第一話 居酒屋(脚本)
〇大衆居酒屋
俺は、会社の先輩たちと居酒屋で飲んでる
小野寺将太「おーい飲んでるか?寺崎」
寺崎飛馬「はい」
吉澤翔「で、どうよ氷の女の指導は?」
寺崎飛馬「氷の女?」
小野寺将太「ほら、あの氷室女史さ・・・きついだろ」
〇事務所
寺崎飛馬「氷室先輩、先日の案件有難うございました」
えっ、一瞬氷室先輩の顔が曇ったぞ
氷室冴子(社内)「良かったわね。そうだ手土産だったらあそこの社長、和菓子が大好きよ」
寺崎飛馬「本当ですか!有難う助かります」
氷室冴子(社内)「頑張ってね」
俺は氷室先輩の優しい笑顔にホッとした
寺崎飛馬「ハイ先輩」
〇大衆居酒屋
寺崎飛馬「氷室先輩は、氷の女なんかじゃありません」
小野寺将太「オイオイ、むきになるなよ」
吉澤翔「しかし、過去がなぁ・・・」
〇エレベーターの中
10年前、会社エレベーターの中で
氷室冴子(社内)「あっ、米田部長お疲れ様です」
米田健「やっ、お疲れさん、帰るのか?」
氷室冴子(社内)「ハイ、お先に失礼します部長」
米田健「これから彼氏とデートかな?」
氷室冴子(社内)「いいえ、家に帰って資格勉強です」
米田健「たまには俺と呑みに行かないか?」
米田は冴子の腰に手をやり、微笑んだ
氷室冴子(社内)「い、イヤ止めて下さい部長」
米田健「そんな事を言わず、イイじゃないか明日は休みだし・・・」
氷室冴子(社内)「私は、そんな女じゃありませんから・・・」
氷室冴子(社内)「失礼します部長」
米田健「覚えていろよ・・・」
〇大衆居酒屋
吉澤翔「・・・とまぁ当時、部長だった米田常務の話だとこんな具合だったらしいよ」
寺崎飛馬「それって、セクハラじゃないですか」
寺崎飛馬「氷室さんは別に悪くありませんよ」
小野寺将太「それだけじゃないんだ・・・俺も」
〇事務所
小野寺将太「あれ?まだ帰らないんですか氷室さん」
氷室冴子(社内)「まだ仕事が・・・」
小野寺は缶コーヒーを冴子の前に置いた
小野寺将太「お疲れ様・・・はい缶コーヒー」
氷室冴子(社内)「有難うございます小野寺さん・・・優しいですね」
小野寺将太「冴子さん、今度の休み映画でも」
氷室冴子(社内)「御免なさい、勉強と家の掃除があるの」
小野寺将太「冴子さんだって30代だろ・・・僕も30代だし釣りあってると思うよ」
氷室冴子(社内)「失礼ね・・・」
冴子は缶コーヒーを小野寺に投げた
小野寺将太「アチチ・・・」
氷室冴子(社内)「仕事の邪魔しないで」
〇大衆居酒屋
吉澤翔「えっ、小野寺もか」
小野寺将太「ウン」
寺崎飛馬「氷室先輩は、イイ人ですよ絶対」
吉澤翔「ならお前がそれを証明してみれば?」
小野寺将太「そうだそうだ、何なら賭けをするか?」
寺崎飛馬「イイですよ。賭けましょう」
吉澤翔「そうだな・・・氷室さんと一夜を共に過ごす・・・とか」
小野寺将太「そうだ、それに決まり」
寺崎飛馬「判りました。証拠として二人の写メを送りますよ」
吉澤翔「オイオイ・・・」
小野寺将太「負けたら何してもらおうかな?」
吉澤翔「そうだな、その年の忘年会で裸踊りをしてもらおうか」
寺崎飛馬「判りました」
こうして俺は氷室先輩を口説き落とす賭けを先輩たちとしてしまった


