もう一度、はじまる

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もう一度、はじまる(脚本)

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〇大きな木のある校舎
河原 若菜「圭先輩、卒業おめでとうございます」
大塚 圭「ありがとう、若菜。そんなに泣かないで」
大塚 圭「かわいい目が腫れちゃうよ」
河原 若菜「だって圭先輩。東京に行ったらもう私のことなんて忘れちゃうもん」
大塚 圭「こんなにかわいい彼女のこと、忘れるわけないだろう」
大塚 圭「来年、必ず大学に受かって上京しておいで。待ってるから」
  それから私は圭先輩と同じ大学に入るために一生懸命勉強した

〇新幹線の座席
河原 若菜「さぁ今日から新生活!ちょっと緊張するけど、楽しんでやる!」

〇駅前広場
河原 若菜「もー、全然わかんない。どーしよう」
ナンパ男「お姉さん、なにしてるの?俺と遊びに行く?」
河原 若菜「やめてください!」

〇テラス席
河原 若菜「かわいいカフェがある!」
河原 若菜「迷子になるし、知らない人に声をかけられて怖いし、こんなときは一回休憩だ!」
  カランカラン。いらっしゃいませ~
河原 若菜「今頃、圭先輩と一緒にいられると思っていたのになぁ・・・」
  ──夏頃から先輩は全然連絡がつかなくなった
河原 若菜「きっと大学でステキな彼女でも見つけて私のことなんてどうでもよくなったんでしょう」
河原 若菜「こんなことなら東京の大学を受験するのやめればよかったのかな・・・」
  カランカラン。いらっしゃいませ〜
大塚 圭「やぁ、若菜。予定より早く着いたんだね。駅まで迎えに行けなくてごめんね」
河原 若菜「???? え?先輩?」
大塚 圭「うん、俺だけど。そんなに驚いてどうした?」
河原 若菜「どうした?じゃないよー圭先輩のバカ!」
大塚 圭「泣くな。泣くな。若菜、触れても大丈夫?」
河原 若菜「うん」
大塚 圭「そんなに泣かないで。かわいい目が腫れちゃうよ」
河原 若菜「先輩、あの時と同じこと言ってる」
大塚 圭「そうかな?この1年、ずっと待ってたんだ。若菜の笑顔が見たいよ」
河原 若菜「ずっと待ってたなんて、嘘!」
大塚 圭「嘘じゃない。ねぇ、そのケーキ、あと一口食べちゃいなよ?」
河原 若菜「ケーキ?」
大塚 圭「はい、あーんして」
大塚 圭「うん、ごちそうさまでした」
大塚 圭「じゃ行こう!」

〇電車の座席
大塚 圭「混む時間になっちゃった。俺に捕まってて」

〇広い改札
大塚 圭「少し歩くよ」
河原 若菜「圭先輩、手・・・」
大塚 圭「はぐれないように繋いでてね」
河原 若菜「はい、お兄ちゃん?」
河原 研吾「おう、若菜。圭に会えたか?」
河原 若菜「会えたけど、お兄ちゃん知ってたの!?」
河原 研吾「俺が教えたからな」
河原 若菜「言ってくれればよかったじゃない」
河原 研吾「内緒にしててくれって頼まれてたんだから仕方ないだろ」
河原 若菜「先輩が?なんで?」
河原 研吾「それは圭から聞きな」
河原 研吾「とりあえず会えたならよかったよ」
河原 研吾「母さんたちには伝えておくから圭と仲良くするんだぞ。じゃあな」
大塚 圭「研吾から?」
河原 若菜「はい。圭先輩に会えたかって」
河原 若菜「ねぇ先輩、今日私がこっちに来ること、お兄ちゃんから聞いてたんですか?」
大塚 圭「うん」
河原 若菜「ずっと連絡くれなかったのにどうして?」
大塚 圭「ごめん、勝手なことして」
大塚 圭「説明するから今はとにかくついてきて」

〇観覧車の乗り場
大塚 圭「足元気をつけて」

〇観覧車のゴンドラ
大塚 圭「若菜がこっちに来たら、一緒に乗りたいなってずっと思ってたんだ」
河原 若菜「すごくきれい!」
大塚 圭「若菜、しばらく連絡してなくてごめんね」
大塚 圭「怒ってるよね?」
河原 若菜「今日、先輩に会えたしもう怒ってません。でも理由は知りたい・・・」
大塚 圭「ありがとう」
大塚 圭「夏に帰省したときさ、俺と同じ大学はA判定が出てるって言ってただろ?」
大塚 圭「この時期にA判定なら、若菜はもっと上の大学を目指せるなって思ったんだ」
大塚 圭「このまま連絡を取ってたら、若菜は俺と同じところを選ぶってわかってたから」
大塚 圭「結果ほら、もっと良い大学に入れただろ?」
河原 若菜「そんな・・・それならそう言ってくれればよかったのに!」
大塚 圭「うん、ごめん」
大塚 圭「若菜の人生を大事にしてほしくて」
河原 若菜「圭先輩・・・」
大塚 圭「連絡を控えたのは俺なのに、若菜のことが気になって耐えられなかったんだ」
大塚 圭「それで研吾から若菜の様子を教えてもらってた」
大塚 圭「こっちの大学受かったって聞いてうれしかったよ」
大塚 圭「すぐに連絡しようかと思ったけど驚かせたくて、今日まで我慢してた」
河原 若菜「私も圭先輩のことでずっと頭がいっぱいでした」
大塚 圭「若菜が良ければ、受け取って欲しいものがあるんだ」
大塚 圭「これ」
大塚 圭「連絡しなかったお詫びと、これからは一緒にいて大事にするって誓いの証」
大塚 圭「受け取ってくれる?」
河原 若菜「いいんですか?」
大塚 圭「もちろん。若菜に受け取ってほしいんだ」
河原 若菜「うれしいです」
大塚 圭「後ろを向いて」
大塚 圭「はい。できた。とっても似合ってる」
河原 若菜「大切にします」
大塚 圭「これからはこまめに連絡取り合って、出来るだけ一緒にいたいと思ってる」
河原 若菜「私もそうしたいです」
大塚 圭「でもお互い大学にはしっかり行って勉強しような」
河原 若菜「はい、がんばります」
大塚 圭「これから改めてよろしく。若菜、大好きだよ」
河原 若菜「私も大好きです、圭先輩。よろしくお願いします」

〇大学の広場
  大学は違うけど、私たちの楽しい日々がスタートした

コメント

  • 連絡が途絶えても大丈夫、と思えるほどの信頼があったのかな、と思いました。結果として、二人はタイトル通りの展開を迎えることが出来てよかったです。
    素敵な物語ありがとうございました!

  • 圭の行動は賛否別れてしまいそうですね。
    若菜をポジティブに促すためと考えるか、それともただの独りよがりと考えるか。
    結果的に若菜が受け入れてくれたので良かったとできそうですね。私なら連絡が途絶えるのはイヤですけどw

  • 私にも再会しらい人がいて、今そのためにがんばっているので、共感がとまりませんでした。お互いの目標が達成できたときに、このふたりみたいに再会して新たなスタートをきれたらいいな。勇気をもらえるお話でした。

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