24 収監(脚本)
〇太子妃の御殿
鈴蘭(リンラン)「ずいぶんなご挨拶じゃないか」
シャラの一撃にも動じない女性。
シャラ「「あの女」は来ていないのか」
シャラ「不手際の張本人は」
鈴蘭(リンラン)「言うねぇ」
鈴蘭(リンラン)「減らず口は閉じるといい」
鈴蘭(リンラン)「誰が「球」を支えていると?」
シャラ「あの女だろ?」
鈴蘭(リンラン)「そうさ。 師姉(しし)が支えている」
シャラ「そんなことは、どうでもいい」
刀を構えるシャラに、鈴蘭が笑いかける。
鈴蘭(リンラン)「知ってるだろ?」
鈴蘭(リンラン)「抵抗は無駄だと」
鈴蘭は、袖口から道具を取り出した。
シャラ「どうして?」
鈴蘭(リンラン)「──この街は、私の支配下だ」
鈴蘭が道具を掲げたその時──
シャラ「知ってるよ」
ハパルムが襟首をつかまれ、盾にされた。
ハパルム「えっ?」
道具に吸い込まれてしまったハパルム。
すかさずミムレットが鈴蘭の背後を取ったが──
二人とも、鈴蘭の道具へと吸い込まれてしまった。
当の鈴蘭は、何事もなかったように道具を袖口へと戻した。
鈴蘭(リンラン)「おや?」
悠然(ゆうぜん)と、鈴蘭と並び立つ
シャラ。
鈴蘭(リンラン)「ずいぶん余裕だね」
鈴蘭(リンラン)「お連れさんが囚われたというのに」
シャラ「知らん」
シャラ「あれらは、ハランの連れだ」
鈴蘭は少しだけ俯いて、呟いた。
鈴蘭(リンラン)「そう、ハランの」
鈴蘭(リンラン)「それは・・・気の毒をしたわ」
シャラ「ほう?」
鈴蘭(リンラン)「一度入ったら・・・」
鈴蘭(リンラン)「中から道具を壊すしかないもの」
鈴蘭(リンラン)「出来るかしらね?」
シャラ「さあ?」
〇黒背景
ハパルム「ピャァァアアア!!」
ミムレット「ミギャャァアアア!?」
〇後宮の庭
ミムレット「痛っ」
ミムレットは、どうにか地面らしき場所へ着地した。
ミムレット「むっ」
ミムレット「ハパルム!」
放心状態のハパルムを見つけると、手のひらでチョンチョンと触った。
ハパルム「はっ」
ミムレット「良かった!気がついたか」
ハパルム「ここって・・・どこです?」
見渡す限り、見慣れない建物と庭園だった。
ミムレット「別の場所だな」
ハパルムは鼻を空に向けてから、首を振った。
ハパルム「さっきの場所と違う匂いがする」
ミムレット「ああ」
ミムレット「どこだ・・・ここ」
ミムレット「ん?」
空の揺らぎを目の端に捉えたミムレットが、天頂を見上げた。
ミムレット「揺らいでる?」
ハパルム「え?うん」
ハパルム「「球」だと、空が揺らぐよね?」
ミムレット「違う。いつもの感じじゃない」
ミムレット「ほら」
ミムレット「いつもより、空のてっぺんが歪んでる」
ハパルム「ほんとだ。ドームの中に居るみたい」
ミムレット「あいつ、変な石を持ってたな」
「あいつ」こと「鈴蘭」
二人は、鈴蘭が持っていた道具を思い浮かべた。
ミムレット「あの石に、閉じ込められた?」
ハパルム「「球」みたいな道具なのかも」
ミムレット「と、なると」
ミムレット「出方も「球」と一緒かもな」
ハパルム「この空間の「端を探し」て」
ハパルム「世界の端の「壁を壊す」?」
ミムレット「壁・・・が何か知らないけど」
ミムレット「揺らぎの強い方向へ行こう」
ミムレット「とにかく、ここから出たい」
ハパルム「うん」
〇御殿の廊下
ハパルム「揺らぎが強いところを探せば良いんですよね」
ハパルム「あイタ!」
何もない場所で、弾かれたように尻餅をついたハパルム。
ミムレット「見えないけど、何かある」
ハパルム「透明な・・・壁?」
ハパルム「ってことは、ここが端?」
ミムレット「わからない。でも──」
ミムレット「壊せば、いいんだろ?」
ミムレットは牙を剥いて、不敵に笑った。



ミムレットとハパムルが球(?)に閉じ込められた……!
果たして、2人は脱出出来るのか。