球~行き着く先は、世界の端~

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17 綻(ほころ)び(脚本)

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〇黒背景
  さむいよぅ
  おなかがすいたよぅ
  誰?
姉君「初めまして。貴女がハランね」
姉君「今日から私が、貴女の姉です」
姉君「よろしくね。師妹(しまい)」
  姉・・・師妹・・・
ハラン「姉君っ──」

〇要塞の回廊
  良い匂いに包まれて、ハランは目を開けた。
ハパルム「ハランさん、具合はどうですか?」
ハパルム「スープ、食べられそうですか?」
ハラン「いただくよ。ありがとう」
ミムレット「おかわり!」
ハパルム「ミムレット!肉ばっかり食べないの!」
  あの時の
  ミムレットの涙も
  ハパルムの寄り添いも
  ハランはそっと、柱の影から見ていた。
ハラン「やはり、眩しいよ」
ハラン「君たちは」
ハラン「ハパルム」
  ハランは、一巻きの組み紐をハパルムへ手渡した。
ハパルム「これは?」
ハラン「お守りだ」
ハラン「私の故郷では、命を守るお守りに「組み紐」を編むんだ」
ハラン「貰ってくれ」
ハパルム「良いんですか?」
ハパルム「ありがとうございま──あ」
ハパルム「これって」
ハパルム「私だけ貰うと、ミムレットが拗ねるのでは・・・?」
ハラン「ミムレットには、渡してある」
  夢中でスープを平らげているミムレット
  その胸には、父の指輪と、指輪を通したハランの組み紐が大事にしまわれていた。
ミムレット「ん?なんだ?」
  穏やかな微笑みをたたえた二人。
ミムレット「二人して何笑ってるんだ?」
ミムレット「なあったら」
「えへへ/ふふ」
ミムレット「何なんだよ、もう」

〇要塞の回廊
  食事を終え、人心地ついた一行だった。
ミムレット「それで?」
ハラン「なんだ?」
ミムレット「建物の入口で、呟いてたろ」

〇闇の要塞
ハラン「・・・しかし、これほどの綻びとはな」

〇要塞の回廊
ミムレット「綻びってなんだ?」
ハラン「「球」のことだ」
ハラン「「球」は、そう長くない」
ハパルム「長くないって」
ハラン「言葉通りだ。壊れる日が近い」
ミムレット「ん?じゃあさ」
ミムレット「アタシ達、「球」の端へ行かなくても良くない?」
  今の旅の目的は、「球」の端へ行き、球の壁を壊して外に出ることだ。
ハパルム「勝手に壊れてくれるなら、のんびり待っていても良いのでは?」
ハラン「街の近くでの新しい街の出現」
ハラン「モンスターの街への侵入」
ハラン「砂嵐に、雪に、オーロラ」
ハラン「最近、今までに無い変動が続いている」
ハラン「時が経つほどに」
ハラン「球の中は荒れるだろう」
ハラン「壊す前に、中の人間が全滅するかも知れない」
ハパルム「そっか」
ミムレット「こうしている間にも」
ミムレット「奪い合いでモンスターになってるかもな」
ハラン「そう、だから「球」の端を目指すことに変わりはない」
ハラン「私はな」
ハラン「ミムレット、ハパルム」
ハラン「住みやすい場所を見つけたら、残っても良いんだぞ?」
ハラン「私が壊すか、自壊するか。いずれにせよ、「球」が壊れる日は遠くない」
ミムレット「だから、それまでは好きに暮らせって?」
ミムレット「じゃあ付いていくさ。当然だろ?」
ハパルム「私も」
ハパルム「スープを美味しいって言ってくれるミムレットとハランに付いていきたい!」
ハパルム「それに、お兄ちゃんを弔うためにも、一緒に前に進みたい」
ハラン「そうか」
ハラン「・・・そうか」
ハラン「嬉しいな」
???「だったら壊れる前に決着を付けよう」
シャラ「見つけた」
シャラ「もう逃れられんぞ、ハラン」
ミムレット「なんだあいつ」
ハラン「二人とも、手を出すな」
ハラン「シャラ」
ハラン「二人で話をしよう」
シャラ「ふっ、望むところ」
  瞬く間に外へ飛び出した二人は、吹雪に飲まれて、消えた。
  ミムレットも、ハパルムも、あっという間の出来事に、ただ立ち尽くすばかりだった。

次のエピソード:18 逆鱗

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