漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第3章第3節 『二心同体! "炎砂巨神グリラース"』(脚本)

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〇生徒会室
只野男志(俺が、戦う!? 闇の勢力と!?)
只野男志(ど・・・どど、どうする!? 普通に殺されるぞ!?)
只野男志(かといって、実はデュランダルじゃないって言っても殺されるし・・・!)
龍場夢來「では皆様! 征きましょうぞ!」
「はい!」
只野男志(あぁ。終わった・・・もう終わりだ)
  令、霧乃、夢來、生徒会室を出て行く。
只野男志(もう行くしかない・・・グッバイマイライフ・・・)
  そのとき、玖珠絵に首根っこを掴まれる。
狩場玖珠絵「おい。クソザコパンピー」
狩場玖珠絵「なにネタ本気にして、ついて行こうとしてんのよ」
只野男志「え・・・た、助けてくれるの?」
狩場玖珠絵「勘違いするな。 こっちは、マジで殺し合いやってんのよ」
狩場玖珠絵「アンタは仲間じゃない。 足手まといの、ただの部外者」
狩場玖珠絵「わきまえないとマジで殺すわよ」
只野男志「は、はい」
狩場玖珠絵「本当、使えないクソね」
  舌打ちしつつ、玖珠絵も出て行く。
只野男志「・・・つまり今回は、巻きこまれない?」
只野男志「ラッキー! サンキュー、クソ女!」

〇空き地
グリード「来たか。運命の戦士ども」
ラース「デュランダルがいない? 好都合だ! ぶっ潰してやる!」

〇空き地
帝院霧乃「貪欲の熱砂グリードに、憤怒の劫火ラース! 相手にとって不足なしです!」
狩場玖珠絵「この場を任せてくださったデュランダル様に、恥じぬ戦いをいたしましょう」
龍場夢來「がはは! 吾輩、腕が鳴りますぞ!」
帝院令「我が正義の裁きをくれてやろう!」
狩場玖珠絵「各個撃破します。 ミスティはグリードの相手を」
狩場玖珠絵「木属性は土属性に対して有利です」
帝院霧乃「はい!」
帝院霧乃「我に宿りし、世界樹の生命(ユグドラシル・パワー)よ!」
帝院霧乃「ルート・バインド!」
  地面から樹の根が生え、グリードを縛る。

〇空き地
グリード「な・・・なにぃ・・・ッ!?」
ラース「グリード!?」

〇空き地
狩場玖珠絵「レーヴァテイン殿、バルムンク殿。 ラースを足止めしてください」
龍場夢來「我に宿りし、龍殺しの疾風 (ドラゴンスレイヤー・パワー )よ!」
龍場夢來「ドラゴンズ・トルネード!」
帝院令「我に宿りし、破壊と創世の炎 (ラグナロク・パワー )よ!」
帝院令「フェニックス・バースト!」
「インフェルノ・テンペスト!」
  炎の竜巻が発生し、ラースを巻きこむ。

〇空き地
ラース「ぬおおっ!? 身動きがとれん!」
狩場玖珠絵「とどめです」
狩場玖珠絵「我に宿りし、神聖なる湖水 (セイクリッド・パワー )よ!」
狩場玖珠絵「ダブル・ブルードラゴン!」
  玖珠絵の側に、水の龍が2体現れる。
  ギャオオオオン!
ラース「!? ちっくしょぉおぉ~~っ!」
狩場玖珠絵「・・・勝った」
ラース「・・・なんてなァ!」
グリード「砂の壁(サンド・ウォール)!」
  ギャォ!? オォン・・・
狩場玖珠絵「砂の壁に、ブルードラゴンたちが、吸いこまれて・・・どこにそんな力が!」
ラース「愚か者め!」
ラース「俺たちが考え無しに挑んだと思ったか! 奥の手があるのよ!」
グリード「この土地は既にこの、貪欲の熱砂グリードの支配下! 俺の身体の一部!」
  グリードの身体が地面の土を取りこんで巨大化する。
狩場玖珠絵「く・・・っ! おさえきれない・・・!」
グリード「この巨体を、そのちんけな技で拘束できると思ったか!」
ラース「いくぞ! グリード! 合体だ!」
グリード「来い! ラース! 俺の中へ!」

〇空き地
グリラース「二心同体! 完成! 炎砂(えんさ)巨神!」
グリラース「グリラース!」
龍場夢來「巨大化に、合体・・・ですと!?」
帝院霧乃「ルート・バインド!」
狩場玖珠絵「ダブル・ブルードラゴン!」
  ギャオオン!
グリラース「ははは! 無駄、無駄ぁ!」
帝院令「そんな。 ミストルティンの樹の根は、あの炎で燃やしつくされて・・・」
龍場夢來「エクスカリバー殿の水龍は、触れると同時に蒸発してしまう!」
グリラース「ははは! 焼け石に水よ!」
狩場玖珠絵「弱点を、カバーしあっている!?」
グリラース「死ねぃ!」
グリラース「灼熱の砂嵐(スコーチング・サンドストーム)!」
  炎を帯びた砂嵐が4人に襲いかかる。

〇生徒会室
  只野が双眼鏡を覗いている。
只野男志「うそ!? ま、負けそう・・・!?」
  双眼鏡から目を離して、考えこむ。
只野男志「でも、これってチャンスだよな?」
只野男志「正体がバレると殺されるってのも、理不尽な奴隷扱いも、全部解決するじゃん!」
  焦げた漆黒の書を取り出し、引き裂こうと手をかける。
只野男志「そ、そうだよ! もう普通の生活に戻るんだ・・・!」
只野男志「だって俺、あいつらの仲間じゃないし! 本来、部外者だし・・・!」
  ふと、室内に目をやる。

〇生徒会室
龍場夢來「夢來、バナナ、すきー!」
帝院令「さデュー!」
帝院霧乃「私のデュランダル様っ!」
狩場玖珠絵「クソザコパンピー♪」

〇生徒会室
只野男志「・・・最後はともかく・・・」
只野男志「でも、俺にできることなんて、何もないし・・・」
  漆黒の書を見つめる。

〇空き地
  グリラースが倒れた4人を悠然と見下ろしている。
狩場玖珠絵「・・・うぅっ。こんな、はずじゃ」
帝院令「・・・う、動いてくれ・・・僕の身体!」
龍場夢來「が、はは。思わぬ強者でしたな・・・」
帝院霧乃「申し訳ありません。デュランダル様」
グリラース「ははは。デュランダルのいない四騎士など、所詮この程度」
グリラース「さて。とどめをくれてやろう! 灼熱の砂嵐・・・」
  待て!
グリラース「!? デュランダル!?」
「デュランダル様(殿)!」
狩場玖珠絵「あのクソザコ・・・なんで」
只野男志「そこまでだ! グリード、ラース!」
グリラース「・・・ぐっ!?」
只野男志(ふふふ。そう! 漆黒の書では、デュランダルは最強設定!)
只野男志(さぁ、勝ち目はないぞ! 逃げろ! さっさと逃げろ!)
グリラース「だが、俺がお前に倒される前に、四騎士を殺すくらいはできる!」
グリラース「み、道連れだ! ははははっ!」
只野男志(え? なんで!?)
只野男志(お前ら漆黒の書の設定だと、自分のことしか考えない小者だろ!?)
只野男志(なんで玉砕上等なのっ!?)
只野男志「こ、このまま退くなら、見逃すが?」
グリラース「生憎、撤退はできん!」
只野男志(撤退シテクダサ~~イ!)
只野男志「・・・ならば、と、取引といこう」
グリラース「・・・取引、だと?」
只野男志(えーっと、えっと。やっべ。 何も思いつかないぞ。 なんか、なんかないか)
只野男志「四騎士を、見逃すのなら・・・えーと・・・うーん・・・」
グリラース「!」
グリラース「まさか四騎士を見逃す代わりに、自分の命を差し出すというのか!」
只野男志「・・・へ?」
帝院令「な、なりません! デュランダル様!」
帝院霧乃「おやめくださいませ!」
只野男志(いや! いやいや!)
龍場夢來「ですがデュランダル様のことです。 何か秘策があるに違いないですぞ!」

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