未来は僕ら以外の手の中

山本律磨

未来は僕ら以外の手の中(脚本)

未来は僕ら以外の手の中

山本律磨

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〇古いアパート
男「・・・」
男「あ・・・」
男「順番間違えた。先に朝飯っと・・・」
男「・・・」
男「まあ、いいか」
男「どうせコレだし」
男「歯磨きしながら一緒にいくか」
男「うえっ・・・どっちも飲んじゃった」

〇ボロい倉庫
後輩「あ~面倒臭い」
後輩「なんで焼却する前に 一回汚すようになったんですかね?」
男「食うヤツがいるからだよ」
後輩「嘘でしょ? 賞味期限切れてるんすよ。 腐ってるのもあるし」
男「それでも食ってみたかったんだろうな」
後輩「食わなくても飲むだけで十分っしょ  折角の健康万倍カプセルっすよ?」
後輩「ああいうの安く売ってもらうために、 高い税金払ってんじゃないですか」
男「人はパンのみにて生きるにあらず」
後輩「なんすかそれ?」
男「人は健康カプセルだけで生きるにあらず。 みたいな?」
後輩「意味わかんね~。 大体、食事なんてもう 一部の人間の娯楽っしょ」
田中リチャードソン班長「そこ!何を喋っているカ!」
男「す、すみません」
田中リチャードソン班長「口、動かすナ。手、動かセ」
田中リチャードソン班長「この国、もうほとんど人生まれナイ。 もう全然人育てられナイ。 だから我らが来て助けてやってル!」
田中リチャードソン班長「お前らは考えるナ! 我らの指示ト、 我らがバウンドするマネーで生キロ!」
後輩「へ~い。考えませ~ん」
後輩「薬飲んで働いてそのうち死にま~す」
男「・・・」
田中リチャードソン班長「それがイイ。お前らがそれ望んダ」
後輩「は~い。望みました~」
「WAHAHAHAHA!」
男(考えない・・・)
男(俺らが望んだ・・・か)

〇白い校舎

〇テレビスタジオ
俳優正宗錬三郎5世「織田信長!」
ミュージシャンyouki3世「フランシスコザビエル!」
俳優正宗錬三郎5世「おいお~い。そんなわけね~だろ~」
ミュージシャンyouki3世「ゲッチュー!」
俳優正宗錬三郎5世「は~いyoukiの ゲッチュー頂きました~」
俳優正宗錬三郎5世「親父譲り親父譲り~」
ミュージシャンyouki3世「親父かんけーねーし!俺は俺だしー!」
アイドル目黒凛子2世「武田信玄!」
  『おめでとうございます!』
  『正解した凛子2世さんには高級洋菓子店のスイーツを食べて頂きま~す』
アイドル目黒凛子2世「うわ~。これ私の好きなやつだ~」
芸人来来亭夢乃丞10世「さ~て凛子ちゃんが食べてる間に 町ブラのコーナー行っちゃいましょう」
芸人来来亭夢乃丞10世「今回はあのアカデミアー賞俳優が 家族で高級リゾート一週間の旅!」

〇古いアパート
男「・・・」
  『今、選挙権から委任権に移行すれば最大100万円の給付金が配布されます』
  『お手続きも簡単です。お早めに』
男「また給付金くれね~かな~」
  『国会では最低賃金引き上げと共にそれに伴う財源確保の為、移動税、娯楽税、学問税、健康税などの議論も活発に行われています』
  『野党第一党、国民討論党青山公彦6世党首は四谷忠文4世首相に対して・・・』
男「よくわかんね~な~」
  『戦後、この国は未曽有の貧困に襲われました』
  『食べるものといえば米通帳による配分や芋の配給程度で人々は絶望の中を生きていたのです』
男「米に芋か・・・」
男「いいなあ~」

〇古いアパート

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