漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第4章第2節 『今度はループ展開だった件』(脚本)

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〇学生の一人部屋
  ゴロゴロと遠雷が響く。
狩場玖珠絵「・・・雷? いや。何か気配が・・・」
只野男志「あれ? 今の雷 ・・・今の、セリフ?」
只野男志(ループか!? ループ展開なのかっ!?)
只野男志(落ち着け、落ち着け俺)
只野男志(これがもし、ループだとしたら、あと2時間くらいで死ぬ!?)
只野男志(っていうか、今の雷って・・・)

〇霧の中

〇学生の一人部屋
只野男志「玖珠絵様! いまの雷、恐怖の大王です! デフレエルが来ます!」
狩場玖珠絵「・・・ハァ? 何言ってんの?」
只野男志「近くにいます! 気配を探ってください! 一生のお願い! このとーり!」
只野男志「違ったら一生あなたの奴隷になりまぁす!」
  その場に勢いよく土下座する。
狩場玖珠絵「本当、あんたのプライドってやっすいわね」
狩場玖珠絵「・・・はいはい。わかったわよ」
  目を閉じ集中した玖珠絵、はっとする。
狩場玖珠絵「・・・マジじゃない。 まさか、もう来てるなんて ・・・!」
  只野が玖珠絵の手を握る。
只野男志「探しましょう! 2人で!」
狩場玖珠絵「な、なにを。ちょっと、離して」
只野男志「本物のデュランダルですよ!」
只野男志「ヤツには四騎士だけじゃ勝てないですよね!?」
只野男志「本物を探し出すしか、手がないですよ!」
狩場玖珠絵「・・・確かに」
狩場玖珠絵「クソザコにしては、まともなこと言うじゃない」
  ガシャーン!
只野男志「あ・・・来ちゃった」
  割れた窓から霧乃が侵入してくる。
帝院霧乃「あ」
狩場玖珠絵「・・・ミスティ?」
帝院霧乃「あれ・・・なんで、電気の消えた部屋で、デュランダル様と、エクスカリバー様が手を握りあって」
帝院霧乃「・・・あれ? あれれ?」
狩場玖珠絵「こ、これは、ち、ちがうのッ!」

〇生徒会室
帝院霧乃「さぁ、エクスカリバー様!」
帝院霧乃「なぜデュランダル様と薄暗い部屋で2人っきりで・・・」
帝院霧乃「・・・い、いかがわしいことをしようとしていたのか、皆の前でご説明をッ!!」
狩場玖珠絵「し、していません!」
帝院霧乃「嘘ですッ!」
只野男志(どうしてこうなった!)
狩場玖珠絵「ミスティ、くだらないことをしている場合じゃないの」
狩場玖珠絵「デフレエルが!」
只野男志「そうだ。こんな諍い、くだらぬ!」
帝院霧乃「キーーッ!」
帝院霧乃「なに2人して申し合わせて! ふしだらな! もう許せない!」
帝院霧乃「この泥棒猫! 天誅ーーっ!」
狩場玖珠絵「待って! ミスティ!」
龍場夢來「ミストルティン殿! なりません!」
帝院令「冷静になれ! ミストルティン!」
  令と夢來が霧乃の前に立ちはだかる。
帝院霧乃「お兄様どいて! そいつ殺せない!」
只野男志(なんだこの無駄な修羅場!?)
  そのときピシャーン! と稲光がはしる。
狩場玖珠絵「!? 強烈な魔力・・・ !?」
龍場夢來「皆様、窓の外を!」
  窓の外に、デフレエルの姿がある。
デフレエル「・・・・・・」
帝院令「恐怖の大王、デフレエル・・・!」
只野男志「嘘だろ! 来るのが早すぎる!?」
デフレエル「湖水のエクスカリバー・・・感じたぞ。 先程、余の魔力を探ったな?」
狩場玖珠絵「!」
只野男志「! ・・・魔力の逆探知か!?」
デフレエル「死ぬがよい」
只野男志(あぁ、これ、詰んだ・・・)
  デフレエルの掌の上に、黒く巨大なエネルギー波が発生する。

〇学生の一人部屋
ヨルムンガンド「フギャアァアッ!!」
只野男志「ぎゃあぁああああ~~っ!?」
狩場玖珠絵「な、なによ? その悲鳴。 猫に引っかかれたくらいで、オーバーな」
只野男志「え? 俺、あれ?」
只野男志「・・・またか! やっぱり俺、ループしてるのか!」
只野男志(てか、逆探知って!)
只野男志(四騎士にあいつの存在教えると、絶対誰か気配探るだろうし)
只野男志(そこでアウト。詰んでない!?)
  そのとき、ゴロゴロと遠雷が響く。
狩場玖珠絵「・・・雷? いや。何か気配が・・・」
只野男志(あっ! これ、逆探知フラグ!)
只野男志「気のせいですよ!」
只野男志「予報では今日はこれから、黙示録級の大荒れだって!」
狩場玖珠絵「黙示録って、なによ」
只野男志「ですのでパーティーは明日! 明日がいいですよ! 明日なら喜んでっ!」
狩場玖珠絵「・・・まぁいいわ」
狩場玖珠絵「明日バックレたら、クソザコパンピーってバラすからね」
只野男志「ありがとうございますっ! ヨ、ヨルムンガンド! 行くぞ!」
  ヨルムンガンドをキャリーバッグに突っこむ。
ヨルムンガンド「にゃーっ!」
狩場玖珠絵「ちょっと、急に。なんなのよ」
只野男志「逃げるんです! 玖珠絵様も、逃げたほうがいいですよ!」
只野男志「お達者で!」

〇田舎の線路

〇電車の中
  只野がヨルムンガンドの入ったキャリーバッグを抱えている。
只野男志「ふぅ・・・ここまで逃げれば、さすがに巻きこまれない・・・よな」
  ふと外の風景を見ると、夕暮れ空を巨大な翼のような黒いオーラが覆っている。
只野男志「なんだ・・・あれ?」
  空を埋め尽くす黒い翼から、無数の黒いエネルギー波が放たれる。
  次々に周囲の地面に着弾し、衝撃波と共にキノコ雲が立ちのぼる。
只野男志「!! ・・・まさかっ!?」

〇霧の中

〇電車の中
只野男志「そんな、無茶苦茶な!」
  只野がスマホを見ると
  「全世界で謎の黒い雲が発生中!」
  「雲からの怪光線で主要都市、壊滅状態か?」
  というタイトルの記事が目に飛びこんでくる。
只野男志「全世界、だって・・・ !?」
  そのとき、電車に黒いエネルギー波が直撃する。
只野男志「ぎゃあぁああああ~~っ!?」
黒猫「フギャァアア!?」
  激しい爆発と衝撃で、只野の意識が途絶える。

〇学生の一人部屋
ヨルムンガンド「フギャアァアッ!!」
只野男志「・・・・・・」
只野男志(結局また死に戻りか!)
只野男志(てか全世界がああなっちゃうんじゃ、逃げても無駄じゃんか!)
只野男志(どうしろっていうんだよ!)
狩場玖珠絵「なに? 不満なの?」
狩場玖珠絵「クソザコパンピーだって、バラしていいの?」
  そのとき、ゴロゴロと遠雷が響く。
狩場玖珠絵「・・・雷? いや。何か気配が・・・」
只野男志「わかりました!」
只野男志「2時間後、準備してみんなを生徒会室に集めます。玖珠絵様」
狩場玖珠絵「・・・え? あぁ、うん。そう?」
狩場玖珠絵「言わなくても察するとか、下僕が板についてきたんじゃない? 任せたわよ」

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