本編(脚本)
〇大教室
私は民子、まだ入学したばかりの大学生。
鈴木友子「民ちゃん、おはよー」
鈴木民子「おはよー。今日はテンション高めだね」
鈴木友子「フフフ、実はイケメンを見つけてね」
鈴木民子「イケメン?」
鈴木友子「ほら、1番窓際の席の!」
友子の視線の先を見た。確かにイケメンだ。モデル体型で顔立ちも良い。
あれ?気のせいかな。どこかで見覚えが
こっち見てる気がする?
鈴木友子「カッコいいよねーマイナスイオンでてるわ〜」
鈴木民子「た、確かにね」
あれ?やっぱりコッチの方見てる!しかも近づいてきた?!
和島幸平「...あの」
鈴木友子「あっ、ごめんなさい...思わず見つめちゃって」
和島幸平「いや、それは気づかなかったけど...フードの君ってもしかして民?」
鈴木民子「えっ!?確かに私は民ってあだ名ですけど...」
和島幸平「やっぱり民かぁ〜俺の事覚えてる?中学の同級生の幸平だよ」
鈴木民子「えっ、幸平!?全然わからなかった!」
鈴木友子「えっ、民ちゃんと幸平くんって同じ中学校だったの!?ビックリ!!」
鈴木民子「私だってビックリだよ、中学生の時と身長も髪型も違うから!!」
和島幸平「確かにあの時の俺はチビだったし髪型もストパーかけて染めたから雰囲気は変わったかもね」
〇田舎の学校
中学生時代の幸平って確かこんな感じだった。
中学生時代の幸平とイメージが違いすぎて月とスッポン状態...
いや、顔は確かに整ってるからもっと垢抜けた方がいいんじゃないかと当時も思っていたけどここまでとは予想外
〇大教室
山田ソラ「おーい幸平!両手に花だな」
和島幸平「別にそういうのじゃないから」
山田ソラ「わりぃ〜からかいすぎた。なぁ、幸平は新入生の飲み会に参加するの?」
和島幸平「飲み会?」
山田ソラ「人いる方が盛り上がるから一年生を手当たり次第誘ってる!」
山田ソラ「ちなみに今日の19時集合な〜」
和島幸平「今日はバイト無いから行ってみようかな」
山田ソラ「参加サンキューな!」
山田ソラ「そちらの女子2人はどうする?」
鈴木民子「えっと」
鈴木友子「行く行く!私も民ちゃんも参加しまーす!!」
鈴木民子「えっ!?」
鈴木友子「いいじゃん〜楽しそうだし♪」
鈴木民子「まぁ...確かにそうだけど」
こうして成り行きで新入生の飲み会に参加することになった
〇大衆居酒屋
PM19時ー
飲み会に参加したけどやっぱり男子の割合が多めな気がする
でも私達以外の女子も参加していて少し安心した。
山田ソラ「みんな、席に着いた〜?音頭とりまーす!かんぱ〜い」
山田ソラ「飲み会だからジャンジャン飲んでくれよな!ノンアルだけど笑」
どうやらソラくんはみんなに慕われているようだった
隣の席はというと
モブ「和島くん、サラダよそってあげるね〜」
モブ「和島さんは文学部ですよね。私は理学部なんです。やっぱり本が好きなんですか?」
幸平はメチャクチャモテていた
このままじゃ友子悔しがっているんじゃ...って心配していたら
鈴木友子「キャハハ!ソラくん面白い〜!!」
会話を途中から聞いたから何故かよくわからなかったけど友子はソラくんと良い雰囲気になっていた。
なんだろう...この胸にポッカリ穴が空いた気分は
〇教室
和島幸平「あの...鈴木さんが読んでる本って「注文の多い料理店」だよね?」
鈴木民子「そうだけど?何」
和島幸平「この前も「銀河鉄道の夜」読んでいたよね...もしかして宮沢賢治好き?」
鈴木民子「うん、大好き。和島くんも宮沢賢治好きなんだね」
中学校時代のあの日から幸平と文学友達になった。
クラスメイト「和島ってさ。いまいちだしパッとしないよね」
クラスメイト「わかるわw地味だし話つまらないし」
当時の幸平は独特な雰囲気の少年だったからか正直クラスメイトからはバカにされていた。
私はそんなクラスメイトの事を軽蔑した目で見ていた。
幸平の事何もわからないくせに。
〇まっすぐの廊下
幸平はよく忘れ物をする隣のクラスの田中くんに教科書貸したり
理科の先生のポスターを貼る手伝いをしたり
後輩の相談にのってくれたり
とても優しかった。
〇大衆居酒屋
あ、そうか。
私は幸平が昔とガラリと変わってしまったから寂しいんだ。
鈴木民子「ごめん、私御手洗いに行くね」
鈴木友子「そうなの?いってらっしゃい」
〇廊下の曲がり角
私はトイレに行ってから少し落ち着いて席に戻ろうとした。
すると
酔っ払い「ヒック...アレ?まみちゃーん♡」
は?マミちゃん!?
というか誰この人?
酔っ払い「マミちゃーん...ヒック」
何この酔っ払い!勘違いして近寄ってくる!無理!!
和島幸平「大丈夫⁈」
幸平...どうしてここに!?
和島幸平「すみません、この子は俺のツレで人違いです。失礼します」
〇飲み屋街
幸平は私を連れ出して店の外の路地に出た。
和島幸平「...どうやら追って来ないようだね」
和島幸平「!?」
和島幸平「ごめん、俺が来るの遅かったから...」
鈴木民子「...違うよ。安心したから涙が出たんだよ。助けてくれてありがとう」
和島幸平「...どういたしまして」
和島幸平「もしも酔っ払いに絡まれたら困るし家まで送ろうか?」
鈴木民子「いや、いい...みんな幸平が居なくなると寂しがるから」
幸平と一緒に帰って変な噂話がでるの困るしなぁ...
和島幸平「...」
和島幸平「わかったよ。最寄駅まで行こっか」
和島幸平「ソラにも連絡しておいたから大丈夫」
鈴木民子「で、でも...」
和島幸平「「急に帰って場の雰囲気悪くなるんじゃ無いか」って心配するなよ〜大丈夫だから」
どうやら幸平には私が周りに気を遣っていた事はバレていたらしい
和島幸平「もし文句言う奴がいたら俺がガツンと言ってやるから!」
鈴木民子「えー、幸平が?」
和島幸平「言う時は言うよ!あっ争い事は苦手だけど」
なんだ...幸平は変わってなかった。
見た目がカッコ良くなっただけで昔と同じ優しかったままだ。
和島幸平「何笑ってるんだよ!?」
鈴木民子「別に〜」
何故だろう最寄駅までの10分の道のりが心が暖かった気がした。
全体の行動や台詞から幸平くんの優しさが滲み出ていて、とても心が温かくなる作品でした!これからの二人が非常に楽しみです!
素敵な物語、ありがとうございました!
気遣いできる男の子がうまく表現できてると思います!
かっこいい仕草よりも、そう言った優しさがキュンとするんですよね!
ヒロインの気持ちにすごく感情移入しちゃいました!
変わっちゃって寂しいって気持ちと、変わってなくて安心したっていう気持ち、すごくわかります🥰
民ちゃんは大学デビューする前から彼のいいところを知っていたんですね🥰💓