多重人格な彼女

F君(Silver Capricorn)

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〇学校の昇降口
  学校に行くと下駄箱に手紙が入っていた。

〇教室
先生「今からテスト返しするぞー前に取りに来い」
一式姫化「はーい」
先生「今回もよく頑張ったな全教科100点だぞ」
クラスの人「スゲエーまた100点だってよ」
先生「だが、なぜ毎回国語と化学は楓で数学と日本史は由花って書いてるんだ?」
一式姫化「それは、、、やっぱり何でもないです」
先生「そうか、悩み、あるならいつでも相談に乗るぞ」
一式姫化「ありがとうございます」
入見光平「危ねえー後少しで赤点だったわ〜」
徳井「俺も危なかったわ〜」
雄太「俺は50点だった」
入見光平「は?勉強しなかったってこの前言ってたじゃないか」
雄太「あれ、嘘だよ、まあお詫びに何か奢るから許してくれよ」
入見光平「なら許す」
徳井「お前単純すぎ」
  と徳井と雄太に笑われていると、一式さんがこっちを見ていた。
徳井「今、あの一式さんと目が合った幸せ過ぎる。俺の事好きなのかな?」
入見光平「ただ目が合っただけだろ?」
入見光平「お前の理屈で言うと目が合った女子全員お前の事好きになってる事になるぞ」
徳井「良いじゃん、現実的に考えなくても、」
  チャイムがなった。

〇教室
入見光平「今日寄る所あるから2人とも先に帰ってくれないか?」
徳井「え、何で?」
雄太「徳井、俺達帰るぞー、入見頑張れよ」
  雄太は何かを察した様に徳井を連れて帰った
入見光平「彼奴らにバレると弄られるからな言わなくて正解だったか」
  誰も居ないのを確認して入見は手紙を確認した。
  手紙の中身
  大事な事を伝えたいので屋上まで来てくれませんか?と書いてあった。

〇フェンスに囲われた屋上
  ドキドキワクワクしながら階段で登って行くと屋上には一式さんがいた。
入見光平「手紙を見たんだけどなんか様?」
一式姫化「来てくれてありがとう。来ないかと思ったわー」
  一式さんは、いつもと感じが違く別人かと思った。
入見光平「それで要件は何かな?」
一式姫化「前から言おうと思ってたんだけど、ずっと付き合って欲しいなあ、と思ってました」
  うわー、やっぱり告白だ。嬉し過ぎる、でもこういうのって嘘告の可能性があるし周りを見回した。
一式姫化「首振ってるしダメかな?」
入見光平「いや、動揺しちゃって、嘘告なら嫌だなと思って周りを確認しただけだよ」
  あー、俺はなんて事を言ってるんだー。俺の馬鹿野郎ー
一式姫化「嘘告て疑われるなんて侵害だよ、酷い」
入見光平「ごめん、今言うのも違うかもだけど、僕も好きだ」
一式姫化「本当?」
一式姫化「これから宜しくね」
一式姫化「良かったら、今から家まで着いてきて欲しいんだけど、駄目かな?」
入見光平「え、今から?まだそんな心の準備できてないよ」
一式姫化「良いから行くよ」
  いつもの性格とは逆で強引だった。

〇魔法陣のある研究室
入見光平「え、ここどこ?」
一式姫化「私の家、お父さんが発明家なの」
入見光平「へぇー、そうなんだ、凄いね」
お父さん「よく来たね、君が姫花達の事が好きな子か?」
入見光平「達って聞き間違いですかねえ?」
お父さん「なんだ、聞かされていなかったのか?姫花の中には他に2人の人格が居て、」
お父さん「それを1人に戻すために、姫花の事が好きな若い男の子が必要なんだ」
入見光平「そんな事言われても、なぜ、俺なんですか?」
お父さん「こんな事は言いたくなかったんだが、スーパーコンピューターが判断したんだ」
一式姫化「やっぱり、嫌だよね、私昔から多重人格で気持ち悪いと言われてきたから、1人に戻って普通の生活を送ってみたいの」
入見光平「あー、そこまで言われたらやってやるよ」
お父さん「よく言った、それでこそ男や」
お父さん「それで、説明なんだが、今から入見君の意識を姫花に移して姫花の世界まで入りこんで二つの心臓を破壊して欲しい」
お父さん「そしたら緊急経路を開くから、そこから戻れるはずだ」
入見光平「破壊?そんなことしたら姫花さんが死んでしまう」
お父さん「いや、あくまで姫花意外の心臓を壊せば良いんだ」
入見光平「人殺しじゃないか?それなら遣りたくない」
お父さん「もう時間がないんだ」
  と言うと強制的に送られた。

〇幻想空間
入見光平「ここは何処だ?」
由花「はぁー、貴方も私を殺しに来たのですか?」
入見光平「三人の人格を助けに来た」
由花「無理な事わかってて面白い事を言いますね」
入見光平「無理じゃない、君たちが心を一つにすれば、一つに戻れる」
由花「つまり、壊せと」
入見光平「違う、全部くっければ良いんだ」
  俺何言ってるんだ?
由花「くっける。そんなの聞いた事ないわ〜無茶よ」
入見光平「いや、実体験があるからね」
由花「そこまで、言うならやって見なさい」
入見光平「ならまず、あそこのドアの鍵をくれ」
由花「鍵なんて持ってないよ」
入見光平「念じれば出てくる、」
由花「うーんハ、驚いた何でそんなこと知ってたの?」
入見光平「昔似たような体験をして思い出したと言うのと精神世界はデタラメな世界なんだよ」
由花「そうなんだ、でもここから先は着いていけない、この先にいる楓と姫花を助けてあげて」
入見光平「あー、任せて」
  鍵を貰い扉を開くと第一の試練合格という言葉が聞こえた前へ進むとそこには楓が居た。
楓「この領域まで来るの案外早かったわね。でももう遅いわ」
入見光平「どういうことだ?」
楓「もう直ぐこの精神世界は崩壊する。すなわち私たちは死ぬの。だから今戻らないと貴方はこの体から出られなくなり、」
楓「私達に巻き込まれて死ぬの」
入見光平「???」
楓「二つだけ助かる方法があるわ」
入見光平「そんな事できるのか?」
楓「貴方があの場所に魂を注げば、この世界は救われるわー、それか姫花意外の魂を壊すか選びなさい」
入見光平「それじゃあ、意味がないんだ、由花と約束したんだ。皆を連れて帰ると」
楓「ならどうするの?」
入見光平「うーん」
  幻覚で世界の崩壊が止まった。

〇ゆめかわ
???「久しぶり、入見君」
入見光平「え、なんであん時死んだ筈じゃあ」
???「今日のために戻ってきたんだよ」
入見光平「え、」
???「どう頑張っても崩壊は止められないから私の魂を注ぐわ」
入見光平「もう誰も失いたくないんだ、」
???「入見、ちゃんと考えてみてよ。私はあの時死んでいるのよ。だから今更死なんて怖くないわ〜だから」
???「最後ぐらい母として格好つけさせてよ」
入見光平「分かったよ。お母さん」
  お母さんは消える間際に
「大きくなったわね」
  と言った。
  幻覚が解け世界の崩壊が再開した。
楓「で時間がないけどどうするの?」
入見光平「実はもう今終わったんだ、だからあのドアの鍵をくれ」
楓「渡す前に、一つ質問良いかしら?なんで私たち三人の為にここまで頑張るの?」
入見光平「それは、、、昔の俺と同じ悩みを抱えていて、ほっとけないっ言うのと、君 達が俺の初恋の人だからだ」
楓「そう、なら合格。早く姫花のところに行って助けてあげなさい」
  そう言うと恥ずかしそうにしながら鍵を渡された。
入見光平「サンキューまた会おうな」
  次の空間に行くと、姫花が鎖の様なもので縛られていて、周りには後悔と苦しみを具現化させた姫花の影が、、、
入見光平「姫花、お前を助けに来ただから目を覚ませ」
一色「助けに来た?私を?なぜ?」
入見光平「もう、何も失いたく無いから戻ってきてくれ」
「うわーーーーーーーーーーーーーーーーー」
  影が姫花の中に消えていく。と同時に外に弾き出された。
  そこから1年後『多重人格な彼女』という題名で映画が公開された、
  今まで解離性人格障害に悩んでいた人は少しずついなくなりそして周りの人は理解を示すようになった。

〇公園のベンチ
一式姫化「私の事好き?」
入見光平「ああ、勿論」
一式姫化「素直すぎ」
入見光平「別にいいだろう?」
  彼女の頭に手をポンと置く
  そして俺達は本当の意味で付き合う事となった。
  こうして愛は一つの世界を救ったのだった。

コメント

  • 多重人格者で一番に思い出したのがジキルとハイドでした。映画やドラマを観て思う事は、当事者の精神と肉体が統一性を併せもちながら行動性の乖離が顕著でした。

  • 人の潜在意識の中に入り込んで…なんだか怖い気もするし、けどやってみたい感じもします。
    いずれはこういった話も、日常的な当たり前の世界になったりするんですかね。

  • それぞれの人格に攻撃性がないと分かってもらえて先に進んでいけるところ、感動しました。愛情をこんな風に示せるなんて素敵ですね。

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