第5話 伝説のスナイパー現る!②(脚本)
〇大きな木のある校舎
学校から、出て行きなさいっ!
〇教室
高原みこ「え~、やっぱりダメ?」
吉永良晴「ダメに決まってる!」
吉永良晴「部外者は立ち入り禁止だ! ましてや君のその体、ロボットじゃないのか!?」
アテナ「・・・・・・」
柴崎麻衣「でもヨッシー、アテナちゃんって、みこのお手伝いさんなんでしょ?」
柴崎麻衣「ヨッシー的にも助かるんじゃない?」
吉永良晴「何ぃ?」
柴崎麻衣「だってほら、みこって猫を助けるために窓から飛び降りたりとかするじゃん?」
吉永良晴「うッ」
柴崎麻衣「昨日は無事だったけど、もし怪我でもしたら責任問題だしー・・・」
吉永良晴「ううッ」
他の生徒たちからも、「いいじゃんそれくらい」「ロボット差別だ!」と声があがる。
吉永良晴「゛ん~~~ッ」
吉永良晴「では、このまま授業を始めるぞ!」
〇屋上の隅
メイ・チュウ「フッフッフ・・・。 俺のポリシーは一撃命中・・・」
メイ・チュウは震える手で相棒のライフル・リンダを撫でた。
メイ・チュウ「さっきのは試し撃ちだ。命拾いしたな・・・」
〇教室
吉永良晴「この前の授業でやった、オリンポスに祭られてた女神の名前、憶えてるか?」
吉永良晴「ヒントは、このクラスに同じ名前の──」
板書していた吉永は、わくわくした顔で生徒たちの方を振り返った。
し~ん
黙って目を逸らす生徒たちを見て、吉永の顔がヒクヒクと引きつる。
吉永良晴「! そ、そうだな! 君のことだ、アテナくん!」
アテナ「は?」
高原みこ「へえ~、アテナって、神様の名前だったんだ」
アテナ「はい」
吉永良晴「うん、正式な生徒じゃないからって遠慮することはないからな」
吉永良晴「積極的に授業に参加してくれ、アテナくん!」
柴崎麻衣「ヨッシー、さっきは出て行けとか言ってたくせに、手のひら返しすぎ」
吉永良晴「では、授業の続きを──」
〇教室
吉永良晴「はい、アテナくん! どうした? 俺に質問か?」
アテナ「いいえ。私は御主人(マスター)にしか、興味はありません」
アテナの言葉にどっと笑う教室の生徒たち。
吉永良晴「そ、そうか・・・」
吉永良晴「授業中にむやみに手を上げないように。 紛らわしくて授業の妨げに──」
吉永良晴「ッ! 一応聞くが、俺への質問か?」
アテナ「いいえ」
生徒たちがクスクスと笑う。
吉永は顔を真っ赤にして言った。
吉永良晴「じゅっ、授業に関係ある時にだけ、手をあげなさいっ!」
高原みこ「ん? なにこれ」
アテナの机の上には、細長い金属の何かが並べられていた。
高原みこ「アテナ、どこで拾ってきたの?」
〇屋上の隅
メイ・チュウ「調整はこのくらいにしとくかな・・・っ!」
脂汗をかいたメイ・チュウは、歯ぎしりをしてライフルのスコープを覗いた。
バシュッ!
メイ・チュウのライフルから弾丸が発射する。
〇教室
高原みこ「急に現れた・・・!」
高原みこ「アテナって手品もできたの!?」
〇屋上の隅
メイ・チュウ「あ、ありえない・・・あいつ、手で・・・」
メイ・チュウ「あいつは一体・・・何者なんだ!!」
メイ・チュウ「依頼情報に、あんな奴の情報はなかった・・・」
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只手を挙げただけで弾を防ぐ、流石ですね。