#08 フレンドリィ・エンプティ(脚本)
〇広い廊下
佐倉真桜(そろそろテストが終わる頃ですね。 お嬢様はどこでしょう)
教室から生徒たちが流れ出てくるが、そこに夜留と小春の姿はない。
佐倉真桜「・・・?」
佐倉真桜(お嬢様、出てこないですね・・・教室にも残ってない・・・)
佐倉真桜「夜留お嬢様? どこにいらっしゃいますか?」
佐倉真桜(いつもなら一番に飛び出てくるのですが・・・)
〇大教室
北園夜留「・・・真桜、探してた」
椎名小春「大丈夫、バレてないバレてない」
北園夜留「でも・・・」
椎名小春「たまには真桜さんを休ませてあげたいんでしょ?」
椎名小春「こうでもしないと、真桜さん離れてくれないよ」
北園夜留「うん・・・」
椎名小春「ふふ、なんか潜入ミッションみたい」
北園夜留「せ、せんにゅうみっしょん・・・」
椎名小春「ほらほら、人混みに紛れて脱出するよ! バレないようにね」
北園夜留「へへ・・・えへへ・・・! うん!」
〇洋館の一室
佐倉真桜「お嬢様? いらっしゃいますか?」
佐倉真桜「・・・・・・」
佐倉真桜(やはりまだ怒っているのでしょうか)
佐倉真桜(昼間のうちであればそこまで心配する必要はありませんが・・・)
佐倉真桜(小春と名乗った生徒と一緒に行動しているとなると、少し不安ですね)
〇洋館の一室
北園夜留「チェックメイト」
椎名小春「え! ちょ、ちょっと待って。まだ逃げられるってば、ほらここにルークを移動──」
ジョゼット「そこですと、次の一手でチェックメイトです」
ジョゼット「こちらにキングを移動させればまだ逃げられます」
北園夜留「あ・・・そこでも、三手先、絶対チェックメイトになる」
ジョゼット「そう・・・ですか?」
椎名小春「え〜嘘だぁ」
北園夜留「これが、こうなって・・・ここしか逃げ道がなくなって・・・夜留が、ここにナイトを動かす」
椎名小春「え!? うわ、本当だ」
ジョゼット「これは、驚きました」
北園夜留「えへへ・・・」
椎名小春「すごいなぁ。私も結構自信あったのに」
北園夜留「お姉ちゃんと、よく勝負してた」
椎名小春「そっか・・・朝咲さん、強かったんじゃない?」
北園夜留「いつも、夜留が勝ってた・・・!」
椎名小春「へええ! すごい!」
椎名小春「夜留ちゃんだったら、善哉寺さんに勝てるんじゃない?」
北園夜留「え・・・善哉寺、さん?」
椎名小春「善哉寺さん、いつも午後のティータイムの時間とかに勝負してるよ」
椎名小春「相当強いらしいね」
椎名小春「まあ、お近づきになりたい対戦相手が忖度してるだけだっていう人もいるけど」
北園夜留「そう、なんだ・・・」
椎名小春「ねね、今度対決してみてよ!」
北園夜留「た、対決・・・!? 夜留が・・・」
椎名小春「うわ、絶対面白いよ。 まさに光と闇の戦いって感じ!」
北園夜留「・・・夜留、光?」
椎名小春「闇かな〜」
北園夜留「あう・・・」
〇寮の部屋(ポスター無し)
佐倉真桜「・・・・・・」
真桜は難しい顔をして、部屋の中を歩き回っていた。
時刻は、午前一時を回ったところだ。
佐倉真桜「お嬢様・・・」
佐倉真桜(探しに出るべきか、待つべきか・・・)
〇洋館の一室
ジョゼット「・・・負けました。 もう一度お願いします」
椎名小春「ジョゼットって負けず嫌いだよね」
ジョゼット「小春様にチェスを教えたのは私ですよ」
ジョゼット「そうやすやすと負けを認めるわけにはいきません」
椎名小春「何回も負けたあとに言うセリフじゃないでしょ」
ジョゼット「う、それは、そうですが」
北園夜留「ふふっ・・・」
椎名小春「・・・・・・」
北園夜留「あ、ごめ・・・バカにした、わけじゃ・・・」
椎名小春「違う違う、夜留ちゃんってほとんど笑わないイメージだったから」
椎名小春「さっきからずっと笑顔でいるなぁ、ってちょっと驚いたよ〜」
北園夜留「えっと、友達も・・・こうして遊ぶのも・・・初めてで・・・楽しい・・・!」
椎名小春「そんなに喜んでくれると、私まで嬉しくなるなぁ」
椎名小春「でも、今日はもう休もうか、そろそろ二時になるし」
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最後の最後で「ふわああああああ」となる奴に(笑) 時間切れ!マジですか!続き読みます!(そこかい!)