地雷を踏んだ男

ルーデンス

第七話 参観日(脚本)

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〇散らかった職員室
佐藤香澄「初めまして担任の佐藤です」
寺崎飛馬「初めまして寺崎です」
佐藤香澄「姓が・・・夫婦別姓を選択したの?」
寺崎飛馬「冴子さんから依頼されて篤志君の世話をしてます」
佐藤香澄「そうですか最近、篤志君の成績が良くなったのは貴方のお陰ね」
寺崎飛馬「有難うございます」
佐藤香澄「でも、お父さんではないのね」
寺崎飛馬「はぁ・・・」
佐藤香澄「で、篤志君の母親と結婚の意志は?」
寺崎飛馬「いえ、まだ決まってません」
佐藤香澄「同棲してるなら責任を取るべきだわ」
寺崎飛馬「はぁ・・・」
佐藤香澄「それに参観日は両親が来るところです」
寺崎飛馬「すみません」
佐藤香澄「明日、冴子さんに来ていただくわ」
寺崎飛馬「冴子は海外出張ですし・・・」
佐藤香澄(まったく、イイ男が・・・)
佐藤香澄「わかりました。私が家にお伺します」

〇事務所
吉澤翔「今日は残業な、寺崎」
寺崎飛馬「今夜、担任の先生が来るんですけど・・・」
吉澤翔「溜まったこれらをやったらな」
佐伯智子「お先に失礼します・・・」
寺崎飛馬「ねぇ佐伯さん・・・」
佐伯智子「はい」
寺崎飛馬「手伝ってくれない?」
佐伯智子「これからデートですので・・・」
寺崎飛馬「トホホ・・・」
寺崎飛馬「あっ、佐藤先生ですか?」
佐藤先生「ハイ、佐藤ですが」
寺崎飛馬「すみませんが、今夜は延期してください」
佐藤先生「何故ですの?」
寺崎飛馬「残業で遅くなるので・・・」
佐藤先生「篤志君の食事は?」
寺崎飛馬「電話して、外食してもらいます」
佐藤先生「あなたって人は保護者失格ね」

〇ダイニング
「いただきま~す」
氷室篤志「おいしい」
佐藤香澄「そう・・・よかった」
寺崎飛馬「ただいま~」
寺崎飛馬「あっ、佐藤先生」
氷室篤志「ねぇねぇ、先生が夕食作ってくれたんだ」
寺崎飛馬「有難うございます先生」
佐藤香澄「母親抜きで子供を育てるのは無理よ」
寺崎飛馬「はぁ!?」
佐藤香澄「いいわ、今度から夕飯は私が作ってあげる」
寺崎飛馬「でも、先生のご家族・・・」
佐藤香澄「どうせ一人だし篤志君と食べるわ」
寺崎飛馬「すみません助かります」
佐藤香澄「さぁ篤志君お風呂に入って・・・」
氷室篤志「は~い先生」
寺崎飛馬「よし、僕と一緒に入ろう篤志君」
氷室篤志「ウン」
佐藤香澄「ところで、部屋空いてないかしら?」
寺崎飛馬「ここは一軒家だから部屋が空いてますけど」
佐藤香澄「そう、それじゃぁ私、ここに住まわせてもらうわ!!」
寺崎飛馬「えっ、でも・・・」
佐藤香澄「よかった、明日荷物を持って来るわね」
  というわけで、僕と篤志君、それに佐藤先生が住むことになった

〇大衆居酒屋
「乾杯」
吉澤翔「寺崎も氷室さんから離れる事が出来てよかったな」
小野寺将太「そうだよ、残業も俺達と飲めるし、めでたしめでたしだ」
寺崎飛馬「実は、まだ冴子さんの家に住んでるんだ俺」
吉澤翔「えっ、それじゃぁ夕飯・・・」
寺崎飛馬「篤志君の担任である佐藤先生が夕食を作るって居候してる・・・」
小野寺将太「じゃぁ、冴子さんの息子と先生と三人でか?」
寺崎飛馬「あぁ、しかも佐藤先生は女性なんだ」
「え~っ・・・」
「まずいんじゃない~」
寺崎飛馬「大丈夫です、僕は冴子さん一筋ですから」
  俺は反射的にきっぱりと言い切ってしまった
寺崎飛馬(そう言えば、まだ冴子さんに賭けの事言ってないんだった)
小野寺将太「氷室さんが帰ってきたら修羅場だぞ飛馬」

次のエピソード:第八話 運動会

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