漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第4章第1節 『恐怖の大王、デフレエル現る!』(脚本)

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〇廃工場
プライド「・・・ば、馬鹿な、である!」
プライド「闇の勢力(ダークパワーズ)最強の一角と自負するこの俺様」
プライド「傲慢の颶風(ぐふう)プライドが、追いつめられるとは!」
只野男志「観念せよ。・・・エクスカリバー!」
狩場玖珠絵「かしこまりましたわ。デュランダル様」
狩場玖珠絵「みんな、一斉にとどめを!」
「了解(ですぞ)!」
  全員、剣をかまえる。
プライド「ま、待つのである!」
プライド「冷静に考えると、4対1は卑怯なのではないかと思うのであ──」
  4人の一斉攻撃が始まる。
プライド「ぎゃああぁ~~~っ!?」
  プライドは爆発四散する。

〇学生寮

〇学生の一人部屋
  只野が玖珠絵の前で正座をしている。
狩場玖珠絵「というわけで無事、七つの大罪のプライドもいなくなったと」
只野男志「おめでとうございます。玖珠絵様」
只野男志(俺のプライドも行方不明です!)
狩場玖珠絵「残りの大罪もあと色欲と怠惰のみ」
狩場玖珠絵「・・・只野。景気づけにパーティーやるわよ」
只野男志「素晴らしいアイデアです。玖珠絵様」
狩場玖珠絵「準備、全部あんたがやんのよ」
只野男志「り・・・了解です。玖珠絵様」
狩場玖珠絵「予算も全部、あんた持ちね」
只野男志「・・・なっ!」
  思わず立ち上がった拍子に、只野の足がヨルムンガンドの尻尾を踏んづける。
ヨルムンガンド「フギャアァアッ!!」
只野男志「ぎゃあっ! 爪! 爪刺さったぁ!」
狩場玖珠絵「なに? 不満なの? クソザコパンピーだって、バラしていいの?」
  そのとき、ゴロゴロと遠雷が響く。
狩場玖珠絵「・・・雷? いや。何か気配が・・・」
只野男志「ひと雨来そうですね。玖珠絵様。 でも、天気予報ではなにも・・・」
狩場玖珠絵「なら、さっさと買い物行ったら?」
狩場玖珠絵「会場は生徒会室。時間は2時間後。 ちゃんとみんな集めときなさいね」
只野男志「あのクソビッ○・・・!」
只野男志「ああもう! やりゃーいいんだろう。やれば!」

〇生徒会室
  スマホを持った令と、バナナを食べている夢來がいる。
帝院令「なるほど、宴ですか! 皆の士気もあがります!」
帝院令「さすがデュランダル様です!」
龍場夢來「がははは! では、吾輩はバナナを差し入れますぞ!」
龍場夢來「ちょうど本日これから、バナナのタイムセールがありましてな!」

〇学生の一人部屋
只野男志「さて、次はミストルティンと・・・」
只野男志「繋がらないな」
只野男志「電源切ってるのか?」
  ガシャーン!
只野男志「なに!? 窓が割れた?」
  割れた窓から霧乃が侵入してくる。
帝院霧乃「あ」
只野男志(お巡りさ~ん! 不審者です!)
帝院霧乃「電気が消えていたので、てっきり」
只野男志「てっきり、何であるか」
帝院霧乃「お留守番でも、しようかと! あの、その、最近物騒ですし!」
只野男志(お前がなっ!)
帝院霧乃「つまりこれは、愛故に!」
只野男志(ストーカーはみんなそう言うって、ネットで見た!)
只野男志「わかっている。 お前にも事情があるのだろう」
帝院霧乃「さすがは私のデュランダル様です!」
只野男志「・・・窓、直しておくのだぞ」
帝院霧乃「あ。はい。アース・リカバリー!」
  割れた窓ガラスが光に包まれ、元に戻る。
只野男志「・・・ミスティ。ちょうど良い。 本日皆で宴を行う。つき合うがよい」
帝院霧乃「つき合う!?」
帝院霧乃「つまりデート? いえ、宴ということはまさか!」
帝院霧乃「私とデュランダル様の、サプライズ結婚式・・・!」
只野男志「買い出しに、だ」

〇大きな木のある校舎

〇生徒会室
  机の上にお菓子やジュースが並んでいる。
狩場玖珠絵「ではデュランダル様のご厚意によりプライド撃破記念パーティーを開催します」
只野男志「う・・・うむ。英気を養うがよい」
狩場玖珠絵「デュランダル様に、乾杯」
  乾杯!
  そのとき只野以外の4人がハッとする。
帝院令「!? なんだ。この膨大な魔力・・・!」
帝院霧乃「これほどの力を持つ、闇の勢力!?」
龍場夢來「もしや! 奴、ですかな!?」
狩場玖珠絵「間違いありません」
狩場玖珠絵「今思えば、先程も一瞬、この気配を感じました」
狩場玖珠絵「皆さん・・・行きましょう」
  只野以外の一同、神妙な表情で頷きあう。
只野男志(何が、来たって・・・!?)

〇空き地
狩場玖珠絵「・・・来ました」
  ピシャーン!
  雷鳴が轟く。
  直後黒雲が割れ、漆黒のオーラを黒い翼のように広げた青年が悠然と降りてくる。

〇空き地
帝院令「恐怖の大王、デフレエル・・・ッ!!」
只野男志(恐怖の大王って! 闇の勢力のラスボスクラスじゃん!)
只野男志(やばくない!?)

〇霧の中
デフレエル「・・・・・・」

〇空き地
帝院霧乃「なんて高濃度の魔力・・・!」
龍場夢來「ですがここで、吾輩達が倒さねば!」
狩場玖珠絵「えぇ。この世界が、破壊される!」
只野男志(確かに、スゲー強いって設定したけど! そんなにっ!?)

〇霧の中
デフレエル「・・・そうか」
デフレエル「汝(なんじ)らが今生のデュランダルの四騎士か」

〇空き地
狩場玖珠絵「全力でいきます! 全員の力を一つに合わせて!」
龍場夢來「承知!」
龍場夢來「我に宿りし龍殺しの疾風 (ドラゴンスレイヤー・パワー)よ!」
帝院令「我に宿りし破壊と創世の炎 (ラグナロク・パワー )よ!」
帝院霧乃「我に宿りし世界樹の生命 (ユグドラシル・パワー )よ!」
狩場玖珠絵「我に宿りし神聖なる湖水 (セイクリッド・パワー )よ!」
  4人の剣が光り輝く。
「エレメント・ストライク」
狩場玖珠絵「オーバーロード!」
  デフレエルに4人の一斉攻撃が炸裂する。
  周囲に爆風と衝撃波が吹き荒れる。
只野男志(す・・・すごい威力! これなら!)

〇霧の中
デフレエル「・・・・・・」

〇空き地
狩場玖珠絵「今ので、無傷?」
狩場玖珠絵「ふ・・・ふふ。やっぱりね。 デュランダルがいなきゃだめか」
デフレエル「・・・貧弱」

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