仕事人の憂鬱

夏目心 KOKORONATSUME

2 憂鬱(脚本)

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〇繁華な通り
  それから、
水島賢治「だぁ!今日は寄りに寄って豪雨かよ!」
水島賢治「あぁ、しかも寒いし体力持ってかれる・・・でもまだ荷物あるし、」
水島賢治「早くしねぇと!」

〇タワーマンションの裏口
  一方。
朝比奈梨々香「・・・・・・」
朝比奈梨々香「・・・・・・」
朝比奈梨々香「うん、居ない見たいね・・・取り合えず電話してどうにも出来なかったら」
朝比奈梨々香「持ち戻るしか無いわね・・・分かり切った事なんかするもんじゃ無いけど・・・」
  俺と梨々香は各々の場所で過酷な状況の中、配送を熟していた。

〇倉庫の搬入口(トラック無し)
  数時間後。
水島賢治「だぁ、酷い目にあった・・・」
朝比奈梨々香「あ、賢治、帰って来てたんだね・・・」
水島賢治「あ、梨々香か・・・いやもうこんな雨だし何より寒いわで、」
水島賢治「こんなしんどい思いしたのいつ以来だったか・・・」
朝比奈梨々香「全く持って同感よ・・・しかも午後の配送で荷物を170個運べとか、」
朝比奈梨々香「これどっからどう見ても異常よ・・・前はフォローして貰ったりしたりで」
朝比奈梨々香「何とかなったけど、幾らあたし達が頑張っても終わる気しないわ・・・」
水島賢治「だな、早く上に何とかして貰わないと・・・」
水島賢治「てかもう行こうぜ・・・早く帰りてぇよ・・・」
朝比奈梨々香「えぇ、暖かいお風呂とご飯が恋しいわ・・・」

〇事務所
サコミズトシオ「うん!2人共ご苦労だったな!最近未配を出してしまう事が多々見受けられるが、」
サコミズトシオ「君達ならきっと改善出来ると思うよ!」
朝比奈梨々香「・・・その節に関しては言い訳のしようもありません・・・」
水島賢治「俺もです・・・責めて天気が晴れとかだったら・・・」
水島賢治「いえ、これは言い訳ですね・・・」
サコミズトシオ「当然だ・・・どんな仕事も、確実にかつ丁寧にやってこそだ・・・」
サコミズトシオ「それを考えるのも君達の仕事だ・・・」
朝比奈梨々香「・・・部長、それは重々承知しておりますが、責めてもう少し人が増えれば、」
朝比奈梨々香「我々も少しは負担が減ると思います!」
サコミズトシオ「うん、言いたい事は分かるよ・・・だけどね、」
サコミズトシオ「中々内に応募してくれる人がいなくてね・・・こっちも手を焼いているんだ・・・」
サコミズトシオ「上に掛け合っても同じ返答ばかりでね・・・」
水島賢治「・・・あの、上の人達の事、本当に信用して良いんですよね?」
サコミズトシオ「ん?どう言う事だね?水島君?」
水島賢治「俺も俺で思う所があります・・・相談したい事があるのに連絡してるんですが、」
水島賢治「どう言う訳か無視される事が多いんです・・・LINEしても返信来ないし、」
水島賢治「ちょっと位はこっちの話を聞いて欲しいって思うんです・・・」
水島賢治「何より給料安いと言うか・・・」
サコミズトシオ「うぅ、水島君も痛い所突いて来るな・・・まぁそう言ってくれるな!」
サコミズトシオ「君だって分かってるだろ?上にだって事情があるんだ!だからそれが終わるまでな!」
水島賢治「それは確かになんですが・・・責めてちょっと位は・・・」
サコミズトシオ「まぁまぁ!後で私から掛け合って見るよ!」
「・・・・・・」

〇倉庫の搬入口(トラック無し)
水島賢治「だぁ、何がともあれやっと帰れる・・・」
朝比奈梨々香「ねぇ賢治・・・」
水島賢治「ん?どうかしたか?」
朝比奈梨々香「何だか随分不満そうだったなって思ってね・・・」
朝比奈梨々香「仕事が気に入らないなら辞めるのもアリだと思うんだけど?」
水島賢治「はっ!それが出来たら苦労しねぇよ・・・」
水島賢治「でも疑問に思う事があるのは本当だ・・・けど俺はこの仕事が好きだからよ・・・」
水島賢治「愛着もあるから簡単には辞められないし、俺にはこれしか無いと思ってる・・・」
水島賢治「そもそも俺、出迎えてくれる家族が1人もいないからな・・・」
朝比奈梨々香「・・・野暮な質問だったわね・・・流石に長くやってる事はあるわ・・・」
水島賢治「そう言う梨々香はどうなんだ?そう言う事人に言う位なら、」
水島賢治「いっそ自分が辞めるのも一つの手だろうに?」
朝比奈梨々香「・・・それは出来ないわ・・・」
水島賢治「何でよ?」
朝比奈梨々香「あたしはとにかく大金が必要なの・・・確かに自分の為ってのもあるけど、」
朝比奈梨々香「あたしにはお姉ちゃんがいて、お姉ちゃんには子供がいるのよ・・・」
水島賢治「え?マジか!?そりゃ初耳じゃねぇか!お姉さんがいるってのは前から知ってたが・・・」
朝比奈梨々香「うん、それでお姉ちゃんの旦那さんは事故で亡くなってるから」
朝比奈梨々香「お姉ちゃんだけで子育てする事になってて・・・」
朝比奈梨々香「だからあたしも頑張らないといけないのよ・・・」
朝比奈梨々香「こんな事で弱音吐いてる暇なんて無いから・・・」
水島賢治「・・・要はあれだ、俺もお前も辞めるに辞められねぇんだ・・・」
水島賢治「なら今は出来る事やれてればそれで良いじゃねぇか・・・」
朝比奈梨々香「・・・まぁ、そうよね、ごめん、ちょっと疲れてたかも・・・」
水島賢治「別に責めちゃいねぇよ・・・」
水島賢治「さ、御託はここまでだ!もう帰ろうぜ!」
朝比奈梨々香「・・・えぇ、風邪引かない様にね?」
  それから俺達は、各々の車に乗って帰宅するのだった。

次のエピソード:3 迷い

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