漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第3章第1節 『姫騎士! “湖水のエクスカリバー”』(脚本)

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〇黒
  漆黒のデュランダルと共に、終わりなき聖戦を戦うデュランダルの四騎士──
  その彼らをまとめるリーダー的な存在が、
  ムー大陸のラ・ムー王国の姫
  “湖水のエクスカリバー”である。
  ──『デュランダル漆黒の書』 第2章 第1節──

〇コンビニ
  コンビニ袋をぶら下げた只野が出てくる。
只野男志「朝飯はこれでよし。 運命の戦士たちの姿は・・・なし」
只野男志「今日くらいは平和な日だといいな。 本当、平和が一番──」
闇の眷属「デュランダァァアルッ!」
只野男志「ノー・モア・ウォーッ!?」

〇曲がり角
只野男志「ハァハァ・・・振り切った、か?」
闇の眷属「デュランダァァアルッ!」
只野男志「ぼ、暴力反対~~!」
闇の眷属「逃ガスカ! ・・・捕マエタ!」
  闇の眷属が只野を拘束する。
只野男志「ぎゃー! まて! 話せばわかる!」
闇の眷属「問答無用! 喰ラエ!」
  闇の眷属が只野を殴る。
  ボゴッ
只野男志「ぎゃんっ!?」
闇の眷属「シャアアッ!」
  さらに殴る。
  バゴッ、ボゴッ・・・
只野男志「ぐふぅ!? ま、待って、待って!」
只野男志「ひ、人違い! 俺は、ち。違うんだ!」
闇の眷属「・・・タシカニ、弱スギル?」
只野男志「だ、だから、見逃して! ね? 頼むよ! おねがいします! このとーり!」
  その場に土下座する只野。
  ふと、その様子を車椅子の美少女が見ているのに気がつく。
少女「・・・・・・」
只野男志「あ~~~っ! あれは!」
  そう言って少女を指さす。
少女「え・・・?」
闇の眷属「ム? ・・・ナンダ、キサマハ!」
只野男志(よし、囮作戦成功! 逃げるなら今!)
  只野が脱兎のごとく逃走する。
闇の眷属「アッ! コラ! マテェ!」
  追いかける闇の眷属。
少女「待ちなさいっ!」
只野男志「え?」
闇の眷属「ナンダ! ニンゲ・・・ン!?」
  少女の手には、青い剣が握られている。
只野男志(あの剣! ・・・またか!?)
少女「我に宿りし神聖なる湖水(ルビ:セイクリッド・パワー)よ!」
少女「ホーミング・ブルードラゴン!」
  ギャォオン!
只野男志「やっぱり! 湖水のエクスカリバー」
闇の眷属「マ・・・マズイ!」
少女「逃げても無駄です」
少女「その子は貴方を倒すまで、どこまででも追いかけます」
只野男志「す、すご! 闇の眷属を的確に追いつめて・・・」
只野男志「・・・あっ。当たった!」
  ギャオオオオ~~ン!
闇の眷属「グ・・・グワァアアア~~ッ!?」
少女「闇の眷属よ。常闇に還りなさい」
只野男志(か、かっこいい!)
  闇の眷属の姿が消え、気絶した男子生徒が現れる。
男子生徒「・・・・・・」
  少女が只野の側にやってくる。
少女「危ないところでしたね。驚いたでしょう? ・・・お怪我は、大丈夫ですか?」
只野男志(あれ・・・? て、天使?)
只野男志「・・・あ、あぁ」
少女「ふふ。それは、なによりです」
只野男志(慈愛に満ちた微笑み。 ・・・やっぱりそうだ)
只野男志(地上に降りた最後の天使だ)
  デュランダル様!
霧乃の声「デュランダル様!」
只野男志「・・・ミストルティン!?」
少女「・・・え? デュランダル・・・様?」
帝院霧乃「エクスカリバー様! 無事退院されたのですね!」
帝院霧乃「お待ちしておりました!」
少女「・・・ミスティ」
少女「いま、この方を、デュランダル様・・・と? 本当に?」
只野男志(やっば! めっちゃ疑われてる!)

〇生徒会室
  少女が只野に、じっと疑いのまなざしを注いでいる。
只野男志(お、おちつけ。まだバレてない! うまくごまかせるさ! Yes we can!)
帝院霧乃「デュランダル様。改めてご紹介します。 こちらが、湖水のエクスカリバー殿です」
狩場玖珠絵「今生での名は、狩場玖珠絵(かりば・くすえ)と申します」
狩場玖珠絵「この学園の3年生です」
狩場玖珠絵「よしなにお願いいたしますね。 ・・・デュランダル様」
  微笑む玖珠絵の背後に、花が咲く。
只野男志(あれ? 疑われて、ない?)
只野男志(・・・そうか。心の綺麗な人だもんな)
只野男志(・・・可憐だ。それに比べて・・・)
龍場夢來「がはは! エクスカリバー殿! 再会を祝して、バナナ食べますかな!?」
帝院霧乃「あれ? あれれ?」
帝院霧乃「デュランダル様とエクスカリバー様の雰囲気が・・・」
帝院霧乃「はっ。まさか、泥棒猫!?」
只野男志(なんて残念な連中なんだ)
帝院令「エクスカリバー殿は私たちよりも早くに前世に覚醒されて、1人で闇の眷属と戦ってこられた方です」
狩場玖珠絵「この脚が、その結果なのですが。 不甲斐ない。ですがこれこそが、私の使命」
  憂う玖珠絵の背後に、花が咲く。
只野男志(健気だ・・・やっぱり天使だ!)
只野男志「エクスカリバー。もう無理はするな。 我らを頼れ。お前1人の身体ではない」
狩場玖珠絵「デュランダル様・・・!」
  只野と玖珠絵の間に、霧乃が割って入ってくる。
帝院霧乃「で、でも!」
帝院霧乃「そのお怪我、すぐ治るんですよね? エクスカリバー様?」
狩場玖珠絵「え、えぇ。ミスティ。 もう少し、時間はかかるかもしれないけれど」
帝院霧乃「ですって! デュランダル様!!」
帝院霧乃「ご心配には及びません! 大丈夫です!」
只野男志(何で君が言うの!?)
狩場玖珠絵「あの、デュランダル様・・・」
只野男志「ん。なんだ」
狩場玖珠絵「先ほどの戦い」
狩場玖珠絵「私を置いて、お1人で逃げようとされていたように見えたのですが」
只野男志(ぎゃあ! やっぱ疑われてたぁ!)
只野男志「さっきはその、う、うむ」
只野男志「お、お前のな。そう。 我はお前の今生での力を、な」
狩場玖珠絵「試そうと?」
只野男志「う、うむ。その通りである」
狩場玖珠絵「なるほど。得心いたしました」
只野男志(・・・ほっ。セーフ! セーフ!)

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コメント

  • 毎回楽しみに見ています!
    只野くんがどうなるのかハラハラします!

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