泣かない蝉

真庭

エピソード9(脚本)

泣かない蝉

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憂月「・・・」
憂月「あ?」

〇中庭
  待ち合わせ時間になっても姿を見せない
  馬鹿を待っていた最中──
  草木も眠る丑三つ時だというのに、
  生者が動いている気配があった。
憂月(・・・片方は知らねえな)
憂月(いや、知らないというより── 昼間は普通過ぎて気にならなかった気配か)
  気配を辿る限り、患者の一人だろう。
  ──問題は、もう一人の方だ。
憂月(また目が冴えたか?)
憂月(あるいは・・・)
  ついに直接”誘われた”か
  ──”誘われた”のだとしたら、
  猶予はもうない。
憂月(直接”視”なきゃ確証はねえが・・・)
憂月(夜明けまで、ってとこだろ)

〇中庭
「あ~お待たせぇ」
破月「今ならアレ屋上にいるよぉ」
憂月「遅え」
破月「ァいたあ!?」
破月「殴ることないじゃぁん!?」
憂月「行くぞ」
憂月「話は移動しながら聞く」
破月「せっかちぃ」
破月「今回は珍しくヤル気じゃぁん」
破月「いつもは『メンドクセ』って丸投げなのに」
憂月「事情が変わった」
憂月「──夜明けまでに捕縛できなきゃ、 もう二度とチャンスはないと思え」
破月「え、ウソぉ」
破月「確かに後一人でも”食べ”たらヤバいとは 思ったけどぉ」
破月「でもここ最近は大人しかったって聞いたよぉ」
憂月「鵜呑みにしてんじゃねえよ馬鹿」
破月「馬鹿って言うなぁ!!」
憂月「鵜呑みにして考えなしに突っ込んだ挙げ句 致命傷になって怒られたことを学ばないヤツは 馬鹿だろ」
破月「ぅぐぅ」
破月「でもさぁ!」
破月「じゃぁ何で大人しかったんだよぉ」
憂月「・・・」
憂月「可能性は現時点で二つ」
  件の怪異を抑えつける、
  より脅威となり得る存在が現れた
  もう一つは──
憂月「今アレが粉かけている”誰か”が、 長期間、アレに抗っているか」


〇中庭
破月「えぇ・・・」
破月「そんなことあるぅ?」
憂月「・・・ない訳じゃねえ」
憂月「が──そうそうあることでもねえな」
  しかも、それが病を患う子どもであれば
憂月「だが、事実だ」
憂月「神仏の加護か意志の強さか、 ただ鈍いだけかは知らねえが」

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