キザワを黙らせろ①(脚本)
〇おしゃれな居間
一日目
警察が来るまであと4日
キザワに疑いの目を向けられたすぐ後だった
アオキ「待てってキザワ。人に疑いをかけるより警察だろ」
キザワ「・・・・・・」
アオキ「俺が警察に電話しておく」
アオキ「みんなは一度、部屋に戻っていてくれ」
アオキ「夜にもう一度リビングに集まって、今後のことについて会議をしよう」
アオキ「話があるやつはその時にしてくれ」
アオキが冷静にあの場をおさめ、一度解散という形でそれぞれ自室に戻る
旅行は当然中止になるはずだが、この豪雨で土砂が崩れ
コテージまでの道が完全に塞がれてしまった
崖崩れの復旧は4日かかるらしい
警察も崖崩れが復旧するまで来れないと言っている
警察が駆けつけるまで、あと4日
クロダ(夜の会議でキザワは俺が犯人だと言うつもりだろう)
クロダ(なんとかキザワの口止めはできないだろうか?)
〇黒
裏工作
キザワを黙らせろ
〇一人部屋
三階
キザワの部屋
キザワ「よお、殺人鬼。何のようだ?」
クロダ(もう犯人呼ばわりか・・・)
クロダ「その誤解をときにきたんだけど・・・」
キザワ「うるせぇ!!俺ぁ見たんだよ!」
キザワ「お前が飲みの時一人抜けていくのを・・・シラユキ・・・」
キザワ「ああっ、クソが!!!!」
クロダ(キザワ。こいつは会ったころから俺を事あるごとに小馬鹿にしてくる)
クロダ(短気で馬鹿だが、サークル部長であるアオキには調子を合わせている・・・)
クロダ(金魚のフンそのもの)
クロダ「言っとくけど、犯人は俺じゃない」
キザワ「犯人はそう言うんだよな?いいからさっさと失せろ」
クロダ(とても俺の話を聞いてくれる様子はない)
クロダ(キザワがおとなしく言うことを聞いてくれるような人に頼んでみるか・・・)
〇おしゃれな居間
一階
リビング
クロダ「アオキ、電話してたのか?」
アオキ「ああ、警察とな」
クロダ(アオキ。顔よし性格よし頭よし。彼女の有無は知らないが、これでモテないわけがない)
クロダ(女子に甘い部分はあるが、真面目で頼れるサークル部長だ)
クロダ「えっと、さっきはありがとな」
アオキ「え?」
クロダ「キザワが俺を疑った時、庇ってくれただろ?」
アオキ「ああ・・・お前を庇ったわけじゃない。女子を早く部屋に帰らせたかっただけだよ」
アオキ「スミレはともかく、ミドリはかなりショックを受けてたからな」
アオキ「ったく、キザワも考えろよな・・・男だけを呼べばいいだろうに」
アオキ「そうだ・・・悪いけど、キザワを呼んでくれないか?」
アオキ「あいつが第一発見者だしな。注意ついでに、もう少し話を聞いておこうと思ってさ」
クロダ「ああ、わかったよ」
クロダ(もしかして、アオキはキザワを疑っているのか?)
クロダ(よし、キザワは部屋にいたな!呼びに行こう)
〇一人部屋
三階
キザワの部屋
キザワ「ああっん!てめぇ、また来やがった!!」
クロダ「ち、違うんだ」
クロダ「アオキがお前を呼んでる」
キザワ「アオキが?」
クロダ「ほんと、アオキには弱いよな・・・」
クロダ「・・・?」
クロダ(あいつ、机にスマホ置いていったな)
クロダ(キザワはいない)
クロダ(少し部屋を見せてもらうか)
クロダ「スマホの画面が開きっぱなしだな」
シラユキに送ったメッセージが表示されている
『頼む、試しに1週間付き合ってくれないか?』
『おーい、生きてるー笑』
クロダ「うっ・・・・・・」
当然シラユキは未読のままだ
クロダ「普通の女子ならドン引きするだろうな・・・」
クロダ「これは日記?」
クロダ「意外にまめなことしてるんだな・・・」
クロダ「えっと内容は・・・」
『◯月×日』
買ったコーヒーをアオキに奪い取られた
あいつ、ゴキブリ入りなのを知らずに飲んだのかな(笑)
クロダ「コーヒーにゴキブリが入っていたのを知っていて、アオキに渡したのか・・・」
クロダ「ふーん・・・アオキがこのことを知ったらどう思うかな?」
クロダ「使えそうだ」
クロダ「これはシラユキの写真か?」
クロダ「あいつ、こんなものを持ち歩いているのか」
クロダ「ちょっと引く・・・」
クロダ「ん?ベッドの中にもう一枚・・・」
クロダ「うわっ!シラユキの写真がメチャクチャあるじゃないか!!」
クロダ「これ全部盗撮か?」
クロダ「馬鹿で短気な上にストーカーだったとは、救いようがないな・・・」


