災難勇者

夏目心 KOKORONATSUME

5 誘惑(脚本)

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〇闇の要塞
  それからまた暫く。
アストレア「良ぉし!準備は万全!今度はあのトラップミストに掛かっても大丈夫!」
アストレア「サドラー、今度こそ首を貰うわよ!」

〇要塞の廊下
アストレア「・・・・・・」
アストレア「ん?この音、どこかで料理でもしてるのかしら?」
アストレア「ど、どうしよう・・・何かお腹減って来たかも・・・さっき食べたばかりなのに?」
アストレア「何だろう、逆らえない・・・」

〇魔王城の部屋
アストレア「こ、これは!」
アストレア「ど、どうしよう・・・私はサドラーを倒しに来たのに、こんな所で油を売ってる訳には」
アストレア「も、もう駄目!」

〇謁見の間
  一方。
ゴドム「サドラー様、取引先からこの様な物を頂きました」
サドラー「何だこれ?」
ゴドム「はい、北方の魔王様からの建設依頼だそうで・・・」
サドラー「・・・?まぁ良い、読むぜ・・・」
サドラー「・・・・・・」
サドラー「んな!マジかよ!?北の地域に遊園地を作って欲しいだって!?」
サドラー「しかも何だよこの報酬額・・・本気で言ってるのか?」
ゴドム「如何なさいます?遊園地となれば具体的な計画が必要ですし、」
ゴドム「一度サドラー様に見て頂こうと思いまして・・・」
サドラー「・・・んまぁここで疑っても仕方がねぇ」
サドラー「通信水晶を出してくれ・・・真偽を確かめたい・・・」
ゴドム「畏まりました!」
サドラー「ありがとう、さて、始めるか・・・」

〇魔王城の部屋
  一方、アストレアは。
アストレア「うぷ、流石に食べ過ぎて動けない・・・こんな分かり易い罠嵌まるだなんて情けない」
アストレア「でも物凄く美味しかった・・・文句の言いようが無かったわ・・・」
アストレア「あああ!こんなんで負けてられないわ!早く行かなきゃ!」

〇謁見の間
  所変わってサドラー。
サドラー「・・・ん、ん・・・成る程ね」
サドラー「良し分かった!交渉は成立だ!今から準備するから、また連絡するぜ!」
ゴドム「サドラー様、その様子ですと方針は決まりましたか?」
サドラー「あぁ、正式に依頼を受ける事にした・・・」
サドラー「お前ら、直ぐに準備しろ・・・暫くここには戻れなくなるぜ!」
ゴドム「畏まりました!直ちに各部署に通達します!」
サドラー「良ぉし!忙しくなるぜ!」

〇要塞の廊下
アストレア「うぷ、食べ過ぎたから気持ち悪い・・・こんなんでサドラーと」
アストレア「とてもじゃ無いけど戦えないわ・・・」
アストレア「え?」
幻影「パパ〜!ママ〜!どこ行っちゃったの〜!!」
アストレア「えぇ!?こ、子供!?何でこんな所に!?」
アストレア「って、これ良く見たら幻影じゃん・・・騙されちゃ駄目、早くサドラーの所に・・・」
幻影「うえ〜ん!お家に帰りたいよぉ!!」
アストレア「・・・・・・」
アストレア「あぁもう!」
アストレア「ねぇ君!もしかして迷子になっちゃったの!?」
幻影「あ、うん・・・パパとママがどうしても見つからなくて・・・」
アストレア「分かった!ならお姉ちゃんが一緒に捜して上げるから、もう泣かないで?」
幻影「う、うん・・・」
アストレア「・・・良い子ね、行きましょう・・・」
  3時間後。
幻影「あ!パパ!ママ!」
幻影「あぁ!やっと見つけた!」
幻影「もう!あれ程ママ達の近くにいなさいって言ったのに!本当に心配したのよ!」
幻影「うぅ、ごめんなさい、ごめんなさ〜い!」
幻影「うん、でも本当に無事で良かった・・・今度は気を付けような?」
アストレア「も、物凄く時間掛かっちゃった・・・と、取り合えずこれでサドラーの所に行ける・・・」
幻影「あ、あの!あなたが息子を見つけてくれたんですね!本当にありがとうございました!」
アストレア「あ、いえ、大した事じゃ無いので・・・」
幻影「お陰で助かりました!あの、良かったら何かお礼を・・・」
アストレア「あ、すみません、私急いでますので、それでは!」

〇謁見の間
アストレア「や、やっと着いた・・・」
サドラー「あん?また来たのか・・・てかどうした?随分ヘロヘロになってるが?」
アストレア「どうした・・・どうしたですって?」
アストレア「それもこれもあんたの所為でしょうが!」
アストレア「あの美味しい料理も、迷子の幻影も、あんたが仕掛けたんでしょ!?」
アストレア「お陰で無駄に体力使ったわよ!!」
サドラー「おうおうマジか!俺の所のシェフに用意させた飯美味かったか?」
サドラー「幻影とは言え泣いてるガキを放って置かなかった所はハッキリ言って感心したぜ!」
アストレア「あんたにそんな風に言われてもちっとも嬉しく無いわよ!料理は美味しかったけど、」
アストレア「幻影で泣いてる子供使うとか、あんた質悪過ぎでしょ!!」
サドラー「まぁそう言うな・・・俺にだって背負う物がある訳だからな・・・」
サドラー「それでどうするよ?そんなヘロヘロで俺とやろうってか?」
アストレア「・・・悔しいけど、こんなんじゃ結果は見えてるわ・・・」
アストレア「今日は出直すけど、次こそは覚えてなさいね?」
サドラー「おう、今日はもう休め・・・俺がワープで送ってやるからよ・・・」
アストレア「くう・・・」

〇洋館の廊下
ヴィダール「ぷは!ぷははははは!何だよそれ!サドラーさん面白過ぎだよ!」
ヴィダール「て言うかどうやったらそんな風に出来る訳!?斬新過ぎてもう・・・」
アリエス「ま、まぁそうよね・・・あたしも初めて聞いた時はもうね・・・」
ヴィダール「あはは、もうその勇者の人には悪いけどお笑いやってる様にしか見えない・・・」
ヴィダール「てかこんな事出来る魔王なんて、サドラーさん以外にいるのかって思っちゃうよ・・・」
アリエス「えぇ、あたしもそう思う・・・」
アリエス「それで極めつけはね・・・」

次のエピソード:6 最強の魔王

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