ザコB物語

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ザコB物語(脚本)

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〇大学
プリティーファイターレナ「これでトドメよ!!」
プリティーファイターレナ「プリティーセイントスマッシュ!!!」
ザコA「ぽひいいい~~~!!」
ザコB「ぽひひいいい~~~!!」
ワルイヤーツ「おのれ、プリティーファイターレナめ! 覚えていろ!」
プリティーファイターレナ「もう悪さしないのよ!!」

〇研究所の中枢
ザコA「いてて、プリティーファイターのやつめ。少しは手加減しろよな」
ザコB「全くですね。自分たちザコにあんな必殺技毎回撃たなくてもいいのに」
ザコA「ったく。やっぱこの仕事やめよっかなー。給料はいいんだがなー」
ザコB「何言ってんすか先輩。今度幹部候補の試験受けるって言ってたじゃないっすか」
ザコA「あー。まあかれこれ何年もやってきたからなあ」
ザコB「ま、先輩はそんな試験受けても無駄ですかねー。ザコのが似合ってますし」
ザコA「なんだと~。まだまだ若造のお前に 言われたくないやい~」
たけぞう「へへっ。冗談っすよ」
たけぞう「それじゃ、自分は今日はこれで。 お疲れ様ですー」
  これがオレ。本名、馬場たけぞう。
  世界征服を企む組織の最下級戦士「ザコ」として生きている。
  特にとりえもなく、世界平和も興味もないので所属しているが、
  所詮はザコの一人としてヒーローにやられる毎日。
  少しむしゃくしゃしなくもないし、退屈な日々な気もする。

〇ゆるやかな坂道
たけぞう(早めに終わったし、この後どうするかな)
たけぞう(ん?)
少女「うーん うーん」
少女「うーん ううーん」
  組織からの帰り道の途中、謎の少女がいた
少女「ねえ、お兄さん!」
たけぞう「...もしかしてオレか?」
少女「そう!」
少女「お兄さんってあたしのことわかる?」
たけぞう「は?いきなり何を言っているんだ?」
  いきなり話しかけられた挙句、わけの
  わからないことを初対面の少女は言った。
少女「じゃあさ、あたしの名前は?」
たけぞう「名前?一体何なんだ。 お前のことなんか知らん」
少女「あたしね、」
少女「記憶喪失みたいなの!」
たけぞう「...!?」
  少し話を聞くと、少女は本当に記憶を喪失しているようだった。
  自分の名前やここがどこか。何もわからず困っていたところ、
  オレが通りかかったので話しかけてみたそうだ。
たけぞう「なるほど、なるほど」
少女「でしょ~。大変、大変! どうしよう、あたし~」
少女「チラチラ」
  少女はわかりやすく、オレに助けを求めているようだった。
たけぞう「そうか、そうか。ふむ」
たけぞう「それじゃ」
  オレはそっと手を振りその場を離れようとする。
  こう見えてオレは悪の組織の一員。
  面倒事はほおっておくに限る。
少女「ちょっと!それはないでしょ!記憶喪失の少女一人、置いて去るわけ!?」
少女「アーもうダメ、あたしもうおしまい」
少女「あ、そうだ! 大声で叫べば誰か助けてくれるかも!」
少女「ついでに困った少女一人置いてく変質者も捕まえてくれるかも~」
たけぞう「おい待て!」
たけぞう「はあ、仕方ないな。 ちょっとなら付き合ってやるよ」
  こうしてオレは謎の少女の記憶探しを
  手伝うことになった。

〇繁華な通り
  オレたちは町に向かい、
  記憶の頼りになるようなものがないか、
  歩くことにした。
たけぞう「どうだ?この町はわかるか?」
少女「うーん...。 わかるような、わからないような...」
少女「あっそうだ!」
たけぞう「何か思い出せたか?」
少女「あたし、アイスクリームが好きなんだ!」
たけぞう「...?」
少女「あたし、あまーいあまいアイスクリームが大好きなんだ!」
たけぞう「...それが何だってんだ?」
  少女の視線の先には、
  露店でアイスクリームが売っていた。
たけぞう「ったく。しょうがねえな」
  なけなしの金で、
  アイスクリームを買って渡す。
少女「わーい。おじさんありがとう!」
少女「ぺろぺろ」
たけぞう「誰がおじさんだ~」
少女「そういえば、おじさんの名前は?」
たけぞう「えっ?あー、えーっと」
  どうしたものか、組織の人間が赤の他人に本名を名乗っても大丈夫なのか?
少女「なに~。おじさんも記憶喪失なの~?」
少女「!!あっそうか!ついてきて!」
たけぞう「なんだ、記憶喪失の癖に忙しいやつだな」

〇街中の公園
  少女に連れられ、公園に着いた。
少女「ソフトクリーム食べてたら思い出したの」
少女「多分あたし、 この公園でよくソフトクリーム食べてた」
たけぞう「ほ~。 それじゃ、この近くに住んでんのかもな」
少女「うん。 それに、誰かと一緒に食べてたと思うの」
たけぞう「あー。親に連れられてとかか?」
少女「うーん。それは何か違うような...」
たけぞう「じゃあ。友達とかか?」
少女「うーん。それも違うような...」
少女「...」
少女「あたし、本当に忘れちゃってる... その人の顔も名前も思い出せない...」
少女「どうして忘れちゃったんだろ...」
たけぞう「あー。まあなんだ」
たけぞう「きっとそいつも、今頃お前のことを思ってお前を探してるだろうよ」
たけぞう「だから、お前も頑張って回れば、 すぐに見つかるだろうぜ」
たけぞう「オレも手伝ってあげるからよ」
少女「...!」
少女「ありがとう、おじさん!」

〇公園のベンチ
  少女と出会って数時間が経った
たけぞう「うーん、公園の周辺は回ってみたが、 あまりいい情報は得られないか」
少女「ふぁーあ あたしちょっと疲れちゃった」
少女「あそこのベンチで少し休んでいーい? いいよね?ありがとう!!おやすみ!!」
たけぞう「はいはい、まったく忙しいやつだ」
  結局また公園に戻ってきて、
  少女はベンチに腰掛けて寝始めた。
  離れるわけも行かず、オレも横に座る
たけぞう「ったく。はたから見れば、まるで怪しい おじさんに見えるんじゃないか?オレ...」
  グー グーと、疲れていたのか早くも
  深い眠りについた少女の声が聞こえる
たけぞう「せっかく今日は早く終わって、 帰れるかと思ったんだがな」
  ふと公園の景色を眺めていると、
  少し懐かしいものも思い出してくる
小さい頃のたけぞう「返せよ兄ちゃん!」
兄ちゃん「バーカ! 返してほしけりゃ捕まえてみなー!」
たけぞう「...」
たけぞう「オレも昔はやんちゃに遊んでたっけな...」
たけぞう「そっか、そういう記憶も 今のこいつにはないのか...」
「...」
  ヴー ヴ―
たけぞう「ん?先輩からの着信か。もしもし?」
ザコA「おう、オレだ。今時間大丈夫か?」
たけぞう「先輩、どうかしたんですか?」
ザコA「ああ、組織からの通達があってな、 お前にも伝えておく」
ザコA「今日オレたちが出ている裏でな、 別の怪人部隊が出てたらしくてよ」
ザコA「なんでも怪人ワスレールとかいうやつが、記憶を忘れさせる能力で」
ザコA「市民を人質にしようとしたらしいんだが、逃がしちまったらしくてな」
たけぞう「...なるほど」
ザコA「ワスレールはやられちまったらしいんだが、」
ザコA「その市民を探して見つけたら捕まえて来いって話らしい」
たけぞう「...へーそうなんすね。ちなみになんすけどその市民の特徴とかあります?」
ザコA「ああ、何でも小さい女の子だとか 言ってた気がするが」
たけぞう「...」
  そういうことだったのか。
  起きていることの辻褄が合う。
  少女の現状の理由が分かった。
たけぞう「あー先輩、 それってどこに行けばいいっすかね?」
ザコA「なんだって?それはどういう」
「ミク~!! ミク~!!」
  電話とは別に、どこか遠くから
  何やら大きい声が聞こえてきた。
プリティーファイターレナ「いったいどこに行ったの~?」
たけぞう「あ、あれは...」
  な、なんでプリティーファイターレナが
  こんなところに...

〇街中の公園
たけぞう「先輩すみません!またかけなおします!」
  電話を閉じながらとっさにオレはベンチの後ろに隠れた。
  広い公園の中に、
  プリティーファイターレナが呼び声を出して入ってくる。
たけぞう「ど、どうしよう。また吹き飛ばされる」
たけぞう「いや、冷静に考えれば今はザコ服を着ていないから大丈夫なのか?」
少女「ぐー ぐー むにゃ むにゃ  もう食べられない」
たけぞう「...とりあえず寝ているうちにこっそり、 この子を組織に連れ去るか」
たけぞう「...」
たけぞう「ちょっと気分は悪い気もしなくないが、 仕事ではあるんでね」
少女「...ちゃん。おねえ...ちゃん...」
  少女をおんぶしようとした時、
  寝声が聞こえてきた。
少女「お姉ちゃん...お姉ちゃん... あたしのも...甘くておいしいよ...」
少女「一緒に食べると...おいしいね...。 お姉...ちゃん...」
たけぞう「...」
たけぞう「...」
「...」
小さい頃のたけぞう「兄ちゃん。オレにもアイスくれよー!」
兄ちゃん「ははは。しょうがないなー  ちょっとだけなー」
兄ちゃん「おっ あそこのベンチ空いてるぞ!」
兄ちゃん「座って一緒に食べようぜ!」
小さい頃のたけぞう「...うん!」
「...」
たけぞう「...」
たけぞう「...」
たけぞう「はあ...しょうがないな...」
  ガサゴソ
ザコB「全く、プリティーファイターはやっつけにいかねえとな!」

〇街中の公園
プリティーファイターレナ「もうっ。せっかく怪人は倒したのに」
プリティーファイターレナ「私の妹をどこかにやるなんて、 なんて奴らなの!」
プリティーファイターレナ「ミク...大丈夫かしら...」
プリティーファイターレナ「何!」
ザコB「ワーハッハッハッハッ!」
プリティーファイターレナ「あ、あなたは!?」
ザコB「おいおい、今朝方も会ったというのに ザコのことはもう忘れているのか?」
ザコB「プリティーファイター!」
プリティーファイターレナ「いきなり現れて、何の用よ!」
ザコB「フフフ、 どうやらお困りの様子じゃないか?」
プリティーファイターレナ「っ!わたしの妹をどこにやったの!? あなたたちのせいよね!?」
ザコB「その通り!お前の妹なら オレが預かっている!この公園でな!」
ザコB「だが、そう簡単に返すわけにはいかない!オレがお前を倒してやるぜ!」
プリティーファイターレナ「いいわよ! 今日は手加減なんてしないんだから!」
プリティーファイターレナ「食らいなさい!必殺!」
ザコB「うおおおおお!!!」
プリティーファイターレナ「プリティーセイントスマッシュ!!!」
ザコB「ぽひいいい~~~!!」

〇街中の公園
「...」
「起...て...」
「起きて...ミク...」
少女「お姉...ちゃん?」
プリティーファイターレナ「ミク!」
少女「お姉ちゃん!!」
プリティーファイターレナ「良かった!無事なようね!大丈夫?」
少女「えっと...うん!」
少女「あたし確か...記憶喪失になっていて...」
プリティーファイターレナ「えっ!記憶喪失!」
少女「そう!それで、道に迷っていたんだけど...」
少女「変なおじさんに会って...」
プリティーファイターレナ「変なおじさん?」
少女「それで、そのおじさんにソフトクリーム もらったりして」
少女「疲れたから寝ちゃって...」
少女「あれ?おじさんは?」
プリティーファイターレナ「とにかく、大丈夫そうで良かったわ」
プリティーファイターレナ「そのおじさんにも感謝しないとね」
少女「うん!記憶を戻すの手伝ってくれたんだ! 一緒に町とか回って!」
少女「おじさん。どこに行ったんだろう?」

〇研究所の中枢
ザコA「おいおい大丈夫か?」
ザコB「...」
ザコA「まさか一人でプリティーファイターと 出くわすなんてな。 お前もついてないよなー」
ザコB「...」
ザコA「しかも一日で2回も必殺技食らうなんて、なかなかいないぜ?そんな奴」
ザコB「...先輩」
ザコA「どうした?」
ザコB「アイス食べに行きません? 先輩のおごりで」
ザコA「へ?」
  オレ。本名、馬場たけぞう。
  世界征服を企む組織の最下級戦士「ザコ」として生きている。
  特にとりえもなく、世界平和も興味もないので所属しているが、
  所詮はザコの一人としてヒーローにやられる毎日。
  少しむしゃくしゃしなくもないし、退屈な日々な気もする。
  でも今日は、退屈しない日だったかも。
  うまいアイスでも食べよう。

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