
戦闘員A「しかし今は違う!レッドマーキュリー様の前で無様にぶっ飛ばされる自分を思うと情け無いのだ!」
戦闘員A「私は勝てる強さをこんなに欲した事は今までなかった・・・!!」
戦闘員B「力が欲しいか・・・」
戦闘員A「ほっ、欲しい!!」
戦闘員B「なら、筋トレだな」
戦闘員A「き、筋トレ!?」
戦闘員B「そうだ。筋肉は裏切らないッッ!!」
戦闘員A「う、うおおおおお!!」
ウェイトレス「あの、お客様。大声は他のお客様のご迷惑になりますので・・・」
戦闘員B「また会ったな」
ウェイトレス(こっちはまた会う気はなかったわ)
戦闘員A「ファミレスの平和を乱してしまってすまない」
ウェイトレス「あ、いえ、わかって頂ければ・・・」
戦闘員A「私はもっとスケールの大きい悪にならねばならんのだ。ファミレスに収まるような男ではない!」
ウェイトレス(こいつわかってねーな)
戦闘員B「・・・・・・ドリンクバー」
ウェイトレス「え?」
戦闘員B「ドリンクバーをふたつ頼む」
ウェイトレス(こいつらまた無視されてたのかよ・・・)
ウェイトレス「えっとドリンクバーおふたつでよろしかったでしょうか?」
戦闘員A「Bよ、ダメだ!」
戦闘員B「なんだ、突然?ドリンクバーで数時間粘ればいいだろう」
ウェイトレス(さりげなくセコい事言ったな、こいつは)
戦闘員A「私は今猛烈に筋肉を鍛えたいッ!」
戦闘員A「筋トレして強くなってレッドマーキュリー様に告白したい!!」
戦闘員B「フッ、一丁前に言うじゃねーか」
戦闘員B「だが嫌いじゃねーぜ。そういうのはよ」
戦闘員B「じゃーやるか、秘密特訓!」
戦闘員A「B!」
戦闘員B「よぉ〜し、んじゃあドンキ・ホータに筋トレ器具買いに行くぞ!」
戦闘員A「ああ、そうしよう!善は急げだな!」
ウェイトレス「あの、ご注文は・・・」
戦闘員B「悪いな。相棒があんな調子なもんでね・・・」
戦闘員B「キャンセルで!」
ウェイトレス「・・・・・・」
戦闘員B「おいおい、そんな悲しい顔をするなって」
戦闘員B「二度ある事は三度ある。俺はまた帰って来るぜ」
戦闘員B「その時は必ずドリンクバーを頼むぜ!」
ウェイトレス「・・・・・・」
ウェイトレス(アイツら注文しないなら近所の公園にいけよ)
戦闘員が強くなる方法として、誰もが改造されるのを想像するのですが、まさかの筋トレ展開!笑いました。
そして、動じないウェイトレスさんはお見事ですw