集結、五輪の戦士(脚本)
〇サッカー場
試合当日は快晴。選手達や応援する観客にも気合が入る。
射場夏芽(昨日、伊吹先生のあの言葉、忘れないようにしよう。今日はこんなに応援してくれる人がいるんだし)
〇更衣室
夏芽や選手たちがピッチに入っていったあと、スタッフの控えの部屋に塁たちが集合していた。
一山塁「──よし」
華山風花「お、早かったな」
一山塁「まぁ、初仕事だからね。戦隊としては、だけど」
益子環「お待たせいたしました。こちらに来る前に会場の様子を見ましたけど今日の試合、かなり応援するお客さんが多いようです」
一山塁「そうなの?」
益子環「はい、今日の試合にどうやら高校サッカー界で有名な選手が出場するということで皆さん興味津々のようでした」
そこへ
益子弓香「ごめ~ん!お待たせ~!今回の試合のデータを集めていたら遅れちゃった!結構有名どころだから念入りに調べたかったの!」
益子環「あ、姉さん。お疲れ様です」
華山風花「よし、これで揃ったな。で、分担はどうするんだ、塁?」
一山塁「今回、満員御礼でホームとアウェーで応援する人数が半々だって言っていたわ。なのでこちらも二手に分かれましょう」
一山塁「風花は私とホーム側、益子姉妹はアウェー側をお願いしますね」
益子環「了解です。風花さん、塁さん、そちらは頼みます。姉さん、行きましょう」
益子弓香「了解!」
華山風花「さてと、あたしたちも行くか」
一山塁「ええ!」
「スポーツ・ピース・パワー!!」
〇サッカー場
射場夏芽「気を抜くんじゃないよ、みんな!」
試合になり、味方を鼓舞しつつ、自分も全力でプレーする夏芽。これには応援にも熱が入る。
エメラルドスナイパー「こりゃ相当なものだな・・・すごいボルテージの上がりようだし」
サファイアシューター「ふぅ、これは気合入れてやるしかないですね。そっち側を頼みますよ、姉さん」
エメラルドスナイパー「了解!」
ルビースラッガー「盛り上がっていただくのはいいのですが、他の皆さんに迷惑をかけないようにしてくださいよ~!」
トパーズライトニング「そこ~!てすりから体を乗り出すなよ~!」
4人は盛り上がっている観客席の警備等を全力で行った。
「頼む!決めてくれ!」
射場夏芽「任せな!」
夏芽の大活躍に大歓声が上がる。
「うおお!決めた~!」
「流石は『風足無双のワルキューレ』こと射場夏芽さんだわ!」
射場夏芽「っし!まだまだ!」
射場はフル出場でハットトリックも決める大活躍を見せた。
〇サッカー場
試合終了後・・・
射場夏芽「ふぅ、最高の結果だったな・・・」
帰ろうとした時
伊吹・フランクリン・水樹「お疲れさん。話しておきたいことがあるけど今いいかい?」
射場夏芽「良いですけど、何か?」
伊吹先生は夏芽に変身アイテムを渡した後、拠点の場所を教えた。
射場夏芽「──ありがとうございます。もしかして私が戦隊ヒロインの最後の1人ですか?」
伊吹・フランクリン・水樹「察しの通りだよ。というか、あんたの持っているそれ、御守りかい?」
射場夏芽「そう、ですね。これがないと不安になっちゃって・・・」
夏芽の手にはアメジストのペンダントがあった。
伊吹・フランクリン・水樹「もしかしたら、それがあんたを戦隊に導いたのかもしれないな」
射場夏芽「かもしれませんね。とりあえず拠点に行ってみますね」
〇ファンシーな部屋
その夜の風花は少々気になることがあるようだった。
華山風花(風足無双のワルキューレこと射場夏芽、なんか気になるな・・・あいつ、いいところの高校のサッカー部だったよな)
華山風花(確か、あいつの通っている高校は宝生大附属高校、文武両道で有名どころの私立高校だったよな・・・)
華山風花「なんか思い出せない・・・小学校の頃にあいつと縁があったような・・・確か、あたしのことを『フー姉』って呼んでたな」
華山風花(──寝よう。考えていたら眠くなってきた・・・)
〇研究施設のオフィス
数日後の朝、夏芽は戦隊の拠点に来ていた。
射場夏芽「ここか・・・」
彼女はバッグを確認し、変身アイテムとアメジストのペンダントがあることを確認した。
射場夏芽「──よし、問題ないな。私が戦隊ヒロインか・・・どんなポーズと口上にしようかな?」
窓ガラスを鏡代わりに名乗りの口上とポーズを考えていたその時
華山風花「なんか気になるな~。あいつのこと・・・って、ん?」
射場夏芽「ふう、良い感じだな。って、お?」
「あんた、どっかであったような・・・」
「んなあああああ!?」
射場夏芽「フー姉、まさかあんたが戦隊ヒロインになっていたとは・・・久しぶりだな」
華山風花「な、な、ナッツ!?」
華山風花と射場夏芽は小学生以来の再会をここで果たしたのであった。フー姉、ナッツはその時の2人の呼び名である。
華山風花(ま、マジかよ~・・・戦隊メンバーの最後の1人がナッツって・・・予想外すぎてコメントに困るぜ・・・)
射場夏芽「小学生以来の再会がこことは思わなかったよ」
華山風花「だよな~。そういや、伊吹先生から戦隊メンバーになりたいってやつがいるって話を聞いたんだけど・・・」
射場夏芽「ご、ごめん・・・それ、あたしのこと・・・」
華山風花「お前か~!」
射場夏芽「これだよな、変身アイテム」
華山風花「貰っていたんだな、伊吹先生から」
射場夏芽「ああ、フー姉と同じ戦隊に入りたいと言ったからな・・・」
射場夏芽「変身、一緒にしないか?やってみたいんだ」
華山風花「──やるか!そうだ、変身方法なんだけど・・・」
風花は夏芽に変身方法を教えた。
射場夏芽「・・・なるほど、分かった!ここでやりたいけど・・・いいか?」
華山風花「いいぜ!ナッツ、あたしも変身したかったんだ。やろうぜ!」
射場夏芽「──ああ!」
2人は窓ガラスを鏡代わりにして、変身アイテムを手に、構えた。そして互いに軽くうなずいた。
華山風花「ナッツ・・・」
華山風花「行くぜ!」
射場夏芽「おうよ!」
「スポーツ・ピース・パワー!!」
〇仮想空間
「アームドアップ!!」
〇研究施設のオフィス
トパーズライトニング「雷鳴一発、轟く疾走!トパーズライトニング!」
アメジストストライカー「疾風怒濤、風を呼ぶ健脚!アメジストストライカー!」
「あたしたち、五輪風雷組!!」
(思わず即興でコンビ名、付けちゃった・・・ていうか、一緒の名前だった・・・)
アメジストストライカー(──これが戦隊ヒロインのあたしか・・・へへっ、アメジストはあたしの御守りだから名前もぴったしだな)
トパーズライトニング「気に入っているようだな」
アメジストストライカー「ああ、もちろんさ。そういえば残りのメンバーはまだ来てないのか?」
と、そこへ
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