漆黒のデュランダル伝説 ~ただの中二病の俺が勇者に祭りあげられてしまった件~

ウロジ太郎

第2章第4節 『覚醒! "疾風のバルムンク"』(脚本)

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〇屋敷の門
  グ~~ラ~~チュ~~!

〇日本庭園
  夢來を背負った只野が、目を赤く光らせたグラチューと対峙している。
只野男志(このままじゃ俺まで喰われちゃう! ・・・どうする!?)
龍場夢來「うぅう・・・」
只野男志(夢來ちゃんを背負ったままじゃ、絶対逃げられないし!)
グラチュー「グラチュ~~!」
只野男志(でもこの騒ぎ。ミスティが気づくはず。 ミスティー、はやく来てくれ~~!)

〇殺風景な部屋
  帝院家 地下100m
帝院霧乃「静かね。・・・退屈」
帝院霧乃「でも、もうすぐ、デュランダル様がお見舞いにきてくださる!」
帝院霧乃「肉を持って! うふ、うふふふっ!」

〇日本庭園
只野男志(・・・そして、来る気配なし!)
グラチュー「グ~~ラ~~チュゥ~~!」
只野男志「・・・ま、待て! 七つの大罪! 暴食の海嘯(かいしょう)グラトニーよ!」
グラチュー「・・・チュ?」
只野男志「レーヴァテインを斃(たお)したことは褒めてやろう」
只野男志「だが奴は四騎士の中でもたぶん最弱! 騎士はまだ3人いる!」
グラチュー「グラチュー!」
  グラチューがさらに距離を詰めてくる。
只野男志「待て! 待てって! すぐに残りの騎士も来る!」
只野男志「3対1だ! お前に勝ち目はないぞ! 逃げるなら今だぞ!」
グラチュー「グ~~ラ~~チュ~~!!」
只野男志「あ、ぁぁぁ・・・あと我の力!」
只野男志「漆黒の力を解放すれば、貴様など一瞬で・・・!」
グラチュー「グラチュウッ!!」
  グラチューが只野に突進する。
只野男志「わひゃあぁあっ!?」
  すんでのところで避ける。
  しかしその拍子に夢來が放り出される。
龍場夢來「ぴぎゃっ!?」
只野男志「あっ。ごめん!」
グラチュー「グラチューー!」
只野男志(しかしこいつ、さっきから全然しゃべらないし、ハッタリも効かない!)
只野男志(・・・動物と合体して、知能が低下してる?)
  グラチューが倒れた夢來に近づく。
グラチュー「グラチュ~~~」
只野男志(奴が夢來ちゃんに気をとられてる! 俺だけなら逃げられる!?)
只野男志(夢來ちゃん、ごめんっ!)
  背を向けてその場から逃げ出す。
龍場夢來「う・・・こ、ここは・・・?」
只野男志「! 夢來! だ、大丈夫か!?」
龍場夢來「・・・夢來のバナナ・・・は?」
只野男志(こんな時にバナナかよっ!)
只野男志「そ、そいつの腹の中だ・・・」
龍場夢來「え・・・っ!?」
グラチュー「グ~ラ~チュ~~」
龍場夢來「夢來のバナナ・・・これに食べられちゃってもう、ない? 夢來のバナナが」
龍場夢來「夢來の・・・バ~~ナ~~ナァアア~~ッ!!」
  夢來の周囲に、風が渦巻きはじめる。
  直後、夢來の手に緑色の剣が出現する。
只野男志「・・・えっ?」
グラチュー「チュー・・・!?」
龍場夢來「おのれグラトニー! バナナの恨み!」
龍場夢來「我に宿りし龍殺しの疾風 (ドラゴンスレイヤー・パワー )よ!」
龍場夢來「ウィンド・ブラストッ!」
  風の塊がグラチューに炸裂する。
グラチュー「グラッチュゥ~~!?」
只野男志(えぇええぇええぇ~~っ!?)
  グラチューが苦しげに身体を震わせている。
グラチュー「グ・・・グラ・・・ゲボーーッ!」
帝院令「げほげほっ」
  胃液まみれの令が吐き出される。
只野男志(生きてた!?)
龍場夢來「ご無事ですか。レーヴァテイン殿!」
帝院令「・・・助かりました・・・疾風のバルムンク 殿!」
只野男志(疾風の、バルムンク!?)
只野男志(あれって確か、おっさんじゃ・・・)

〇日本庭園
龍場夢來「がはははははっ! デュランダル殿! レーヴァテイン殿! お久しゅうござる!」
龍場夢來「吾輩も“全盛”期の“前世ぃ”の記憶を取 り戻しましたぞ! がははっ!」
「・・・・・・」
  冷たい風が、ヒュゥ・・・と吹く。
只野男志(お、おっさんだぁ~~! 中の人が、幼女からオッサンになってる!!)
帝院令「やはり、デュランダル様の感じた疾風(かぜ)の力は本物だったのですね!」
只野男志(疾風(かぜ)の力・・・?)

〇スーパーの店内
只野男志「おそらく・・・風邪だ」
帝院令「かぜ・・・? はっ!? 確かに! かぜの力を感じます!」

〇日本庭園
只野男志「そ、そういうこと!?」
只野男志「・・・である!」
帝院令「さデュー!」
只野男志(それ気に入ったの!? ねぇ、気に入っちゃったの!?)
龍場夢來「うむうむ! 実にさデュー!」
只野男志(おっさんまでっ!?)
龍場夢來「吾輩を覚醒させようと、バナナを取りあげる見事な作戦!」
龍場夢來「このバルムンク、感服いたしましたぞ!」
帝院令「そうです。今思えば、デュランダル様は全てを見通しておられたのです!」
只野男志「そ・・・そうか。 ふ、ふふ・・・よくぞ気づいた」
只野男志「全ては我が掌中よ!」
帝院令「さ~デュ! さ~デュ~!」
龍場夢來「さ~~デュ~~!」
グラチュー「グ~~ラ~~チュ~~ッ!」
只野男志(あいつのこと、忘れてた!)
  只野は素早く、令と夢來の後ろにさがっ
  た。
只野男志「レ、レーヴァテイン、バルムンク!」
帝院令「はっ! お任せを!」
龍場夢來「がはははっ! 腕が鳴りますな! やってやりますぞ! デュランダル殿!」
只野男志(あぁ。夢來ちゃん・・・君はもう、大人になってしまったんだね・・・ほろり)
グラチュー「グラチューーーッ!!」
  グラチューが突進してくる。
龍場夢來「レーヴァテイン殿」
龍場夢來「かつてデュランダル殿より授かりし、合体技をみせてやりましょうぞ! いけますかな?」
帝院令「了解です! バルムンク殿!」

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