4 探索(脚本)
〇闇の要塞
ミムレット「お前の目的は、壁に行くこと?」
ハラン「それもある」
ミムレット(煮えきらないな)
ハラン「一番は、人と出会うことだ」
ミムレットの耳がピンと立つ
ハランは、飛び出してきたモンスターを
一太刀で切り捨てた
倒れたモンスターは、泡のように分裂し、地面に溶けて消えた。
ミムレット(慌てる素振りも無し、か)
ミムレット「それが、お前の武器?」
ハランは剣を軽く持ち上げて見せた。
ハラン「ああ」
ハラン「『猫人』はあまり武器に頼らないな」
ミムレット「当然だ」
ミムレット「身軽が一番強い」
剣を納めたハランは、背後の建物を指差した
ハラン「この建物に寄ってもいいかな?」
ミムレット「建物って」
ミムレット「死角が多い場所で、襲われたらどうするんだ」
ハラン「大丈夫」
ハラン「モンスターは、滅多に街には居ない」
その言葉に、ミムレットは低く唸った
ミムレット「いるよ!」
ミムレット「街をねぐらにしようとしたら、モンスターが飛び出してきたんだから!」
ミムレットは、面白くなさそうに、つんと鼻先を上げた
ミムレット「だから、外で寝てたんだよ」
ハラン「倒したか」
ミムレット「もちろん、倒した」
ハランは、わずかに視線を落として、先ほどのモンスターの残滓(ざんし)を見た
ハラン「なら、もう居ないだろう」
ミムレット「あ、おい!」
ミムレット「その自信はどこから来るんだ」
遠巻きに集まってきたモンスターを見て、ミムレットも建物へと入った。
〇要塞の廊下
ハラン「来たか」
ミムレット「うるさいな」
ミムレット「モンスターが、うっとうしかっただけ!」
〇要塞の回廊
建物から建物へ、探索するハラン
黒髪の後を、銀髪が追いかける
ミムレット「なにか探してるの?」
ハラン「いや?」
ミムレット「じゃあ何で歩き回ってる?」
ハラン「君みたいな人が、居るかもしれない」
ミムレット「居ないよ、ここ」
ミムレット「食べ物とかは落ちてるけど」
ミムレット「あ!」
ミムレットが建物の扉を開ける
部屋に落ちていたのは、指輪だった
ミムレット「無事だったんだ!よかった~」
ハラン「失せ物か」
ミムレット「もしかしたら、在るかもって」
ミムレット「ここ、ずっと昔に住んでた街とそっくり だから」
ハランは、指輪を見つけて喜ぶミムレットを置いて、窓辺へ寄った。
ハラン「そうか」
ハラン「これは『君の故郷』か」
窓枠へ置いた手が、外の街並みを撫でた
ミムレット「?」
〇要塞の廊下
ミムレット「お前、「球」に詳しいんだな」
ミムレット「どうして色々知ってる? さっきの「故郷」って、何の話?」
ハラン「「球」の中は、あらかた見て回ったからな」
ハラン「知識も付くさ」
ハラン「さて、君はどうする?」
ミムレット「どうするって」
ハラン「やはり、ココにとどまるか?」
ミムレット「私は・・・」
ハラン「決めあぐねているのなら」
ハラン「一緒に行こう」
ミムレットは身構えたまま、動かなかった。
この人間は、信用できるのか?
本当に?
ミムレット(でも、確かなことがある)
ミムレットの耳が低く下がった。
ミムレット「お前、強いだろう?」
ハラン「君よりはな」
ミムレット「なら」
ミムレットの素早い一撃を、ヒラリとかわしたハラン
ハラン「どうした」
ミムレット「・・・その身のこなし、教えろ」
ハラン「かまわない」
ハラン「その代わり、私の話を聞いてくれ」
ハラン「この場所『球』のことを」
ミムレット「良いだろう。聞いてやる」
〇荒廃した市街地
影「また」
猫人の少女「・・・誰か、来たの?」


