9 別離(脚本)
〇闇の闘技場
悪徳急便の状況を知らない俺達はこの日、ゲーセンに遊びに行っていたのだった。
水島賢治「ったく!諦め悪いなぁ!」
朝比奈梨々香「それはこっちの台詞!今度こそあたしが勝って、賢治のお金返すからね!」
〇ゲームセンター
朝比奈梨々香「あぁ!時間切れとライフ僅差で負けたぁ・・・!」
水島賢治「あぁ!危なかったぁ!」
朝比奈梨々香「賢治、もう1回勝負してよぉ・・・このままにされてちゃ気分良く帰れないよぉ・・・」
水島賢治「たく、前から言ってるだろ?負い目感じてるなら仕事で返してくれって・・・」
朝比奈梨々香「それじゃあたしの気が収まらないわよ!今度はガンシューティングで勝負して!」
朝比奈梨々香「絶対あたしが勝つから!!」
水島賢治「たく、しょうがねぇなぁ・・・後1回だけだからな?」
水島賢治「あ、電話だ・・・」
朝比奈梨々香「何か分からないけど出て良いよ?変な奴だったら切れば良いし・・・」
水島賢治「あぁ、すまねぇ・・・」
水島賢治「もしもし?どちら様で?」
スマホ「あぁ!出てくれたか!水島君!私だ!竹内だ!」
水島賢治「え!竹内さん!?急にどうしたんです!?」
スマホ「折行って話したい事がある!」
水島賢治「え?」
それから俺達は、竹内さんの話を聞いてゲーセンから出るのだった。
〇オフィスビル前の道
数分後。
〇地下駐車場
水島賢治「さて、到着したは良い物の、竹内さんはどこに・・・」
竹内シズル「あぁ!お前達!来てくれたのか!?」
水島賢治「・・・お久し振りです、竹内さん・・・」
朝比奈梨々香「大凡の察しは着きますが、あたし達を呼んだのって・・・」
竹内シズル「・・・!そうだ!もう一度君達の力を貸して欲しい!内に戻って来てくれ!」
竹内シズル「知っての通りだが、最近内は上手く行っていない!荷物は届き切れないし」
竹内シズル「ミスもクレームも減らない!内部からも我々の信用はガタ落ちだ!」
竹内シズル「だけどお前達はそれらの事が極端に少ない!君達なら」
竹内シズル「これから入るであろう新入りに取って良い見本になる!だから!」
朝比奈梨々香「・・・全くそんな事だろうと思いましたよ・・・あなた方も」
朝比奈梨々香「もっと頑張れば良い話じゃ無いですか・・・」
朝比奈梨々香「都合が悪くなればあたし達に頼るとか、何考えてんのよ・・・」
水島賢治「あの、俺が辞めた後、新しい人は入りましたか?」
竹内シズル「入った・・・が、辞めてしまった・・・」
朝比奈梨々香「・・・それであたし達に頼るだなんて世話無いですね・・・」
竹内シズル「恥は承知だ!頼む!お前達が必要なんだ!」
朝比奈梨々香「お断りします・・・」
竹内シズル「な、何故だ!?今まで以上に待遇は良くする!だから!」
朝比奈梨々香「待遇とか、お金とかそんなんじゃありません!」
朝比奈梨々香「あたし達は、あなた達のやり方に不満を持ってたんですよ!?」
竹内シズル「んな!?」
朝比奈梨々香「あたし達が必死に稼いだお金で自分達だけが良い思いをして、」
朝比奈梨々香「困ってる下の人達に対しては困ってるのに何もしてくれない・・・」
朝比奈梨々香「余りにも陰湿過ぎます!あたし達の事何だと思ってるんです!?」
朝比奈梨々香「あなた達はあたし達の事、お金稼ぎのロボットとしか思われて無かったって事ですよ!?」
竹内シズル「言いたい事は分かる・・・だけどな・・・」
水島賢治「梨々香、もう良い・・・」
朝比奈梨々香「賢治!?分かってるの!?こいつらはあたし達の事!」
水島賢治「もうこの人達がどうなろうと関係ねぇよ・・・世話になったってのは」
水島賢治「本当だからな・・・でも俺どの道竹内さん達とまたやるつもり無いぜ・・・」
竹内シズル「・・・昔あれだけ可愛がってやったと言うのにか?」
水島賢治「戻れませんよ・・・だって俺、」
水島賢治「竹内さん達を裏切ったんですから・・・」
竹内シズル「は?どう言う事だ?」
水島賢治「俺、ずっと竹内さんに相談したい事がありましたし、聞きたい事もありました・・・」
水島賢治「でも、いつになっても何も言ってくれないし、責めて一言位返して欲しいって」
水島賢治「何度も思いました・・・それを続けてる内に俺、」
水島賢治「目の前の問題を全て自分の力だけで解決する事が、」
水島賢治「どれだけ重要なのか良く分かったんです・・・確かに杜若社長と竹内さんの考えは」
水島賢治「ムカつきましたが、それのお陰で今の俺が在るんです・・・」
水島賢治「恨みはしますが、感謝だってしてるんです・・・」
竹内シズル「水島、お前・・・」
水島賢治「竹内さん、仮に俺が戻ったとしても、悪徳急便に取って」
水島賢治「プラスになるとは思えません・・・一度裏切った人間が何の見本になります?」
水島賢治「反面教師にしかなりませんよ・・・それこそ、」
水島賢治「今よりもっと信用を落とす事になると思います・・・」
水島賢治「俺、自分のやった事に後悔はしてません・・・寧ろ、」
水島賢治「やりたいと思わせてくれたのは竹内さん達です・・・」
竹内シズル「水島・・・」
杜若拓朗「何だ?随分騒がしい様だが?」
竹内シズル「杜若!何でお前がここに!?」
杜若拓朗「倉庫に戻ったらお前の姿が見えなくてな・・・もしかすると思って」
杜若拓朗「ここへ来た・・・お前に最後の仕事を頼みたい・・・」
竹内シズル「・・・?最後の仕事?」
杜若拓朗「あぁ、各職員に伝達してくれ・・・本日付けで我々の支社を解散するとな・・・」
竹内シズル「んな!か、解散だってぇ!?」
竹内シズル「杜若!考え直せ!俺達がここまでこれたのは!」
杜若拓朗「私とお前、そして頑張ってくれた皆のお陰だ・・・」
竹内シズル「杜若!?」
杜若拓朗「寧ろこんな時だからこそだ・・・私はもう、こんなやり方で」
杜若拓朗「幸せになろうとは思わん・・・桑原の言っていた事を実践して見ようと思う・・・」
竹内シズル「杜若・・・そんな事をすれば・・・」
杜若拓朗「竹内、今の私に迷いは無い・・・お前も下らんプライドを捨てれば」
杜若拓朗「見えてくる物もあるだろう・・・」
竹内シズル「う!くぅ!!俺は、俺はこんな所で!!!」
杜若拓朗「これは終わりでは無い・・・寧ろ始まりだ・・・」
杜若拓朗「決して楽な道では無いがな・・・」
杜若拓朗「君達!」
水島賢治「は、はい!杜若さん!」
杜若拓朗「今私が言った事は本当だ・・・後の事は私に任せたまえ・・・」
朝比奈梨々香「・・・杜若さんは本当にそれで良いのですか?」
朝比奈梨々香「あたしが言うのも難ですが・・・」
杜若拓朗「私は自分達の状況に胡座をかいていた・・・当然の報いが来たと思えば良い・・・」
杜若拓朗「この状況を改善しなかったのは紛れも無く私だ・・・君達には迷惑を掛けた・・・」
水島賢治「いえ、迷惑だなんてそんな・・・」
杜若拓朗「ここから先は何も気にしなくて良い・・・君達が今の自分に納得しているなら、」
杜若拓朗「必ず最後まで突き通せ、良いな?」
朝比奈梨々香「・・・はい・・・」
杜若拓朗「では、さらばだ・・・」
水島賢治「・・・これで、良かったんだよな・・・」
朝比奈梨々香「あんたがそれ言う?最初に動いたのは賢治でしょ?」
水島賢治「あ、あぁ、そうだけどよ・・・あの人達、大丈夫かなって・・・」
朝比奈梨々香「さっきの杜若さん見たでしょ?なら心配要らないわ・・・それと、」
水島賢治「ん?何だよ?」
朝比奈梨々香「あんたはさっき、自分だけで解決する事が大事って言ってたけどさ・・・」
朝比奈梨々香「これからは、あたしもいるからね?だから全部1人でやろうとしないで・・・」
水島賢治「梨々香、お前・・・」
竹内シズル「ひっく・・・!ひっく・・・!」
水島賢治「あ、あの、竹内さん・・・」
朝比奈梨々香「賢治、今はそっとしといて上げましょう?」
水島賢治「・・・分かった・・・」


