僕と半分ゾンビな妹は対話でゾンビを理解する。

薊未ヨクト(あざみよくと)

【3期】星の架け橋・迷子事件(脚本)

僕と半分ゾンビな妹は対話でゾンビを理解する。

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〇IMG_6196

〇山並み

〇山道
樺島 一心(かばしま いっしん)「夕方なのに夜みたいに暗いな・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「きゃっ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここね! 大丈夫か!?」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「おい! あとどれくらいなんだ?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「もう少しのはずです」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「ったく!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「なんでこんなところでゾンビが暴れんだよ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「暴れたわけじゃないですよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「子供のゾンビが橋の下に落ちそうなんです」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「落ちたらゾンビが可哀想とでも言うのかよ?」
樺島 ここね(かばしま ここね)「もう! 感じ悪いなぁ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「それもありますし、下には民家があるそうで」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「あの辺に民家なんてあったか?」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あ! 見えてきたよ!」

〇ボロボロの吊り橋
???「あんたたちが・・・ゾンビ課か?」
夜部 朔也(やべ さくや)「通報した夜部 朔也(やべ さくや)だけど」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ゾンビ課の樺島と言います」
夜部 朔也(やべ さくや)「あそこにいるゾンビを──」
夜部 朔也(やべ さくや)「とっとと連れて行ってくれ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「あそこ・・・?」
夜部 朔也(やべ さくや)「あっちだ! 橋を渡ったすぐ先の!」

〇山中の坂道

〇ボロボロの吊り橋
樺島 ここね(かばしま ここね)「近づかないと声は聞こえないね」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ウロウロしているようだが・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「橋の下に落ちそうな行為はしていないな?」
夜部 朔也(やべ さくや)「さっきまでは、橋の上をうろついていたんだ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「橋の下に民家・・・ないですよね?」
夜部 朔也(やべ さくや)「あー・・・勘違いだ申し訳ない」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「はぁ!? まじかよ!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「民間人に危険がないなら、帰るぞ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「時間かけてらんねーよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「尾ヶ崎さん! 待ってください」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「なんだよ?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「もしも状況が変わって何かあったら──」
樺島 一心(かばしま いっしん)「また戻ってくることになるんですよ?」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「うっ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「もっと状況を確認してから、判断しましょう」
樺島 ここね(かばしま ここね)「ゾンビが何を考えているかなら──」
樺島 ここね(かばしま ここね)「わたしに任せて」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「・・・チッ! 仕方ねーな」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さん」
樺島 一心(かばしま いっしん)「改めて、質問させてください」
樺島 一心(かばしま いっしん)「なぜ、ゾンビを連れ去ってほしいんですか?」
夜部 朔也(やべ さくや)「とにかく! じゃま・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「っ・・・じゃない・・・あのゾンビ──」
夜部 朔也(やべ さくや)「子供みたいだし、迷子でしょ?」
夜部 朔也(やべ さくや)「保護してあげれば良いだろ?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さんは、一刻も早くゾンビを連れ去ってほしいようですね」
樺島 一心(かばしま いっしん)「少し・・・怪しくないですか?」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「そうかぁ?」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あの子の話・・・早く聞きたいな」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さん」
夜部 朔也(やべ さくや)「なに」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さんの話だけでは、僕たちがどうするかは決められないんです」
樺島 一心(かばしま いっしん)「あの子から話を聞かないと」
夜部 朔也(やべ さくや)「なら橋を渡って、聞けばいいだろ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「橋を──」
樺島 ここね(かばしま ここね)「渡って──」
樺島 ここね(かばしま ここね)「高すぎて・・・足がすくんじゃうよぉ〜」
夜部 朔也(やべ さくや)「じゃあ──俺はこれで・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「待ってください」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さんには一緒に来ていただきます」
樺島 一心(かばしま いっしん)「このまま放っておくのは、嫌な予感がする」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「あ? なんか言ったか?」
夜部 朔也(やべ さくや)「一緒に行くのが嫌だと言ったら?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「あの子の対応をするには、夜部さんの協力が必要です」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「通報したのはお前だろ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「最低限の責任は果たせ」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・はぁ、わかった」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここねは、僕の後ろに続いてくれ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「うん」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「俺は一番後ろから行くぜ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「よし!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「腕を思いきり掴んでいいからな」
樺島 ここね(かばしま ここね)「わかった」
樺島 ここね(かばしま ここね)「風がっ!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「あっ! ・・・ぶねー!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「橋の上は余計に強いな」
夜部 朔也(やべ さくや)「くっ」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あ、フードが・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここにはよく来られるんですか?」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・まぁ、ここ最近は何度も」
樺島 一心(かばしま いっしん)「何度もですか」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・ソロキャンプで」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ソロキャンプにしては荷物が少ないですね?」
夜部 朔也(やべ さくや)「慣れただけだ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「お兄ちゃんくらい顔立ち整ってる人・・・ 初めて見たかも」
樺島 ここね(かばしま ここね)「でも・・・顔色が悪いような・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「もうすぐ渡り終わるな」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「やっとか!」

〇山中の坂道
樺島 ここね(かばしま ここね)「ついたー!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「・・・あの子がいないな」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あ! あそこ!」

〇山道
樺島 ここね(かばしま ここね)「もっと近づかないと、あの子から話聞けない」
樺島 一心(かばしま いっしん)「・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「お兄ちゃん! 尾ヶ崎さん!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「先にあの子の話聞いてくるね」
樺島 一心(かばしま いっしん)「すまない。助かるよ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「おぉ・・・頼んだぜ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さん、今回なぜ通報したのか・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「もう一度教えていただいても?」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・はぁー」
夜部 朔也(やべ さくや)「ソロキャンプに来たら、あのゾンビがここの辺りを騒がしくしてたから──」
夜部 朔也(やべ さくや)「対応してもらおうとしただけだ」
夜部 朔也(やべ さくや)「話を盛ったのは、まぁ・・・」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「おい! 話を盛ったって認めやがったぞ!」
夜部 朔也(やべ さくや)「申し訳ない」
樺島 一心(かばしま いっしん)(話の筋は通っているように見えるが・・・)
樺島 一心(かばしま いっしん)「なぜ、そんなに──」
夜部 朔也(やべ さくや)「なぁ! もう、いいだろ?」
夜部 朔也(やべ さくや)「俺がいる意味ないし、後のことは任せ──」
樺島 ここね(かばしま ここね)「お兄ちゃん!」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・っ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「ここね」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あの子から話聞けたよ!」
???「あー! うー! うー!」
ゾンビ「あーうー! あー!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「おわっ!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「急に隣は心臓に悪いな」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あのね! その子、双子を探してるんだって」
樺島 一心(かばしま いっしん)「双子を・・・?」
ゾンビ「あー! うー!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「今日ずっと探してるけど、見つからないって」
樺島 一心(かばしま いっしん)「それは・・・」
「双子?」
夜部 朔也(やべ さくや)「あんたたち、この辺の地理は詳しいのか?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「いや・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「全く・・・」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「しらねー」
夜部 朔也(やべ さくや)「はぁ・・・探すの手伝ってやるよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「いいんですか!」
夜部 朔也(やべ さくや)「天候も曇り、あと1時間で日も暮れる」
夜部 朔也(やべ さくや)「それに・・・この冬の寒さだ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「急がねーとマズイな」
樺島 一心(かばしま いっしん)「一刻も早く見つけ出しましょう!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「わたし、あの子から話たくさん聞くね!」
夜部 朔也(やべ さくや)「あのゾンビがうろついてた場所は、とにかくこの橋の周辺だったんだ」
夜部 朔也(やべ さくや)「橋の下も含めて探しまくるしかないな」

〇山中の川
樺島 一心(かばしま いっしん)「おーい!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「誰かいますかー!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「おーい!」
夜部 朔也(やべ さくや)「なんで、このゾンビは楽しそうにしてる?」
ゾンビ「あーーう──」
樺島 ここね(かばしま ここね)「この子、"双子""ぜったい見つけ出す“ってことしか話さなくて──」
樺島 ここね(かばしま ここね)「もしかしたら、かくれんぼと勘違いしてるのかも・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・そうか」

〇山の中
夜部 朔也(やべ さくや)「この辺で人が行きそうなところ・・・」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「・・・」

〇山中の川
ゾンビ「ううー!ああー!!」
夜部 朔也(やべ さくや)「くっ・・・いない」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さん・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「あんなに汗をかいて──」
樺島 ここね(かばしま ここね)「良い人そうだよね」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「おい、お人好しコンビ」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「人間なんて、そんな単純じゃねーよ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「単純じゃない・・・か・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「どこだ・・・」
ゾンビ「あー!」
夜部 朔也(やべ さくや)「探し出してやるからな」
ゾンビ「うー!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「この、なんとも言えない不安感はなんだ?」
夜部 朔也(やべ さくや)「樺島さん・・・だったよな?」
夜部 朔也(やべ さくや)「俺にも双子の妹がいるんだ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「双子の妹さんが!」
夜部 朔也(やべ さくや)「しばらく会えてないけど・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「会いに行こうとしていたところだったから」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「会いにいくのに、ソロキャンプかよ」
夜部 朔也(やべ さくや)「ここが一番・・・都合が良かったから」
樺島 一心(かばしま いっしん)(都合が良い? この場所が?)
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さん、なぜ──」
夜部 朔也(やべ さくや)「話し込むヒマなんかないだろ?」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・探そう」
樺島 一心(かばしま いっしん)「・・・」

〇キャンプテントの置かれた森
樺島 一心(かばしま いっしん)「ん? こんなところに──」
夜部 朔也(やべ さくや)「俺の・・・テントだ」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さん」
樺島 一心(かばしま いっしん)「妹さんの写真を──」
樺島 一心(かばしま いっしん)「見せてもらえますか?」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・」
樺島 ここね(かばしま ここね)「妹さん可愛い! 小さい頃の写真?」
夜部 朔也(やべ さくや)「早く会いたいんだ・・・今すぐにでも」
樺島 一心(かばしま いっしん)(あんなに、一人になりたがってたのは──)
樺島 一心(かばしま いっしん)「・・・夜部さん」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「貴方は・・・妹さんに会いに行っては駄目だ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「えっ? お兄ちゃん?」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「はぁ?」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・なんでだよ」
夜部 朔也(やべ さくや)「ずっと・・・ずっと会いたくて・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「やっと会えるっていうのに」
樺島 ここね(かばしま ここね)「どういうこと?」
???「あぁー!!!! うううー!!!!!!」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「なんだ!」

〇ボロボロの吊り橋
ゾンビ「あーーー!!!!」
ゾンビ「うー!!!!!!!!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「双子・・・見つけた・・・?」
夜部 朔也(やべ さくや)「は? どこにいるんだ?」
ゾンビ「あー!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「空・・・?」

〇空
夜部 朔也「流れ星・・・?」
樺島 一心「いつの間にか・・・晴れてましたね」
尾ヶ崎 ルイ「すげーな」
樺島 ここね「あ! また見れた!」
ゾンビ「あー!」

〇ボロボロの吊り橋
ゾンビ「あー! うー!」
夜部 朔也(やべ さくや)「いきなり袖引っ張ってなんだよ!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「”双子、見れたね、綺麗だね”」
樺島 ここね(かばしま ここね)「って言ってるよ」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・は?」
樺島 一心(かばしま いっしん)「双子・・・流れ星・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「そうか!」
樺島 一心(かばしま いっしん)「双子を探しているというのは──」
樺島 一心(かばしま いっしん)「双子座流星群のことだったんだな」
尾ヶ崎 ルイ(おがさき るい)「あー!? 人騒がせなヤツ!!」
ゾンビ「あー! うー!」
夜部 朔也(やべ さくや)「袖を! 引っ張るな!」
樺島 ここね(かばしま ここね)「”見れたの! うれしい! ありがとう!” って言ってる」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・っ!」
ゾンビ「あー?」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・っ・・・くっ」
樺島 一心(かばしま いっしん)「夜部さん・・・」
樺島 一心(かばしま いっしん)「一人で抱え込まないでください」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・なん・・・だよ・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「俺は今・・・誰とも共有したくない・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「俺だけの・・・想い出に浸ってるんだ」
夜部 朔也(やべ さくや)「俺と・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「とっくの昔に、病気で亡くなった妹・・・」
「・・・っっ!」
夜部 朔也(やべ さくや)「永茉(えま)との・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「会いたいんだ・・・今すぐにでも」
夜部 朔也(やべ さくや)「何度も、何度も、会いに行こうとしてた」
樺島 一心(かばしま いっしん)「・・・僕は貴方に生き続けて欲しい」
樺島 ここね(かばしま ここね)「わたしも・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・思い出したんだ」
夜部 朔也(やべ さくや)「”その子”の・・・おかげでな」
ゾンビ「あー! うー!」
夜部 朔也(やべ さくや)「なんで・・・忘れていたんだ」
夜部 朔也(やべ さくや)「永茉との約束・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「永茉は俺にこう言ったんだ──」

〇空
  10年前──

〇田舎の総合病院

〇田舎の病院の病室
夜部 朔也(10年前)「はぁ? 今なんて言った?」
夜部 永茉(やべ えま)「けほっ! ごほっ! そんなに怒ることー?」
夜部 永茉(やべ えま)「永茉が天国に行くことになったら──」
夜部 永茉(やべ えま)「お兄ちゃんのこと待ってるからねー」
夜部 永茉(やべ えま)「って言っただけなのに!」
夜部 朔也(10年前)「・・・っ! 縁起でもないこと言うなよ!」
夜部 永茉(やべ えま)「・・・ごめんね」
夜部 朔也(10年前)「どうせ、すぐ良くなる」
夜部 朔也(10年前)「ほら! 楽しいこと考えよう!」
夜部 朔也(10年前)「永茉は治ったら、何やりたい?」
夜部 永茉(やべ えま)「んー」
夜部 永茉(やべ えま)「前に一緒に流れ星見て、テンション上がった時あったでしょ?」
夜部 朔也(10年前)「あったな!」
夜部 永茉(やべ えま)「また・・・一緒に見てみたいな」
夜部 朔也(10年前)「おう! 何回でも見よう!」
  すぐ良くなると思ってたんだ
  でも──

〇田舎の総合病院
  どんどん痩せていく永茉の身体──

〇田舎の総合病院
  着実にあの日が近づいていって──

〇田舎の総合病院

〇田舎の病院の病室
夜部 永茉(やべ えま)「お兄・・・ちゃ・・・ん」
夜部 朔也(10年前)「永茉! 永茉! 今夜は流星群があるって!」
夜部 朔也(10年前)「一緒に・・・窓からでも良いから見よう!」
夜部 永茉(やべ えま)「みたい・・・」
夜部 朔也(10年前)「流れ星が見放題だぞ!」
夜部 永茉(やべ えま)「ごめ・・・んね・・・」
夜部 永茉(やべ えま)「目が・・・開けられな・・・くて・・・」
夜部 朔也(10年前)「・・・っ!」
夜部 永茉(やべ えま)「お兄ちゃ・・・ん」
夜部 永茉(やべ えま)「永茉は・・・やっ・・・ぱり・・・ お兄ちゃんを──」
夜部 永茉(やべ えま)「天国で・・・待ってる」
夜部 朔也(10年前)「そん──」
夜部 永茉(やべ えま)「お兄ちゃ・・・んには・・・」
夜部 永茉(やべ えま)「永茉・・・の代わりに・・・」
夜部 永茉(やべ えま)「たくさん・・・たくさん・・・色んなことを・・・見てきて欲しい・・・」
夜部 朔也(10年前)「嫌だ! 永茉と一緒が良い!」
夜部 永茉(やべ えま)「ふふ・・・永茉も・・・だよ」
夜部 朔也(10年前)「だったら! 一緒に!」
夜部 永茉(やべ えま)「お兄ちゃんが、生きて・・・感じて──」
夜部 永茉(やべ えま)「どんな風に過ごして・・・きたか・・・」
夜部 朔也(10年前)「いやだいやだ」
夜部 永茉(やべ えま)「想い出話を・・・たくさん・・・聞かせてね」
夜部 朔也(10年前)「聞きたくっ・・・」
夜部 永茉(やべ えま)「お兄ちゃん」
夜部 永茉(やべ えま)「楽しみに・・・してるから──」
夜部 永茉(やべ えま)「やくそ・・・く・・・だよ・・・」
夜部 永茉(やべ えま)「死ぬ・・・まで・・・・・・」
夜部 永茉(やべ えま)「生き続けて・・・ね・・・」
夜部 朔也(10年前)「永茉っ!」
  永茉は、そのまま目を覚まさずに──
  夜中に、天国に旅立ってしまった

〇IMG_6197

〇ボロボロの吊り橋
夜部 朔也(やべ さくや)「”想い出話を・・・沢山聞かせて”」
夜部 朔也(やべ さくや)「”死ぬまで・・・生き続けてね”って──」
夜部 朔也(やべ さくや)「約束は守らないと・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「天国にいる永茉に・・・顔向けできないよな」

〇空

〇ボロボロの吊り橋
夜部 朔也(やべ さくや)「思い出させてくれて・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・ありがとう」
「・・・くっ」
樺島 ここね(かばしま ここね)「あー! うー!」
ゾンビ「あー?」

〇空
ゾンビ「あー! うー!」

〇ボロボロの吊り橋
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・空ばっかり見てるな」
樺島 一心(かばしま いっしん)「流れ星に夢中ですね」
夜部 朔也(やべ さくや)「永茉にも・・・見せてあげたかったな」
夜部 朔也(やべ さくや)「あぁ・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「そうか・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「いつか・・・いつの日か・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「俺が・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「足元に気をつけろよ!」
夜部 朔也(やべ さくや)「・・・・・・」
夜部 朔也(やべ さくや)「ハハッ」

〇IMG_6665
夜部 朔也「想い出話・・・さっそく一つ増えたな」
ゾンビ「あー! うー!」

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〇空

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次のエピソード:【3期】ゾンビ許嫁暴走事件

コメント

  • こちらのタップノベル初めて読みました!面白かったです!!
    SEも凝ってて面白いです!
    続きが楽しみです!
    これからも応援してます!

  • 不審な言動の朔也が何か企んでいるのかと思ったら、亡くなった永茉との思い出で涙ぐんでしまいました……。😢

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