球~行き着く先は、世界の端~

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26 一縷(いちる)の希望(脚本)

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〇御殿の廊下
ミムレット「しかしなー」
  透明な壁を前に、頭を抱える二人。
ミムレット「壁を壊す。壊すのは分かってるんだよ」
ハパルム「問題は方法だよね」
ミムレット「試しに齧(かじ)ったけどダメだったし」
  ハパルムは、額に手を当てて首を振った。
ハパルム「ビックリしたよ、それは」
ハパルム「歯が欠けなくて良かったね」
  ミムレットは、床に大の字に寝転んだ。
ミムレット「もー!どうしろってんだよ!」
ハパルム「うう・・・ハランさんにもっと色々聞いとけば良かった」
ミムレット「考えるしかない」
ミムレット「ハランはここに居ないんだから」
  ミムレットは跳ね起きると、手近にあった石を掴んだ。
ミムレット「あーもう!」
  手当たり次第に物を投げてみる二人。
ハパルム「やっぱりダメかぁ」
ミムレット「ヴヴヴッ」
  ミムレットは、身に付けていた衣類を手に取り、透明な壁に投げつけた。
ハパルム「あっ、お行儀悪いよ──」
ミムレット「あれ?」
  衣類は、放物線を描いて、透明な壁の向こうへと落ちていった。
ハパルム「通った!」
ハパルム「そっか、ハランさんが言ってた」

〇要塞の回廊
ハラン「「球」は「生き物を閉じ込める」道具だ」

〇御殿の廊下
ハパルム「外から持ち込んだ「物」なら、壁を通る!」
ミムレット「でも、「物」が通ったからって、どうもならないぞ?」
ミムレット「結局、アタシたちは通れない」
ハパルム「うっ・・・確かに」
ハパルム「この辺りを見回りながら、情報を集めるしかなさそうですね」
ミムレット「・・・・・・」
  ミムレットは、組み紐をたぐり、父の形見の指輪を取り出した。
  そっと指に絡めると、壁へと押し当てた。
ミムレット「ははっ」
  壁に当たり、押し返された指輪を見て、ミムレットは詰めていた息を吐いた。
ミムレット「・・・やっぱり、弾かれたか」
ミムレット「拾い物だし、分かってはいたけど」
  ミムレットは指輪に額を擦り寄せた。
ミムレット「・・・父さん」
  指輪をしまい直そうとした指に、組み紐が触れた。
ミムレット「そうだ」
  今度は、ハランからもらった組み紐を、透明な壁に押し当てた。
ミムレット「大丈夫・・・大丈夫」
  組み紐は、先程の衣類と同様、弾かれることなく壁を抜けていく。
ミムレット「よかった──ん?」
  良く見ると、組み紐に通していた指輪も、壁に半分ほど埋まっている。
  そして──
ミムレット「壁の様子がさっきと違う」
ミムレット「ハパルム!戻ってこい!」

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