1 配送員(脚本)
〇寂れた雑居ビル
水島賢治「御免下さーい!悪徳急便でーす!」
コック「あぁ!お待ちしておりました!」
水島賢治「こちら、ご注文の商品になります・・・」
コック「ありがとうございます!」
水島賢治「お支払いはいつも通りネット通販で使ったプリペイドカードか、」
水島賢治「クレカに寄るお支払いになります・・・クレカの場合は」
水島賢治「事前確認を忘れずにお願いします・・・」
コック「あ、今回プリペイドカードでの注文ですので大丈夫ですよ!またお願いします!」
水島賢治「さて、次はどこに行こうかな?」
俺の名前は水島賢治。しがない配達員だ。前職の仕事が肌に合わず、
今はほぼ1人で行動出来る配達員として仕事をしている。
給料もそれなりにあってまともな生活も送れているのだが、
水島賢治「今月も期待出来ないかもな・・・」
〇小さいコンビニ
数時間後。俺は午前の配送を終わらせて休憩していた。
水島賢治「あ〜!やっと休憩出来る!」
水島賢治「取り合えず食いながら動画でも見るか・・・何見ようかなぁ・・・」
朝比奈梨々香「あ、賢治じゃん・・・あんたもお昼?」
水島賢治「あ、梨々香か・・・そう言うお前も?」
朝比奈梨々香「そんな所・・・今月の問い合わせ貰った回数勝負はあたしの勝ち見たいね・・・」
水島賢治「・・・俺の方が1個多くて負けたか・・・次は負けねぇからな?」
この女は朝比奈梨々香。学生時代からの同期で、昔は良く勝負事をして競い合っていた。
梨々香と同じ部署に配属になるまで、俺は梨々香が配達員になった事など、
全く知らずにいて、未だに競い合っていた。
朝比奈梨々香「賢治はお昼終わったらお昼寝でもするの?」
水島賢治「あぁ、そのつもり・・・そう言う梨々香もか?」
朝比奈梨々香「当然でしょ?居眠り運転なんてしたらあたし達の一生終わっちゃうし・・・」
水島賢治「そりゃそうだ・・・俺も何回意識飛んだ事があったか・・・」
朝比奈梨々香「本当!死んじゃったら勝負なんて出来なくなるし、勝手に死ぬ様な事したり、」
朝比奈梨々香「免許剥奪される様な事しない様にね?」
水島賢治「・・・だよな・・・お前も気を付けろよ?」
水島賢治「上の連中も口酸っぱく言ってる訳だし・・・」
朝比奈梨々香「えぇ、肝に命じて置くわ・・・」
朝比奈梨々香「所で賢治、あの話聞いた?」
水島賢治「え?あぁ、今度はベテランの人が辞めたんだってな・・・」
朝比奈梨々香「えぇ、1人2人程度だったら楽だったけど、」
朝比奈梨々香「最近悪徳急便で退職者が少しずつとは言え増えていってるわ・・・」
朝比奈梨々香「給料が割に合わなかったり、仕事のやり方が合わなかったりとか、」
朝比奈梨々香「他にもあるけど退職者が後を絶たない状況になってて、」
朝比奈梨々香「雇うにしても上も手こずってる見たいなのよ・・・」
水島賢治「本当、どうしてこうなったんだ?午前中ならまだしも、」
水島賢治「午後は最近1人で終わらせられた事なんか全くねぇよ・・・マジ勘弁だぜ・・・」
朝比奈梨々香「でも賢治は未だに辞めようとして無い・・・皆が皆、」
朝比奈梨々香「あんた見たいに配送業を気に入る訳じゃ無いのよ・・・」
水島賢治「ったりめぇよ!もう俺に出来る仕事なんてこれしか無いしよ!」
水島賢治「俺は悪徳急便に自分の骨を埋める気でいるんだ!今更どっか行くなんて出来ねぇよ・・・」
朝比奈梨々香「・・・それを聞いて安心したわ・・・でも精々無理しない事ね?」
水島賢治「あぁ、そっくりそのまま返してやるよ・・・それはそうともう良いか?」
水島賢治「流石に腹減ったわ・・・」
朝比奈梨々香「うふふ!急に止めたりしてごめんね!今日も持ち戻りが多い方が負けのルールで」
朝比奈梨々香「勝負しましょう!」
水島賢治「上等だ!絶対負けねぇからな!」
それから俺達は、昼休憩をして午後の業務に勤しむのだった。
〇アパートの台所
水島賢治「あぁ、やっと帰れた・・・持ち戻りは俺の方が少なかったとは言え、」
水島賢治「現状意味無いよな・・・」
水島賢治「さてと、」
水島賢治「・・・・・・」
水島賢治「マジか、手取り29万・・・一応は40万近く稼いでるってのに、」
水島賢治「整備費、保険、その他諸々で差し引かれてやがる・・・こちとら一人暮らしで」
水島賢治「色々持ってかれてるってのに・・・こんなんじゃ持たねぇよ・・・」
水島賢治「・・・やっぱ一度相談した方が良いよな・・・」
スマホ「お留守番サービスにお繋ぎします・・・ピー!と言う発信音の後に・・・」
水島賢治「だぁ、やっぱりこうなったか・・・もう俺何日待ったんだ?」
水島賢治「ちょっと位話聞いてくれって・・・」
水島賢治「だぁ、俺だって買い物してぇし、どっか行っちまいてぇよ・・・って、」
水島賢治「あ、駄目だ・・・明日そのどっか行くんだ、どうにも出来ねぇ・・・」


