犯人は誰?

赤薙 萌

キザワを黙らせろ②(脚本)

犯人は誰?

赤薙 萌

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〇おしゃれな居間
  アオキの呼びかけでみんなで集まることになった
  なるべくキザワとは関わりたくないので、気が進まないが・・・
  キザワがまた余計なことを言わなければいいけど
アオキ「みんな、集まってくれてありがとう」
アオキ「あんな後で顔を合わせる気にもなれないだろうけど」
アオキ「あと5日はここに泊まらないといけない」
アオキ「だからみんなと協力して、この5日間乗り切ろう」
クロダ(さすがアオキ。不安を抱えたメンバーの顔に、少し明るさが戻った気がする)
アオキ「シラユキはシラユキの部屋に運んでおいた」
アオキ「そして今後のことだが・・・」
  その後アオキの提案で毎日1日ずつ、必ず全員で集まることに決めた
キザワ「そんなことよりさぁ」
キザワ「ここら辺でハッキリさせておこうぜ」
キザワ「シラユキを殺したのはクロダだったことを・・・!」
クロダ(くっ、黙っていればいいものを・・・)
アオキ「またその話をするのか・・・」
クロダ「なんでそこまで疑ってくるんだよ」
キザワ「じゃあ昨日の夜、お前は飲み会から出たあと、何をしていたんだよ!」
キザワ「そのときに殺したんだろ!」
クロダ「確かに俺は途中で飲み会から抜けたけど」
クロダ「他にも抜けた人がいるんじゃない?」
アカイ「最初に出て行ったのはお前だったが・・・」
アカイ「しばらくしてお開きになった後、みんなも部屋に戻ったな」
クロダ「つまり極端に言えば、全員シラユキを殺すことができた」
キザワ「お前が最初に出て行ったんだ!」
キザワ「だから・・・」
キザワ「そのとき、シラユキを殺せたのはお前しかいない!」
クロダ「ちょっと待てよ」
クロダ「俺が飲み会から抜けたときに殺されたとは限らないじゃないか」
クロダ「それとも、キザワはシラユキがいつ死んだか知ってるのか?」
キザワ「そ、それは・・・」
クロダ「流石に飲み会の途中で抜けただけで犯人というのは強引じゃないか」
キザワ「うるせぇ!お前なんだ!!」
クロダ「もし俺がシラユキを殺したって言うなら・・・」
クロダ「当然シラユキを殺す動機があったってことだよね?」
キザワ「そんなの知らねえよ!何かあるんだろ!」
クロダ「動機がわからないなら、犯人というのは難しいよ」
クロダ「普通強い動機がないと、人を殺すことはできないからね」
クロダ「例えば・・・シラユキに振られたとか・・・」
クロダ「まあ、例えばだけど『試しに1週間付き合ってくれ』と言ってたけど無視されたとか」
キザワ「!?」
スミレ「何それ、キモい告白」
キザワ「ぐっ・・・!」
クロダ「俺が言ったんじゃないよ」
クロダ「そういうのは動機になるかなって思って」
クロダ「どう、キザワ?」
キザワ「それは」
アカイ「振られたくらいじゃ殺しはしないだろ」
アカイ「それこそストーカーでもしてる人じゃないと」
クロダ「ストーカーといえば・・・」
クロダ「こんなもの拾ったんだけど・・・」
クロダ「何かシラユキが死んだことと関係があるかもと思って」
クロダ「シラユキの私物かな?」
キザワ「!?」
スミレ「何これ、シラユキの写真じゃん」
スミレ「あんたが撮ったの?」
クロダ「こんな盗撮みたいなことやらないよ・・・誰のか知ってる?」
キザワ「・・・・・・」
クロダ「うーん、誰のものでもないか・・・」
クロダ「じゃあ、キザワが持ってて」
キザワ「えっ!?」
クロダ「もしかすると重要な手掛かりかもしれないから」
クロダ「犯人を探しているキザワが持ってた方がいいよね」
キザワ「わ、わかった・・・」
クロダ「ところでキザワ、まだ俺が犯人だという?」
キザワ「ちょっと待って」
キザワ「やっぱり止めよう。犯人探し」
スミレ「あんたが言い出したんでしょ」
キザワ「ほら、よくねーよ。いがみ合うのは」
クロダ「うんうん」
アオキ「よし、もう時間も遅い」
アオキ「みんな今日は疲れただろうから、この辺にしておこう」
ミドリ「私、先に戻るね・・・」
アカイ「俺も部屋に戻るか」
スミレ「あー、4日が長い・・・」
アオキ「キザワ、大丈夫か?顔色悪いぞ」
キザワ「ああ」
アオキ「しょうがないな。コーヒーでも奢るよ」
キザワ「ありがとう」
アオキ「ちょっと待ってろ」
クロダ「そういや、昨日キザワがコーヒー買ったときに」
キザワ「え?」
クロダ「中にゴキ──」
キザワ「お、おい!」
アオキ「ん?なんだ?クロダもコーヒーいるか?」
クロダ「ありがとう。でも俺はケダモノが好きじゃないから遠慮しておく」
アオキ「・・・?コーヒー苦手か?じゃあまた明日な」
  アオキが部屋を出たのを見計らい、キザワが話しだした
キザワ「言いがかりをつけて悪かった・・・」
クロダ「わかってもらえならいいんだよ」
キザワ「シラユキの写真、見たのか?」
クロダ「すごい枚数だったよね、個展でも開けるくらい」
キザワ「う・・・他の人には黙っててくれ」
クロダ「もちろん。これからも俺と仲良くしてね」
キザワ「当然じゃん」
クロダ「じゃあ俺は部屋に戻るよ」

〇黒
  これでキザワは少しは黙るようになるだろう
  キザワの疑いは言いがかりレベルだったが・・・
  あながち間違いではない部分もあったから恐ろしい・・・
  このまま何事もなく4日過ぎればいいけど

次のエピソード:スミレとミドリの口封じ①

コメント

  • 真っ先に犯人だと疑ってきたキザワを脅迫したクロダ。
    クロダは一体どんな秘密を抱えているのか、そしてやり過ごせるのか楽しみにしてますよ。

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