第八話 運動会(脚本)
〇グラウンドのトラック
今日は篤志君の運動会の日だった
寺崎飛馬「よ~し、次は200m走だ頑張れ」
氷室篤志「ウン」
佐藤香澄「さぁ行きましょ篤志君」
佐伯智子「寺崎先輩、お早うございます」
寺崎飛馬「佐伯君、どうして?」
佐伯智子「お弁当、どうかな?」
氷室篤志「うぁ~旨そう・・・有難うお姉ちゃん」
佐伯智子「へへへ、先輩の為に頑張り過ぎちゃったかも・・・」
篤志君が走り始めた
「頑張れ篤志・・・」
俺と佐伯は、大声を出して応援した
佐伯智子「キャッ・・・」
佐伯が小さく悲鳴を上げ俺の後ろに隠れてきた
寺崎飛馬「どうしたの佐伯さん?」
佐伯智子「もう別れたはずなのに・・・」
寺崎飛馬「そうか・・・よし一言・・・」
佐伯智子「いえ、いいです先輩 私帰りますから」
佐藤香澄「あれ、篤志君は?」
寺崎飛馬「まだ戻らないけど・・・」
佐藤香澄「折角、三人で弁当を食べようと思ったのに」
寺崎飛馬「有難うございます」
氷室篤志「ねぇ、おじさん僕1等とっちゃった」
寺崎飛馬「凄いじゃないか篤志君」
佐藤香澄「さぁ3人で食べましょ」
氷室篤志「うぁ~サンドイッチだ~」
篤志君は夢中になって食らいついた
佐藤香澄「あっ、飛馬の弁当はこっち」
佐藤香澄「はいどうぞ飛馬」
寺崎飛馬(ハートピンクのそぼろ煮は何の意味が・・・)
佐藤香澄「何か・・・」
寺崎飛馬「あっ、いえ別に・・・」
佐藤香澄「そう良かった・・・」
佐藤香澄「ねぇ、美味しい?」
寺崎飛馬「は、ハイ」
佐藤香澄「そっか~よし夕食はもっと期待してね」
〇事務所
2週間後
寺崎飛馬「お早う佐伯さん」
佐伯智子「お早うございます寺崎先輩」
佐伯智子「あっ、そうそう今度の案件なんですけど・・・教えて頂けませんか?」
佐伯さんはそう言って俺を真剣なまなざしで見つめて来た
寺崎飛馬「何だい?見せてごらん」
佐伯さんは分厚いファイルを差し出した
佐伯智子「私なりに工夫はしてみたんですけど・・・」
寺崎飛馬「じゃぁ一緒に考えようね」
佐伯さんは、安心したかのようにはしゃいで手を叩いた
佐伯智子「わぁ~やった~絶対うまく行きますよ」
寺崎飛馬「取り敢えず、もっと調査対象を広げて母数を増やしてみてね」
佐伯智子「ハイ、先輩」
佐伯智子「時々アドバイス下さいね先輩」
寺崎飛馬「大丈夫だよ」
佐伯智子「それだけでも心強くて私」
〇ダイニング
飛馬「ただいま~」
氷室篤志「あっ、おじさん」
寺崎飛馬「ただいま篤志君」
佐藤香澄「おかえりなさい」
寺崎飛馬「いつもありがとうございます先生」
佐藤香澄「今日はカレーです」
寺崎飛馬「有難うございます」
僕は大好きなカレーを頬張った
氷室篤志「ねっ、おじさんはカレーが好きだって言った通りでしょ」
佐藤香澄「ホント、子供みたいな食べっぷりね」
氷室篤志「僕、風呂入るね」
佐伯「御免ください・・・」
寺崎飛馬「だれだ?」
寺崎飛馬「佐伯さん・・・」
佐伯智子「誰か私の後をつけて来て・・・」
佐藤香澄「何ですって・・・」
僕は慌てて玄関に走った
佐藤香澄「警察に連絡しましょう・・・」
佐伯智子「それより、ここに泊めて頂けないでしょうか?」
佐藤香澄「勿論よ、ここで一緒に暮らしましょう」
寺崎飛馬「くそ、逃げ足の速い奴め」
佐伯智子「今夜からよろしくお願いします先輩」
寺崎飛馬「はぁ?」
佐藤香澄「今夜からウチに泊まる事になったから・・・」
寺崎飛馬「ま、待ってくれ先生」
佐藤香澄「女性が困ってるのよ」
寺崎飛馬「ここは僕のうちではないしね・・・」
佐藤香澄「イイじゃない部屋が余ってるし」
寺崎飛馬「僕と言う男がいるんだぞ、危ないだろ」
佐藤香澄「じゃぁ私と一緒の部屋にするわ」
佐伯智子「宜しくお願いします先輩」
寺崎飛馬「ん~、・・・シェアハウスかよ」


