Xヒーロー

語り部

第108話 安心立命(脚本)

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〇散らかった部屋
  2021年 イリノイ州 ケーン郡 エルジン市 民宿モダン・ サバーバン・オアシス内
斎王幽羅「や···やっと着いた···すごい距離だったね」
エンチャント魔導法士「飛行機で5時間、そこからバスで1時間近くか?長かったわ···」
フェード「知床からハワイ沖くらいの距離だからな、そりゃ時間もかかるだろうな」
斎王幽羅「ひぇぇぇぇ···すごい距離だね···とりあえず横になろう。ってキングと凪園と鸞もう寝てるし···」
フェード「よいしょ···流石に相部屋はアレだから鸞は連れていくぞ」
  そう言うとフェードは鸞の両脇を持ち上げながら隣の部屋にずるずると引きづって移動した

〇散らかった部屋
  その日の夜
  フェードは静かに体を起こす。光ひとつ無い闇の時間に顔は上向き、静かに空を見上げる
フェード「··· ··· ···凪園が居ないとどれがどの星座か分からんな」
  声が漏れた。寝息を立てる鸞と静かな世界に声は消えていく
  考えが過ぎりやがて深度が増していく。今日の出来事、聖人の灰のこと、そして···アナザー・オリジンのこと
フェード「作戦自体は成功だし戦闘が目的でなかった。とはいえ···アナザー・オリジンとの接触で感じたあの『絶望感』」
フェード「相手に見逃してもらった節もある。WoOSのトップらしき者との接触も出来なかった···」
フェード「聖人の灰は成果が得られたが、私達は『何も得ないまま』だ。いいのか···?これで」
フェード「いずれ戦いになったら···私達は勝てるのか?」
  不安がフェードを覆う。自分もこのまま暗闇に落ちそうなくらいに。だが声は返ってきた
クロノス「でも皆一緒だよクイーン?」
フェード「お前っ···!こっちは女子部屋だぞ!?帰れ!」
クロノス「えー!でもクイーンいつも一緒に寝てくれたのに···」
フェード「それは武器の姿だったからの話で···というか早く行け···!」
  クロノスの大きな背中を押しながら部屋の扉まで移動するが、クロノスは振り返りフェードを抱きしめる
フェード「なんだ···視界がお前の喉しか映らんから離れて欲しいんだが」
クロノス「クイーン··· ··· ···不安だよね?大丈夫···大丈夫だからね?」
  クロノスが抱きしめる力を少しだけ強めた。自然に触れるクロノスの体にフェードは身を委ねがら尋ねた
フェード「··· ··· ···クロノス、アナザー・オリジンと戦う未来は」
クロノス「88万9644通り」
フェード「勝利してみんな無事に帰れる可能性は」
クロノス「··· ··· ···存在するよ」
  フェードは聞けなかった。何通りあるのかなんて怖くて聞けなかった。もしクロノスが『ゼロ』なんて言おうものなら
  きっと自分を抑えられない、きっと自己犠牲をしてまで斎王達を助けてしまう
  斎王に言われた『頼って欲しい』と。それを破りたくない、ただそれだけだった
  そしてフェードはクロノスを抱きしめながら静かに瞼を下ろした。
  深くなった夜がもう少しで明ける。クロノスはそっ···とフェードを寝かせ男子部屋へ帰った
  To Be Continued··· ··· ···

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