Ⅱ-39.その後(完)(脚本)
〇綺麗なリビング
吉沢 奏楽(ソラ)「帰って・・・きたぁーー!!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・やっぱ家は落ち着くな・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「あれ・・・帰ってきた・・・?」
高野 蓮(レン)「ここは・・・ 師匠の家だ・・・ 帰ってきたんだ・・・!!」
高野 杏奈(アンナ)「良かったぁー! でも、楽しかったぁ!!」
???「ぐへへ♪♪ぐへへ♪♪」
高野 蓮(レン)「・・・ん?なんの声だ?」
高野 杏奈(アンナ)「・・・」
高野 杏奈(アンナ)「あ、!!!」
妖精「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
高野 杏奈(アンナ)「呼んでないよ!」
高野 蓮(レン)「うわ・・・ こいつ、着いてきたのか・・・」
妖精「やめてくださいよぉー! 私、杏奈チャンの下僕っ──!! 痛っ!!!」
高野 杏奈(アンナ)「うん! これからもよろしくね♪♪」
杏奈は、笑顔で妖精によろしくと言いながらもその手は妖精を鷲掴みにしている。
かなり、容赦がなかった。
妖精「ちゅ、ちゅぶれますー!! ぐえっっ──!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ま、杏奈ちゃんが面倒見てれば大丈夫だね!!」
高野 杏奈(アンナ)「うん♪♪」
高野 裕翔(ヒロト)(それで良いのだろうか・・・ だけど、奏楽ちゃんのその姿・・・ かわいい・・・)
吉沢 拓磨(タクマ)(地球に妖精いないし、普通は簡単には流せないんだがなぁ・・・ そして裕翔の顔がだらしねぇな・・・)
高野 蓮(レン)「・・・ 杏奈は僕が守る!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「おぉ!! さすが蓮君!!!」
田所 蒼(アオイ)「・・・マオ君・・・」
田所 衛(マモル)「ま、こればっかりはしゃーねぇーよな・・・」
帰還を喜んでる面々とは異なり、
魔王と特に仲の良かった二人が気落ちしていた。
吉沢 奏楽(ソラ)「マオくんに会いたくなったら私に言ってよ! すぐ行けるし」
「・・・え?」
吉沢 奏楽(ソラ)「私、女神呼べる系聖女だし!」
吉沢 拓磨(タクマ)「なんだよ! 女神呼べる系聖女って!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「あ! でも、マオ君は魔神呼べる系魔王かもしれない・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・なんだよそれ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「だって、女神とか魔神もそうだけど、神に何度も会ったら声届きやすくなるんでしょ?」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・誰の言葉だ」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・んー? だれかな? 幼かったから曖昧だけど・・・ お父さん?お母さん?・・・ お兄ちゃんだったかな?」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・いくら何でも曖昧すぎるだろ・・・ 言葉だけ覚えてるとか・・・ まぁ・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)(俺も言われた記憶はあるのに、誰に言われたかは覚えてねぇな・・・)
吉沢 奏楽(ソラ)「だからさ・・・ また会えるから悲しまないで!!」
田所 蒼(アオイ)「あねさん!! あざっす!」
田所 衛(マモル)「おめぇ! 相変わらずいい女じゃなぇか!」
吉沢 奏楽(ソラ)「え、えぇ?」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・いい女? あいつ、もしかして」
吉沢 拓磨(タクマ)「こわ、! おい!裕翔顔がやべぇぞ! そして魔力漏れてるから!」
高野 裕翔(ヒロト)「はっ!! す、すまない!」
吉沢 奏楽(ソラ)「じゃー!ご飯にしよー!」
高野 杏奈(アンナ)「手伝いマース!」
こうして地球に戻ったメンバー達は、日常に戻るのだった。
〇魔王城の部屋
────魔王城では
ここでは、新たな魔王の就任とお披露目が行われていた。
???「やあ──!! 魔族諸君・・・」
???「我が魔神様より153代目の魔王に指名された・・・」
???「『マオヴァルド・アーカモン・バラクシス・シャドウレイヴン・ドゥームフレイム・──」
それから約30分たっても魔王の名前は終わらない。
???「─────────ダークスカイング』だ・・・」
こうして新たな魔王が誕生した──
〇貴族の応接間
────控え室
???「・・・疲れたぁぁぁ──」
魔王部下「お、お兄様!! お、お、お茶茶茶です!!」
新魔王(マオ君)「・・・まだその挙動不審直らないんだな・・・」
そうなのだ!!!
以前とは全く別人となっており、誰かわからないこの男性こそ!!
魔神に様々な能力や加護を授けられたあと・・・
魔王領に戻ってから1週間高熱で意識を失い寝込んでいた。
そして・・・
目が覚めると・・・
↑こうなっていた。
新魔王(マオ君)「・・・なんでこうなった・・・」
魔物1「さすが主!!! 前世のイカつい感じも好きでしたが、今の主も中々良き良きですよ!」
新魔王(マオ君)「なんだお前! 突然おじいちゃんみたいなこと言い出しやがって・・・」
魔王部下「イケメ──!! イケメン──!!」
新魔王(マオ君)「・・・ 妹は挙動不審が解けないし・・・ はぁ・・・」
不安の尽きない新魔王マオ君も、新たな一歩をあゆみ始めていた。
〇飛行機の座席
CA「まもなく離陸いたします!!」
女性?「あなた・・・ ようやく日本に帰れるのね・・・」
男性?「そうだな・・・ ようやくだ」
女性?「あの子たち、元気にしてるかしら?」
男性?「あの二人は元気だろう?」
女性?「でも心配だわァ・・・」
女性?「だって・・・」
女性?「イセショ、されたんでしょ?」
その瞬間男性の顔の眉間に皺が寄る。
女性?「ありえないわー! 私の娘と息子をイセショして、日本もセイマツにされちゃったしぃ・・・」
男性?「・・・ 許し難いな」
女性?「ムカついたから、カミショしようかしら!」
男性?「・・・ そうしたいのは山々だが・・・ もう謝られただろ?」
女性?「だけどー!!」
男性?「これからは俺たちがついていればいいんだ・・・な?」
女性?「・・・そうね♡♡」
時たま出てくる不明な言葉に、隣に座っていた客も頭に『?』を浮かばしていた。
女性?「ふふふ♪♪ まっててね♪♪ 奏楽ちゃん♪♪拓磨ちゃん♪♪」
そう──!!
この2人こそ、奏楽と拓磨の父親と母親だったのだ!!
そして・・・
不明な言葉を翻訳すると・・・
イセショ→異世界召喚
セイマツ→世紀末(ゾンビ化)
カミショ→神を処刑
奏楽ちの両親は離れて住んでいながらも、
全てを知っていたのだった・・・。
この両親は何者なのか・・・?
これはいつか語られる日が来るかもしれない・・・
~完~


