【第二話】得する人?損する人?(脚本)
〇異世界のオフィスフロア
夕暮れ時、正男はデスクに座り、パソコンで黙々と仕事をしている
正男「今日は華の金曜だし、帰ってゆっくりビールでも飲もう! 定時までには終わりそうだ!」
キンコンカンコンと、17時を知らせるチャイムが鳴った
フミ子「こんなに沢山出来るわけないじゃない! 私は自分の仕事で精一杯なの!」
どうやら後ろの席のフミ子さんが、追加で仕事を頼まれ、出来ないと怒っているみたいだ
フミ子「今日は無理しすぎたみたいで疲れてるから、他の人に頼んでちょうだい」
フミ子さんは長年この会社に努めている人だが、自分の仕事以外は一切やらない
そして案の定、前の席に座っている正男が仕事を頼まれた
正男は頼まれた仕事は断れない性格だ
正男「うわぁ、せっかく定時で帰れると思ったのに。結局いつも俺が残業する事になるんだよな」
正男「俺は何で断れない性格なんだ、それに比べフミ子さんは何の罪悪感も感じない人だ」
職場内を見渡すと、金曜日だからかほとんどの人が帰って行った
正男「今日は俺一人だけ残業か・・・ 違う!・・・直美さんもいる!?」
正男「直美さんもよく残業をしているけど、金曜日だっていうのに帰らないのかな?」
直美さんは周りも気にかけず黙々と仕事をこなしている
正男「それにしても直美さんって何処から見ても綺麗だよな。 何で達也とデートなんか・・・」
しばらく直美さんを見つめていると、視線を感じたのか、チラッと正男のほうを見た
直美「・・・」
冷たい目線で正男を見てすぐに逸らした。
そして、そそくさと帰宅して行った
正男「あっ、直美さん・・・ ずっと見ているのがバレた、どうしよう・・・また怒らせたかな」
〇オフィスのフロア
フミ子さんが部長に呼び出され、コソコソと何かを喋っている
正男「何の話をしてるんだろう?」
フミ子さんは部長との話を終え、自分のデスクに戻ってきた
フミ子「あー忙しい、早く仕事を終わらせないと」
正男「フミ子さん、また忙しいフリをしているよ。俺の半分も仕事してないっていうのに」
相変わらず正男は頼まれた仕事を断れず、今日は三人分の仕事をしないといけなくなった
正男「はぁ、今日も残業決定だ、さすがに三人分の仕事は無理だぞ。 フミ子さんはいいなー」
達也「おい正男、今日合コン行こうぜ」
正男「今日も残業しないといけないから無理だよ」
達也「チェッ、つまんない奴だな。残業くらい断れよ」
正男「もう引き受けたし、今更断るのは・・・」
達也「仕事なんて適当にやっとけばいいんだよ、どうせ人の仕事だろ?」
正男「そうだけど、仕事はちゃんとやらないと・・・」
達也「お前人生損してるぞ!?俺は仕事は適当、女遊びは全力で楽しんでるぞ」
正男「・・・」
達也「俺は人生楽しくてしょうがないよ。 おまえの人生はしょうもないな。アハハ」
正男は達也に返す言葉がなかった
正男「あっ、達也そういえばデー・・・ いや、何でもない」
達也「何だよ、変な奴だな」
正男は、達也に直美さんとのデートの事を聞こうと思ったが、聞くのを辞めた
〇異世界のオフィスフロア
キンコンカンコンと17時のチャイムが鳴ったが、正男の仕事は半分も終わっていない
正男「マズイ、どうしよう・・・このままでは今日中に仕事を終わらせる事が出来ないぞ」
フミ子「ふぅー今日も忙しかったわ。でも丁度、定時までに終わったから良かった。さぁ帰ろう」
正男「あのーフミ子さん・・・申し訳ないんですが・・・仕事手伝ってもらえませんか?」
フミ子「えっ、何で私が!? 他の人に頼んでちょうだい!」
正男「他の人も忙しそうなので、フミ子さんにしか頼めなくて・・・」
フミ子「わっ私が暇そうに見える?急いで定時までに仕事を終わらせたの!忙しかったんだから」
フミ子「あなたは定時まで何をやっていたの? まさかサボっていたんじゃないでしょうね?」
正男「いや、俺は他の人から仕事を頼まれて・・・ でもフミ子さんはいつも定時で帰ってて」
フミ子「わっ、私は自分の仕事は終わらせてるの!あなたが勝手に仕事を引き受けたんでしょ!」
正男「そうですけど・・・皆協力して残業していますし、たまにはフミ子さんも協力を・・・」
フミ子「あなた何様なの!?私は長年この会社に貢献しているの!」
フミ子「さっき部長から昇格も伝えられたわ。 あなたが私に指図しないでくれる?」
正男「昇格!?さっきコソコソ部長と話していたのはその事だったんだ・・・」
フミ子「何をブツブツ言ってるの? あなたの事覚えておくわ、部長に報告しとくから」
正男「えっ!?それはちょっと・・・ あっ、フミ子さん待って・・・」
フミ子さんは怒って帰って行った
正男「うわあー最悪だ、ちょっと意見を言っただけじゃないか。 部長に報告するなんて・・・」
正男「ちくしょうー、時間も無駄にしてしまったし、早く仕事に取り掛からないと」
時間が経つにつれて、一人二人と帰って行き、職場内には正男しかいなくなった
正男「どうしよう、まだまだ仕事が残っている、間に合わない! なんでいつも俺はこうなんだ」
正男「仕事の協力もしないフミ子さんが昇格?給料が上がる?ふざけるな!何が昇格だよ!」
正男「俺は合コンで誰にも相手にされず、直美さんにも嫌われ、こんな見た目だからなのか?」
正男「どうして俺は損する事ばかりなんだ!全部俺が悪いのか?世の中どうなってるんだー」
正男は今までの不満を吐き出し、そして大声で泣き叫んだ
正男「うぅー、ヒック・・・俺は・・・ヒックヒック・・・どうして・・・こんな人生・・・」
正男の声が職場内に鳴り響いている。
すると、後ろからコツコツと足音が聞こえてきた
正男「えっ!?直美さん・・・いつから・・・」
直美さんが鬼の形相で正男の元に向かってきた
正男「すっ、すいません」
直美「ちょっとあなた!いい加減にしてくれない!?」
直美さんが凄く怒っている。
正男は何を言われるか分からず、ただ俯くしかなかった
果たして直美さんは何故怒っているのか・・・



人生踏んだり蹴ったりで
サラリーマンの悲哀がこもってますね!!
とても実感のこもったリアルな話だと思いました。
リアルに人間が描けるって素晴らしいですね😃
私は毎年クリスマスネタを書いてまして、
リアルではないですが
先日もサンタ話を書きました。よかったら見てください😁