地雷を踏んだ男

ルーデンス

第四話 賭け(脚本)

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ルーデンス

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〇事務所
  佐伯さんの甲高い怒った声が聞こえて来て、仕事に集中していた僕はびっくりしてしまった
佐伯智子「うるさいわねアンタなんか嫌い。二度と掛けてこないで・・・」
寺崎飛馬「どうしたんですか、佐伯さん」
佐伯智子「別に何でもありません先輩」
寺崎飛馬「話を聞くよ佐伯さん」

〇大衆居酒屋
寺崎飛馬「かんぱ~い」
  佐伯は何も言わずビールを一気飲みした
寺崎飛馬「おいおい佐伯・・・」
佐伯智子「聞いてくれます・・・先輩」
寺崎飛馬「何だよ」
佐伯智子「女性を誘うのに、落ちるか賭けをしてました・・・だってヒック」
  僕は心臓が止まるかと思った
佐伯智子「ねぇ聞いてます?先輩」
寺崎飛馬「あぁ、そりゃ酷いよな佐伯」
佐伯智子「でしょう・・・イケメンだって許せないわ」
寺崎飛馬「イケメンって?」
  佐伯は俯いて顔を真っ赤にした
佐伯智子「営業一課の田辺君」
寺崎飛馬「その話、誰から聞いたの」
佐伯智子「受付の佳子から・・・」
寺崎飛馬「あの美人の?」
佐伯智子「そう・・・ランチの時に」
寺崎飛馬「田辺を狙っているだろ彼女」
佐伯智子「えっ、そうなの?」
寺崎飛馬「あぁ、本当かどうか田辺に聞いてみた?」
佐伯智子「もういいです先輩」
  そう言うと佐伯はビールを一気飲みした
佐伯智子「お代わり、ウイスキーダブルで・・・」
寺崎飛馬「おいおい」
  佐伯はぐでんぐでんに酔っ払い床に座り込んでしまった
寺崎飛馬「大丈夫か佐伯・・・」
佐伯智子「ヒック・・・大丈夫です先輩」
  僕は、佐伯を抱き起し店を出た
寺崎飛馬「ほら、帰るぞ佐伯」

〇雑踏
寺崎飛馬「ほら、しっかり歩け」
佐伯智子「すみません・・・むにゃむにゃ」
寺崎飛馬「あっ、冴子さん・・・」
寺崎飛馬「ち、違うんだこれは・・・」
  冴子は悲しそうな表情でかけ去った

〇エレベーターの中
  翌朝・・・
寺崎飛馬「お、お早うございます冴子さん」
氷室冴子(社内)「お早う寺崎君」
  僕はぎこちない声で返事をした冴子さんの手首を握った
氷室冴子(社内)「キャッ」
寺崎飛馬「昨夜は、違うんだ」
氷室冴子(社内)「放して」
寺崎飛馬「事情を聴いて下さい冴子」
氷室冴子(社内)「結構よ・・・」
寺崎飛馬(誤解を解かないと)
  冴子さんを賭けの対象にしたツケか・・・
  僕の心に風が吹きむなしさが募った

次のエピソード:第五話 海外出張

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