ヒナギクは雷鳴と共に(脚本)
〇旅館の受付
野川比奈「野川旅館へようこそお越しくださいました。客室へご案内させていただきます」
野川比奈(この旅館での仕事、大変だけどやりがいはあるわ!私のおばあ様の代からずっと続く老舗の旅館だもん、気合も入るわ!)
野川比奈「それでは、ごゆっくり・・・」
私立天宝学園高校2年生、16歳の野川比奈(のかわひな)は老舗の温泉旅館の女将の娘である。
小学生まで九州・別府で暮らし、中学に入ってから東京のこの旅館を手伝うために上京してきた。
最初のうちはぎこちないところもあったが今ではスムーズなもてなしで大人気になっている。
「今日もいいもてなしだったよ、比奈」
野川比奈「ありがとうございます。祖母の想いを無駄にしないためにもこれからも精進いたします」
〇温泉旅館
野川比奈「ふぅ、掃除完了っと」
野川比奈「ん〜、この綺麗さを保っていきたいわね!」
野川比奈(この旅館、お祖母様の代から続く老舗だからね・・・私もここを大事に守っていかなきゃ!)
〇木造の一人部屋
比奈の家は旅館から少し離れたところの木造一戸建てである。しかし、彼女は不変を全く感じていない。
何故ならこの家が気に入っている上、色々な発見ができるからである。
野川比奈(この前、夕暮れ時にあの洋館から2人の女子が出てきたけど、悪の組織とかスーパーヒロインとか言っていたわね・・・)
〇古い洋館
野川比奈(というか、素朴な疑問としてあの洋館はいつからあんなところに建ったのかしら?ニュースとかでも話題にならないし・・・)
野川比奈(もしや、あれが悪の組織の本拠地説!?だとしたらあんなところにいきなりあってもおかしくないよね?)
〇木造の一人部屋
野川比奈「な~んか怪しいけど、下手に入るのは危ないんだよね~・・・どうしよう?」
「比奈~、ちょっといい?」
野川比奈「何?」
「これ、悪いんだけど明日神谷さん家にとどけてくれないかしら?出かける予定とかある?」
野川比奈「今のところないけど散歩ついでに行ってくるよ」
「よろしくね」
野川比奈「は~い」
〇通学路
野川比奈「このあたりあんまり行ったことないからな・・・」
野川比奈「えっと、神谷千夏さんの家は・・・」
野川比奈「あ、ここだ!」
〇綺麗なダイニング
神谷千夏(異界から来た魔王子があの洋館を本拠地にしてこの世界を征服しようとしているのは分かったけど・・・)
神谷千夏(魔物とかが出てきて、人間に成りすまして悪さするっていう手法なのかしら?どのような手でくるかは不明だけど警戒しなきゃ)
「ごめんくださ~い」
神谷千夏「は~い、今行きます」
〇綺麗な一戸建て
野川比奈「すいません、母からの届け物がありまして・・・」
神谷千夏「あ、それ確か・・・私が用意をお願いしていた手ぬぐいじゃない!ありがとう、野川さん!」
野川比奈「どういたしまして。・・・で、気になったことがあるのよ。街外れに突然できた洋館の話だけど・・・」
神谷千夏「あの洋館ね・・・」
〇公園のベンチ
野川比奈「!?それ、マジなの?」
神谷千夏「ええ、本当よ。異世界から来たやつらがそこを拠点にして、悪だくみしているのよ」
野川比奈「そんなことが・・・何が目的なの?」
神谷千夏「詳しいことは不明だわ。ただ、元凶である魔界王子が魔物を人間に変装させて悪さしているという感じなのよ」
神谷千夏「それを阻止するために私と福南さんがスーパーヒロインになって戦っているのよ。私の両親の想いを受け継いで、ね」
野川比奈「そうだったんだ・・・あのね、願いがあるの。私も・・・」
野川比奈「私も、スーパーヒロインになりたいの!」
神谷千夏「!野川さん・・・」
野川比奈「あたしも2人と一緒にこの世界を守りたい!絶対悪いやつらの好きにはさせない!」
神谷千夏「その想い、受け取ったわ!」
野川比奈「──!!」
神谷千夏「野川さんの実家、温泉旅館だよね?最高のおもてなしとあなたのスーパーヒロインへの想いが併せればすごいパワーじゃない?」
野川比奈「そうかもしれないわ!ヒロイン名は後で決めさせてもらうわ」
神谷千夏「ええ、よろしくね」
連絡先を交換し、比奈は家路についた。
〇木造の一人部屋
野川比奈(私がスーパーヒロインか・・・どんな名前がいいんだろう?)
自宅の自室で夕暮れ時にヒロイン名を考えていた比奈はふと目線をあげた。
野川比奈(あれ、使えそうじゃない?)
そこにあったのは美しく咲いたヒナギクの花の絵があった。
野川比奈(ヒナギク・・・デイジー・・・疾走感あふれる名前にするなら・・・)
色々とアイデアを練る比奈であった。
〇ビルの裏通り
それから数日後、比奈はヒロインたちの拠点を訪れた。
野川比奈「こ、こんなところにあるのかな?なんか不安になって来た・・・」
〇近未来の開発室
野川比奈「すご、こんなところになっていたんだ。めっちゃハイテクじゃん・・・」
野川比奈「これ、うちの旅館の掲示板に掲示されていたやつだ!神谷さん、こんなものまで作っていたんだ」
比奈が興味津々で千夏の制作したポスターを見ていた後ろから彼女が来た。
福南二奈「ふぅ、到着っと」
福南二奈(お?誰だろうあの子、千夏の制作したポスターに興味ありそうね・・・)
福南二奈「よ~し・・・そろりそろり・・・」
二奈は比奈の背後から忍び寄り真後ろから・・・
福南二奈「ほいっと」
野川比奈「〜〜〜〜!?」
あんぱんをくわえさせた。
「こらあああ!」
そこへ大急ぎで千夏が到着、二奈の頭をポカーンと叩いた。
福南二奈「あいたあ!」
福南二奈「何するのよ、千夏!」
神谷千夏「二奈!野川さんにイタズラしないの!」
福南二奈「え〜、いいじゃん別に〜。反応見たかっただけだし〜・・・」
野川比奈「こ、これ『まんぷくベーカリー』のつぶあんぱんじゃないですか!」
神谷千夏「の、野川さん・・・大丈夫?」
野川比奈「え、あ、ああ・・・な、何とか・・・」
福南二奈「!?野川さんって、実家が温泉旅館の野川比奈さん!?ご、ごめん・・・」
野川比奈「いえ、大丈夫ですよ」
〇近未来の開発室
野川比奈「──改めて、野川比奈です。よろしくお願いします」
福南二奈「こちらこそ・・・どうもご丁寧に。しかし、千夏・・・何で野川さんをここに?」
神谷千夏「簡潔に言わせてもらうわ。スーパーヒロインになりたいって野川さんが言っていたのよ」
野川比奈「神谷さんから話を聞いた瞬間に決心したんです。スーパーヒロインになって、実家の旅館を・・・いや・・・」
野川比奈「私の愛したこの街を私の手で守りたいんです!異世界からの魔物たちに好き勝手はさせない!」
福南二奈「おお~!気合がびんびん来てるよ!って、およよ!?」
二奈が見た先でケースの中にある変身ブレスレットの1つが輝いていた。
福南二奈「今の比奈の決心に反応したんじゃない!?」
「!?」
思わず比奈は右腕を伸ばした。すると・・・
神谷千夏「ブレスレットが・・・」
福南二奈「ふわふわと比奈の腕に・・・」
ブレスレットはふわふわと比奈の右腕に乗るとそのままその腕に装着された。
野川比奈「これが変身アイテム・・・か、かっこいい・・・」
神谷千夏「野川さん、いい?変身の仕方だけど・・・」
千夏は比奈に変身方法を説明した。
野川比奈「なるほど・・・」
その時、出撃の知らせが届いた!
福南二奈「どうやらおいでなすったようね!」
神谷千夏「現場は・・・!?ここって・・・」
野川比奈「あたしの、実家の、旅館・・・」
野川比奈「許せない・・・」
野川比奈「あいつらを叩きのめします!行きましょう、神谷さん!福南さん!」
神谷千夏「OK!」
福南二奈「のった!」
神谷千夏「正義の薔薇よ、燃え上がれ!」
福南二奈「大海のアヤメよ、咲き誇れ!」
野川比奈「ヒナギクよ、雷鳴と共に花開け!」
「ピース・オブ・フラワー!!!」
〇電脳空間
「正義、開花!!!」
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