仕事人の憂鬱

夏目心 KOKORONATSUME

6 賢治訪問(脚本)

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〇女の子の一人部屋
  俺が悪徳急便を去ってから3ヶ月。
朝比奈梨々香「う、う〜ん・・・もう朝か・・・」
朝比奈梨々香「折角の休みなのに何か素直に喜べないわね・・・お買い物するにしても、」
朝比奈梨々香「やったらやったで後が辛いし・・・」
荒垣愛美「あ!梨々香ちゃんお早う!これ見てこれ!」
朝比奈梨々香「えぇ・・・ちょっと愛美、人の部屋に入るならノック位しなさいって何度も・・・」
荒垣愛美「へへへ!じゃじゃーん!」
朝比奈梨々香「え?何その杖?」
荒垣愛美「昨日の夕方にママに買って貰ったの!梨々香ちゃんも知ってるでしょ?」
荒垣愛美「魔法使いナツキュアの魔法の杖だよ!」
朝比奈梨々香「ナツキュア?あぁ、時折CMで見たわね・・・でも良くママが許したわね?」
荒垣愛美「そうなの!昨日梨々香ちゃんがいない時にね、ママの昔のお友達のお兄ちゃんがね、」
荒垣愛美「仕送りってのをママに渡しに来てくれたから買って貰えたんだ!」
朝比奈梨々香「ママの知り合い?お兄ちゃん?そんな人がここに来たの?」
荒垣愛美「うん!背は梨々香ちゃんと同じ位で、ママとすっごく仲良かったんだ!」
朝比奈梨々香「え?あたしとお姉ちゃんの知り合いにそんな人・・・」
朝比奈梨々香「あ!!」

〇アパートの玄関前
水島賢治「3ヶ月、3ヶ月だけ待っててくれ!それが出来れば今度こそちゃんとやれるんだ!」

〇女の子の一人部屋
朝比奈梨々香「す、すっかり忘れてた!あれからもう3ヶ月じゃん!」
朝比奈梨々香「愛美!お姉ちゃんまだ家にいる?」
荒垣愛美「うん、リビングにいるよ!」
朝比奈梨々香「あ、ありがとう!」

〇明るいリビング
朝比奈梨々香「お姉ちゃん!今どこにいるの!?」
荒垣真澄「どうしたのよ梨々香、朝からそんなに慌てて?」
朝比奈梨々香「お姉ちゃん!昨日何があったか教えてくれる!?」
荒垣真澄「え?昨日?」
朝比奈梨々香「もしかしてなんだけど、昨日水島賢治君がここに来てないかと思って!」
荒垣真澄「え?賢治君?確かに来たわよ?」
朝比奈梨々香「えぇ!?一体何しに!?」
荒垣真澄「えぇ、何か良く分からなかったけど、やっとまともに稼げる様になったから、」
荒垣真澄「私達に支援してくれるって言って来てくれてね!」
荒垣真澄「いきなり50万位渡して来て最初は勿論断ったんだけど、」
荒垣真澄「見事に押し負かされたわ・・・愛美も欲しい玩具あるって言ってたし・・・」

〇明るいリビング
  昨日の昼頃。
荒垣真澄「久し振りね賢治君!その後調子の方はどう?」
水島賢治「はい!転職したお陰でやっとまともに稼げる様になりました!」
荒垣真澄「転職?悪徳急便辞めちゃったの?」
水島賢治「・・・お恥ずかしい話ですが、辞めました・・・」
水島賢治「前から俺、夏目運送からスカウトの声掛けられてたんですよ・・・」
水島賢治「悪徳急便には恩義もあるから断ってたんですが、最近悪徳急便の仕事に」
水島賢治「余り良い思いとかした事無くて、梨々香の話聞いたら、」
水島賢治「もう思い切ってやって見ようかなって思って、3ヶ月前に辞めたんです・・・」
荒垣真澄「そうだったのね・・・でも転職先も大変じゃ無かった?」
水島賢治「確かに逃げ出したいとは何度も思いました・・・」
水島賢治「ですが、やりたい事をやる為に何とか今日までやり切る事が出来たんです・・・」
荒垣真澄「そっか、頑張ったんだね・・・」
水島賢治「はい!それで今日、これを渡しに来たんです・・・」
荒垣真澄「え?これは?」
水島賢治「お金です!是非梨々香達に使って貰いたいと!」
荒垣真澄「え、えぇ!?何言ってるの!?こんなに稼ぐの大変だったでしょ!?」
荒垣真澄「それをこんな簡単に!」
水島賢治「大丈夫です・・・それを手放した所で俺の生活には支障はありません・・・寧ろ、」
水島賢治「俺、梨々香達の事助けたいからやったんです!真澄さんはお子さんいるんですよね?」
水島賢治「だから、これで何か買って上げて下さい・・・」
荒垣真澄「えぇ、でもそんないきなり言われても・・・」
荒垣愛美「ママ〜!何してるの〜?」
荒垣真澄「あ、愛美!?ごめんね!今ママのお友達の人と話してるから!」
荒垣愛美「そうなの?あのさママ!今日近くのショッピングモールで」
荒垣愛美「ナツキュアのショーがあるんだって!私見たいから連れてってくれる?」
荒垣真澄「えぇ・・・だけど・・・」
水島賢治「真澄さん、連れてって上げて良いと思いますよ?」
荒垣真澄「え?でもあなたは?」
水島賢治「俺の事は気にしないで下さい・・・子供に我慢させるのは大事ですが、」
水島賢治「偶には好きな事させて上げるのも大事ですよ・・・何より、」
水島賢治「このお金はどうしても真澄さん達に使って欲しいんです・・・駄目ですか?」
荒垣真澄「・・・!もう!あなたって子は!もう断れないわよ!」

〇明るいリビング
朝比奈梨々香「えぇ!?賢治の奴そんな事してたの!?」
荒垣真澄「えぇ、あんな物言いが出来る様になっただなんて、」
荒垣真澄「愛美が生まれる前だったら想像すら出来なかったわ・・・」
朝比奈梨々香「そ、そうだったんだ・・・」
朝比奈梨々香「ねぇお姉ちゃん!賢治は夏目運送で働いてるって言ったよね!?」
荒垣真澄「えぇ、間違い無いわ・・・」
朝比奈梨々香「ありがとう!」
荒垣真澄「うふふ!上手く行くと良いわね!」

〇シックな玄関
スマホ「はい、水島です!」
朝比奈梨々香「あ!賢治!?久し振り!あたしよ!梨々香!」
スマホ「え?梨々香!?急にどうしたんだよ?」
朝比奈梨々香「急にどうしたはこっちの台詞よ!賢治あんた!お姉ちゃん達にお金渡したんですって!?」
朝比奈梨々香「何であの時言ってくれなかったのよ!!言ってくれたならあたしも!」
スマホ「おぉ落ち着けって!言いたい事は分かるけど、上手く行く確証なんて無かったから、」
スマホ「どうしても言えなかったんだよ・・・それで失望なんかさせたらと思うと・・・」
朝比奈梨々香「・・・そっか・・・賢治らしいわね、そう言うの・・・」
朝比奈梨々香「あのさ、あたしあんたと話がしたいわ・・・どこか時間空いてる所ある?」
スマホ「話?そうだな、それなら・・・」

次のエピソード:7 再会

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