球~行き着く先は、世界の端~

333×

18 逆鱗(脚本)

球~行き着く先は、世界の端~

333×

今すぐ読む

球~行き着く先は、世界の端~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇岩山
シャラ「話など必要ないだろう?ハラン」
シャラ「ここなら、邪魔者もいない」
  山肌に雲がぶつかって、辺りを真っ白に染め上げた。

〇霧の中
  雪と風で真っ白な視界。
  何処からともなく、シャラの声が聞こえる。
シャラ「さあ!力比べと行こうじゃないか」
シャラ「ああ、楽しみだ」
シャラ「なあ」
シャラ「ハラン!」

〇霧の中
ハラン「・・・・・・」
  視界の利かない状況で、正確にハランへ打ち込んでくるシャラ。
  シャラの斬撃を、流れるように弾くハラン。
ハラン「さすがに分が悪いか」
シャラ「何をふざけたことを」
シャラ「視界が利かない程度の状況で」
シャラ「お前が力を落とすわけがなかろうが!」

〇岩山
ハラン「うっ・・・寒いな」
  雲を抜けたハランは、剣を構え直した。
ハラン「いい加減、諦めたらどうだ?」
シャラ「ふっ、こんな楽しい力比べを、やめろと?」
シャラ「だが、いささか精彩に欠けるな」
シャラ「何をためらう?何を考えている?」
シャラ「姉君か」
  ハランは、表情こそ崩さなかったが、柄を握る手に力がこもった。
シャラ「あの女か!お前を腑抜けにしたのは」
シャラ「ちっ」
シャラ「どこまでも邪魔くさい女だ」
ハラン「無礼だぞ、シャラ」
シャラ「正鵠(せいこく)だろうが」
シャラ「あの女は、お前を縛っている」
シャラ「こんな無様な世界を彷徨(さまよ)う原因だろう?」
シャラ「神様気取りで、こんな場所を作ったのだから!」
ハラン「今、何と言った」
シャラ「正義ごっこはやめろ」
シャラ「壊れるものは壊れる。 零れるものは零れる」
シャラ「それを閉じ込め、歪めてまで生き長らえさせるから」
シャラ「こんなモンスターだらけの死地に仕上がる」
シャラ「あの女こそが、この地獄の張本人だろう」
シャラ「なぜお前が尻拭いをする? なぜお前まで囚われている?」
シャラ「目を覚ませ、ハラン!」
シャラ「こんな地獄を作った女に、追従するな」
ハラン「地獄──」

〇御殿の廊下
姉君「これはね、ハラン。 寄る辺の無い人々を助けるためのモノ」
姉君「そうなるよう、願うわ」

〇魔界
モンスター「グオオオ」
ミムレット「シャァァア!!」

〇中東の街
ハパルム「うわぁぁぁあ!!」

〇黒背景
  寒いよう
  お腹空いたよう
姉君「ほら、おいで」
姉君「私の可愛い妹」
ハラン「駄目だ」
ハラン「私は、そちらには行けない」
ハラン「貴女の理想は美しい。けれど」
ハラン「球(ここ)は・・・」
ハラン「だから私は「球」を壊すのです」
ハラン「だから姉君、私は──」

〇岩山
  ハランは大きく目を見開き、唇を噛んだ。
  直後、剣を握り直し、シャラへ迫った。
ハラン「お前に──」
ハラン「お前に何が分かる!!」
  黒髪が、雷鳴のような圧を纏って翻った。
  閃くような斬撃が、シャラの髪を掠めた。
  矢継ぎ早の猛攻を、全て受けきったシャラ。
シャラ「ハッ、急に畳むじゃないか」
シャラ「いいぞ、もっとだ!ハラン!」
シャラ「やっと乗ってきたな!」
シャラ「それでこそ、お前はっ──」
  その時、地響きがした。

〇雪山

〇霧の中
シャラ(雪崩かっ)
シャラ「ちっ」
  二人は一瞬にして、駆け下る雪の波に飲まれた。

ページTOPへ