悪ガキメモ

夏目心 KOKORONATSUME

3 捕獲(脚本)

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〇空港のエントランス
  数時間後。
熊澤康之「ははは!まさかこうも上手く行くとはな!」
熊澤康之「後は飛行機にさえ乗っちまえばこっちのもんよ!」
熊澤紀子「えぇ!もう本当にあいつらの顔は見納めなのね!」
熊澤紀子「これから何しようか楽しみね!」
熊澤康之「へへ!どんな場所に行こうとも後でどうこうすれば何とかなる!」
熊澤康之「早く手続き済ませてゆっくりしようぜ!」
熊澤紀子「そうね!私喉乾いてるし!」
「そうかそうか・・・それは楽しい旅行になりそうだな・・・」
熊澤康之「たりめぇよ!これから中国に行ってそこから大陸を渡って別の国にって、」
熊澤康之「あん?今お前喋ったか?」
熊澤紀子「え?何も言って無いけど?」
「どんな事も後でどうとでもなる・・・その考えがあれば問題ねぇな・・・」
熊澤康之「ちょ、ちょっと待て!誰だ俺らの近くでお喋りしてる奴は!?」
青野正和「よぉテメェら・・・随分と面白そうな事してるじゃねぇか・・・」
熊澤康之「んな!心ファイナンスの奴ら!?何でこんな所に!?」
青野正和「忙しい中で態々迎えに来てやってるってのに随分な物言いだな・・・」
青野正和「全部鬼塚達から聞いたぜ・・・別の業者から借金して一部を俺らに返した後、」
青野正和「俺らが油断した後に海外にトンズラとは、俺らも舐められたもんだな・・・」
熊澤紀子「はぁ!?ちょ!ちょっと待って!何であなた達がその事を知ってるのよ!?」
熊澤紀子「この事は誰も!」
青野正和「あぁ、その事か?それなら証人がいてくれて、内の見習いに教えてくれてたのさ・・・」
熊澤康之「しょ、証人だと!?そんな奴どこにも!」
青野正和「それがいるんだよな・・・」
青野正和「おい桃太!紹介してやれ!」
福井桃太「はい!青野さん!おい!出て来てくれ!」
熊澤秀樹「・・・・・・」
熊澤康之「んな!お前は秀樹!?」
熊澤紀子「秀樹!これは一体どう言う事なの!?説明しなさい!」
熊澤秀樹「・・・!パパ、ママ、多分幾ら僕が言っても聞いてくれないと思ったんだ・・・」
熊澤秀樹「2人共お兄さんとお姉さんとの約束守らないし、返すって言っても遊んでばかりで、」
熊澤秀樹「しかも約束を破ってどこかへ行こうとしたりして、」
熊澤秀樹「僕このままじゃ駄目だと思ったんだ・・・だから、」
熊澤秀樹「だから僕!お兄さん達にこの事を伝えようと思ったんだ!でも普通に教えようとしたら」
熊澤秀樹「絶対バレちゃうから!だから暗号にしてお兄さんに見て貰ったんだ!」
熊澤康之「な、何だと!?だけど、どうして俺達が空港に行くって知れたんだ!?」
鬼塚球磨子「それもこれもこの子が全部私達に教えてくれたからだ・・・」
鬼塚球磨子「この子が物置を調べて欲しい旨を伝えてくれてな・・・それで調べて見たら、」
鬼塚球磨子「案の定テメェらが逃げる準備をしてたからな・・・」
鬼塚球磨子「だからテメェらの荷物に発信機を取り付けたんだよ・・・」
熊澤紀子「な、何ですって!?そんなまさか!?」
鬼塚球磨子「現に私達はここにいる・・・嘘だと思うならスーツケースを確認しな?」
熊澤紀子「えぇ!?そんなの一体どこに・・・って!?」
熊澤紀子「あ、あった・・・」
熊澤康之「テメェら!良くもやってくれたな!!おい秀樹!!」
熊澤秀樹「ぱ、パパ!?」
熊澤康之「テメェ良くも俺らを売りやがったな!?こんな事したからには」
熊澤康之「覚悟出来てんだろうな!?」
熊澤秀樹「わ、わぁ!!」
青野正和「おっと!大の大人がちっちゃいガキに手を上げるってのは感心しねぇなぁ・・・」
熊澤康之「んな!テメェ!!」
青野正和「覚悟するのはテメェらだ・・・ここまで俺達をコケにされたからには、」
青野正和「テメェらに取って嬉しい環境を提供してやらざるを得ないな・・・」
熊澤紀子「ま、待って下さい!私は夫に脅されてただけなんです!だから!」
熊澤康之「んな!紀子テメェ!この期に及んで裏切る気かぁ!?」
青野正和「ったくうるせぇなぁ・・・そんなに騒ぎたいってんなら、」
青野正和「遠慮無く騒げる場所に連れてってやる・・・」
青野正和「おい、お前ら!」
「はい、青野さん・・・」
青野正和「こいつらをあの場所へ連れて行く・・・それでこいつらを」
青野正和「好きなだけ騒がせてやれ・・・」
「分かりました・・・」
熊澤康之「ま、待ってくれ!俺達はこんな!」
熊澤紀子「そ、そうよ!私達を連れ出したら!息子の事はどうなるのよ!?」
職員「都合が悪くなったら子供がどうとか言うのは感心しませんね・・・」
職員「安心しろ・・・あなた方のお子さんは、我々が相手致しますので・・・」
熊澤康之「あぁ頼む!来るな!来るなあぁぁぁ!!」
青野正和「・・・だぁ、これでやっと自分の仕事に戻れる・・・」
鬼塚球磨子「助かったよ青野!この礼は後日必ずする!」
青野正和「ったくんなもん要らねぇよ・・・こっちだって暇じゃねぇんだからよ・・・」
福井桃太「それでもありがとうございました・・・それに、我儘に付き合わせてしまって・・・」
青野正和「これ以上何も言うな・・・俺はやる事やっただけだからよ・・・」
青野正和「もう気が済んだなら、とっとと自分の仕事に戻れよ?」
福井桃太「・・・あぁ緊張した・・・」
鬼塚球磨子「おいおい桃太、そんなんでこれからやって行けるのか?」
福井桃太「・・・俺には何とも言えません・・・只、」
福井桃太「もっと経験を積んで、鬼塚さんや青野さん見たいに、いや、」
福井桃太「皆さん以上に貢献出来る様になりたいと思います!」
鬼塚球磨子「そうだその意気だ!私らに追い付くのを楽しみにしてるよ!」
熊澤秀樹「え、えっと、お兄さん、お姉さん・・・」
福井桃太「あ、ガキ・・・悪いな、お前のパパとママ、俺らとの約束破ったから・・・」
福井桃太「これから一杯働いて貰う事になるからよ・・・」
熊澤秀樹「ううん・・・寧ろお兄さん達にありがとうって言いたい・・・」
熊澤秀樹「だって、パパとママが悪い事してるって僕にも分かったから・・・」
鬼塚球磨子「へぇ、子供にしては中々肝が座ってるじゃ無いか・・・」
鬼塚球磨子「10年後には大物になってるかも知れないな・・・」
熊澤秀樹「ううん、やっぱりやっちゃいけない事はやらない方が良いからさ・・・」
鬼塚球磨子「そうかそうか!君はあんな馬鹿親見たいにはなっちゃ駄目だからな!」
熊澤秀樹「・・・はい・・・」
福井桃太「(にしても、このガキ一体何者なんだ?親があんなのは分かるが、)」
福井桃太「(並の小学生がこう言うの思い付くのか?メモにあった頭文字の事だって、)」
福井桃太「(まぁ、仕事が一段落したら専門家でも捜して見るか・・・)」

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