球~行き着く先は、世界の端~

333×

30 落着(脚本)

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〇御殿の廊下
鈴蘭(リンラン)「お帰り」
ミムレット「何なんだ、あの光は?!」
ハパルム「何が起こっているんですか?」
鈴蘭(リンラン)「まあ見てな」
鈴蘭(リンラン)「特大の雷を落としてやる」

〇後宮の庭
  巨大な光の陣は、戦う二人の目にも映っていた。
シャラ「鈴蘭か」
ハラン「他に誰がいる」
シャラ「名残惜しいが、これまでかな」
ハラン「そうだな」
  地鳴りと共に、辺りの小石が浮き上がった。
シャラ「──来たな」
  陣から、おびただしい「光の矢」がせり出すのを見上げて、ハランは笑った。
ハラン「さて、捌ききれるかな?」
シャラ「ばかばかしい」
  二人は共に剣の柄を握り直した。

〇御殿の廊下
ハパルム「ハランさん!」
ミムレット「どうなった?」
  ミムレットとハパルムは、窓枠を掴んで身を乗り出した。
鈴蘭(リンラン)「どうやら、おさまったみたいだ」

〇後宮の庭
  鈴蘭は、庭に向かって声をかけた。
鈴蘭(リンラン)「気は済んだかい?」
  ハランとシャラが、同時に顔を向けた。
  二人とも傷ひとつ無く、庭にたたずんでいた。
ハラン「ああ」
鈴蘭(リンラン)「そちらさんは?」
シャラ「多少物足りないが」
シャラ「せっかく舞台を貸してくれたんだ」
シャラ「ここは貴女の顔を立てるとしよう」
鈴蘭(リンラン)「それは良かった」
  言葉を交わす三人を前に、ミムレットとハパルムは困惑した。
ハパルム「何が、どうなって?」
ミムレット「あ、あいつら普通に話してるぞ?」
鈴蘭(リンラン)「そこの二人もおいで」
鈴蘭(リンラン)「身の上話をしようじゃないか」

〇屋敷の一室
  ハラン達を集めて、団子を振る舞う鈴蘭。
「・・・・・・」
(き、気まずい)
  二人の視線を知ってか知らずか、シャラは皿に盛られた団子を指し示した。
シャラ「食わんのか?」
シャラ「うまいぞ?」
ハパルム「あ、は、はい!いただきます!」
ミムレット「敵に勧められたもんなんか、食えるかっ」
シャラ「出したのは、私じゃない」
鈴蘭(リンラン)「口に合わなかったかい」
ハパルム「い、いえ!」
  ハパルムはミムレットに身を寄せると、声をひそめた。
ハパルム「何でさも当然のように、あの人がいるんです?」
ミムレット「すぐ剣を抜いてくるやつなのにな」
シャラ「聞こえているぞ、猫人」
  縦に飛び上がるハパルムと、唸るミムレット。
シャラ「履き違えているようだが・・・」
シャラ「私は、ハランと「力比べ」をしたいのであって、「殺し合い」をしたい訳じゃない」
シャラ「でなければ、モンスター化なんて罰則のある「球」でわざわざ戦うものか」
ハパルム「い、言われてみれば」
ミムレット「まあ、話の筋は通ってるな」
  笑ってシャラとの間に入る鈴蘭。
鈴蘭(リンラン)「なんだい、シャラのこと、知らないのかい?」
ミムレット「知らない、あんなやつ」
ハパルム「私達、ハランさんの二つ名も初めて聞きました」
ハパルム「雷霆(らいてい)でしたっけ」
鈴蘭(リンラン)「説明するね」
鈴蘭(リンラン)「シャラは、同盟を組んでる他派の出身で、ハランとは武術の腕を競い合う仲だったの」
ハパルム「ハランさんと競う・・・」
鈴蘭(リンラン)「一時の戦乱の折には、国へ仕えて将軍として肩を並べてたわね」
ミムレット「しょ、将軍?」
鈴蘭(リンラン)「その時の戦いぶりから付いた二つ名が「撃滅のシャラ」と「雷霆ハラン」ね」
ハパルム「静かなハランさんに戻ってくれて良かった・・・」
シャラ「はあ・・・まあいい」
シャラ「それで、どうするんだ。ハラン」
シャラ「球(ここ)を壊すなら、さっさとやってとっとと出るぞ?」
ハラン「そうだな」
ハラン「もう少し、寄りたい所がある」
ハラン「ミムレットとハパルムと、もう少し旅をしたいしな」
シャラ「ならば私も付いていこう」
ハラン「それは駄目だ」
ハラン「ミムレットとハパルムが、怖がる」
  シャラは、ハランの言葉に一瞬戸惑い、直ぐに笑いだした。
シャラ「──っは」
シャラ「ははははっ!それは一大事だ!」
ミムレット「おい!怖くない!」
ハパルム「私は怖いです・・・」
  鈴蘭は、変わらぬ笑みで四人を眺めた。
  眺めながら、四人に向かって語りかけた。静かに、しかしはっきりと。
鈴蘭(リンラン)「「球」は、壊させないよ?」

コメント

  • 特大の雷を落とされて争いをやめる
    やっぱり姉さんは怖いんですかね💦
    球を壊してはいけない理由があるのかな?
    球の秘密がそろそろ明らかに・・・

  • ハランとシャラの戦いは収束したもの。
    ラストの鈴蘭の発言、非常に気になりますね……。
    球を壊されたら何か不都合があるというのでしょうか?🤔

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